伊藤忠エネクスの2018年3月期の連結純利益は前の期比6%増の110億円前後になり、3期連続で過去最高を更新したもようだ。ガソリンや軽油の利幅が上向いたほか、LPガスの販売が国内外で堅調だった。利益上振れで据え置き予想だった配当を引き上げる公算が大きい。
従来予想は横ばいの104億円だった。増益に貢献したのは石油事業の利益拡大だ。石油元売り各社がガソリンなどの供給量を減らした結果、需給が引き締まり販売マージン(利幅)を確保しやすくなった。不採算の給油所の閉鎖を進めたことも採算の改善を後押ししたとみられる。
LPガスの販売も順調だった。国内市場は17年10月に大阪ガスと折半出資で立ち上げた販売統括会社「エネアーク」の効果が出た。海外市場はフィリピンが好調で、顧客基盤の充実を支えに販売数量を伸ばした。電力販売も企業や一般家庭向けに底堅かったもようだ。
配当は前の期まで4期連続で増配している。同社は株主還元の目安として連結配当性向30%以上を掲げており、利益の上振れなどを考慮すると年間32円で横ばいとする従来計画から増配に転じる可能性が高い。仮に増配に踏み切れば5期連続の増配となる。
19年3月期もガソリンや灯油、LPガスなどの販売は堅調さを保つ見込みだ。純利益の4期連続の最高益更新が視野に入るとみられる。
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