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今日の筆洗

2016年02月01日 | Weblog

 自転車に乗れるようになるにはどうするか。ある方が傷だらけになったお嬢さんをヒントに書いている。「簡単な計算。転んだ回数よりも一回だけ起き上がる回数が多ければいいんだ」▼クリス・ストークスさん。一九八八年のカルガリー五輪で初めてボブスレーに出場したジャマイカ代表の一人。現在は同国ボブスレー連盟の会長である▼南国の人間がボブスレー? 当時は皮肉な笑いも起きた時代である。ジャマイカ代表の奮闘を描いたコメディー映画「クール・ランニング」を思い出す方もいるか。まさにゼロからのスタートだった。経験も知識も資金もない。ストークスさんが五輪に出場した日はソリを押す練習を始めた三日後のことだったそうだ(『クール・ランニング物語』)。「黒人には向かぬスポーツ」ともいわれた▼二年後が楽しみなニュースである。ジャマイカ代表が東京都大田区の町工場が開発した「下町ボブスレー」を採用し平昌五輪を目指す。夢あふれる下町のソリも挫折が続いていた。日本代表はソチ、平昌ともに採用しなかった▼ソリは無償提供だそうだ。見せ場のなかった「下町」と資金難のジャマイカ。苦労する同士が手を携え、もう一回起き上がる▼<そのドアが閉まっても別のドアが開くのを知らないのかい>。ジャマイカの歌手、ボブ・マーリーの「フロム・ザ・コールド」。応援したい。