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伊藤忠エネクス、18年3月期の連結純利益は前期比6%増の110億円前後、

2018年04月20日 16時49分41秒 | thinklive


 伊藤忠エネクスの2018年3月期の連結純利益は前の期比6%増の110億円前後になり、3期連続で過去最高を更新したもようだ。ガソリンや軽油の利幅が上向いたほか、LPガスの販売が国内外で堅調だった。利益上振れで据え置き予想だった配当を引き上げる公算が大きい。

 従来予想は横ばいの104億円だった。増益に貢献したのは石油事業の利益拡大だ。石油元売り各社がガソリンなどの供給量を減らした結果、需給が引き締まり販売マージン(利幅)を確保しやすくなった。不採算の給油所の閉鎖を進めたことも採算の改善を後押ししたとみられる。

 LPガスの販売も順調だった。国内市場は17年10月に大阪ガスと折半出資で立ち上げた販売統括会社「エネアーク」の効果が出た。海外市場はフィリピンが好調で、顧客基盤の充実を支えに販売数量を伸ばした。電力販売も企業や一般家庭向けに底堅かったもようだ。

 配当は前の期まで4期連続で増配している。同社は株主還元の目安として連結配当性向30%以上を掲げており、利益の上振れなどを考慮すると年間32円で横ばいとする従来計画から増配に転じる可能性が高い。仮に増配に踏み切れば5期連続の増配となる。

 19年3月期もガソリンや灯油、LPガスなどの販売は堅調さを保つ見込みだ。純利益の4期連続の最高益更新が視野に入るとみられる。

武田薬:シャイアー買収の協議を継続、12日の提案は拒否-株価続落

2018年04月20日 12時44分02秒 | thinklive
武田薬:シャイアー買収の協議を継続、12日の提案は拒否-株価続落

武田薬は現金と株式を組み合わせ1株46.5ポンドで買収提案



武田薬品工業は19日、バイオ医薬品メーカーのシャイアーに対し、現金と新株を組み合わせた総額約6兆4400億円の買収案を提示した。12日に示したこの提案はシャイアーの取締役会により拒否されたものの、現在も両社間では協議が継続しているという。

  武田薬はシャイアーに1株当たり46.5ポンド(約7000円)で買収を打診。これは、買収検討を発表する前日の3月27日時点のシャイアー株終値に51%上乗せした水準。このうち現金が17.75ポンド(38%)、新株が28.75ポンド(62%)だった。シャイアーは「当社の価値と成長見通し、新薬のパイプラインを著しく過小評価している」と判断してこの提案を拒否したものの、協議を続けることには前向きだと表明した。

  武田薬はクリストフ・ウェバー最高経営責任者(CEO)の下で買収意欲を高めており、特許切れや国内の人口減少に対応しようと海外展開に活路を求めている。シャイアーを買収することで消化器疾患や神経障害などの治療薬で新たな資産を獲得できるほか、治験の後期段階にある新薬も手に入る。

 武田薬が示した買収提案は新株部分だけで約4兆円と、同社の20日時点の時価総額3兆9420億円を上回る増資が必要になる。株価は同日、一時前日比4%安の4892円と1年2カ月振り。

  同社の株式を保有するしんきんアセットマネジメント投信の藤原直樹運用部長は「足元は希薄化の影響がある」とし、「いままでの武田の買収がすべて成功しているわけではないので、財務リスクはある程度意識せざるを得ない」と話す。買収に成功した場合の収益への貢献やシナジー効果がどの程度になるのか、配当は維持されるのかといった点にも注目しているという。

資金調達は「試練」
  クレディ・スイス証券の酒井文義アナリストは今後の見通しについて、武田薬が買収を成功させる「チャンスはある」とし、両社のトップが「合意点を見つけられるかにかかっている」と指摘。しかし、資金調達については疑問が残るとの見方を示す。日本郵政の新規株式公開でも調達額は1兆3000億円だったとし、武田薬が公募増資で調達できるのは1兆円程度とみられるため4兆円の調達は「大きな試練」だと強調した。

  競合他社が参入する可能性も武田薬の買収成功を左右する要因。米製薬会社のアラガンは19日の武田薬の発表後にシャイアーの買収を検討していることを発表し、数時間後にはその考えを撤回した。酒井氏は、米製薬会社のファイザーやアッヴィもシャイアー買収に関心を示す可能性があると指摘した。

  企業買収に関する英国の規制に基づき、武田薬は引き続き25日までに正式案を提示するか、買収を断念するかを明らかにすることが求められている。また、同社は発表文で「提案を行う場合の条件については節度を守ることをあらためて約束する」とし、敵対的買収は目指さない考えを示唆した。