Kou Farm

畑の話と日々の雑談

地震 原発 農薬

2016-11-25 22:26:48 | 日々の事
先日の地震 久しぶりに大きいと感じました
ご心配頂いた皆様 ありがとうございました

さらに福島第二原発でのトラブルは 地震の揺れよりヒヤリとしました
放射性物質は もういりません
あの苦い経験を思い出したら 最近読んだ一冊の本が思い浮かびました
農薬への誤解と偏見を解こうとする本です
世間からの見られ方がよく似ています
著者は大正生まれで東京帝国大学農学部の出身
農業の現場から行政まで 戦後の農薬業界で活躍し 仕事に対してとても誠実な方と思います

1960~1970年代はレイチェル・カーソンの沈黙の春や日本でも有吉佐和子の複合汚染が注目されるなど
急激な工業化それに伴う公害への問題提起がなされ 環境問題が大きな関心を呼んだ時代です
老舗のオーガニック系流通や店舗が産声を上げたのもこの時代です

著者は農薬受難の時代と言います 何かあればメヂィアは農薬を疑い 高名な識者・学者を引っ張りだして
その危険性を強調する 
農薬の専門家からすれば でたらめな報道が多く 根拠も科学的な視点もあやふやで偏向した報道にずいぶん
悔しい思いをしたようです
その風潮はなかなか消える事はなく 沈静化しても また何かあれば再燃する
それを様々なデータをもとに説明し 農薬の許可登録がいかに厳しいものであるかを訴えています
よほど悔しかったのか 有機農業など生業として成立しないと言ってます まぁ筆が滑ったのでしょうね(笑)

確かにメディアはマスにしてもミニにしても 眉唾だったり極端に偏った報道がある と僕も思います
直近ではアメリカ大統領選の報道がいい例でしょう
有機農業についても 肯定的ではあっても根拠の薄い記事を見かけます
注目を促すのはいいですが それが返って いかがわしさを増長する場合もあるのです

さて 農薬について
歴史的には 農家の近代化そして所得増を目指す流れは戦前から 戦後は酷い食糧難の解決という背景があり
農薬が肯定される必然性が生まれたと思います
(当時のお百姓さん達の苦労は 現代人には感覚的に想像できないかもしれません)

しかし 作用があれば反作用があるのが世の常
DDT(昔の農薬)は環境中で安定した物質で 使用後なかなか分解せず残留性が高く 生物濃縮も顕著
である事から 日本ではいち早く禁止となりました

何事にも 進歩 というものがあるもので メリットに対するデメリットが後に分かる事もあり 現在の農薬も
未来には いけないと判断されるかもしれず 又 より安全なモノが開発されるかもしれません
もどかしくとも 進歩というグレーゾーンがあるのはしかたがなく そのへんはスッタモンダしながらやっていく
しかないのかもしれません

そんなわけで  僕が農業の世界に入って十数年 
一度も農薬を使わず これからも使うつもりがない訳は

なんとなく です(笑)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする