また、雨が、空から降っています。
今朝も、元気に勢いよく、雨は、降っているのです。
濡れて凍える、憂鬱な雨しか、思い浮かべることのできない、
愚かなる、干からび萎びた、私です。
仕方がないので、寝ています。
然し乍ら、
元来、雨は、楽しいもの、でもあったのです。
勿論、仕様(しょう)がない思い出も、染み込むのですし、
バスが止まれば、雨だれの向こうで、
だれかの煙草に、火が点いたりもするのです。
昨日、初めて知ったのでしたが、あの細野晴臣さんは、
雨の中、靴を履いて、傘をさせば、木も、街も輝く、
と70年代から歌っていたのでした。
「悲しみのラッキースター」です。
私も、たぶんきっと、
雨の中で燥いで、あのころは、雨の歌を唄っていたのです。
今はそれを、ただ忘れているだけ、なのでありました。
それを、昨日、思い出したのです。
然らば、今朝の雨はと言えば、
それでもやっぱり、
濡れて凍える、憂鬱な雨、なのでございます。