天然居士のとっておきの話

実生活には役に立たないけど、知っていると人生が豊かになるような話を綴りたいと思います。

ダニエル・デフォー

2009-09-17 | Weblog
 ダニエル・デフォーは
 「ロビンソン・クルーソー漂流記」の作者として有名ですね。
 しかしながら、デフォーは単なる小説家ばかりでなく、
 波乱万丈の人生を送った人であり、
 スパイとして活動していたこともありました。

 1660年、ロンドンの肉屋の息子として生まれた彼は、
 様々な職業を転変とします。
 青年時代から政治に興味を持ち、
 1685年、ジェームズ2世に対する反乱罪に連座して、
 危うく処刑されそうになります。
 その後、ウィリアムス3世の革命軍に参加し、
 裕福な女性と結婚して、
 メリヤスの靴下屋を営みますが、放漫経営で破産します。

 逃亡生活中に、
 ウィリアムス3世を支持するパンフレットを作成して政府に迎えられ、
 職権を利用して陶器工場の経営を始め成功します。
 1702年、スチュアート朝最後のアン女王が即位すると、
 イギリス国教徒の残酷性を訴えるパンフレツトを出版し、
 議会の国教徒の怒りを買って3日問のさらし台の刑の後投獄されます。
 獄中において政治評論ばかりか獄中の泥棒や殺人犯のインタビュー、
 有名人のスキャンダル、幽霊話などを満載した新聞を発行し、
 現在の英国大衆新聞の原型をつくり、
 反政府派のジャーナリストとして名声を得ます。

 しかし、一方では自由を得るために
 政府高官に反政府派弾圧のスパイ組織結成を提案し、
 許されて出獄後、政府のためのスパイ組織網を組織しました。
 彼、自らもスコットランドに潜入し、
 イングランドとスコットランドの合併に貢献します。

 その後、変節の多い言動が
 政府からも反政府派からも疑われるようになり、
 政治活動とスパイ活動を断念して引退しました。
 そして、59歳の時に書き上げたのが、「ロビンソンクルーソー」で、
 ベストセラーになります。
 その後、同傾向の作品を多数出版し、巨額の富を得ますが、
 69歳の時突然失綜し、
 71歳の1731年、隠れ住む小屋でひっそりとその生涯を閉じました。

 デフォーは、何度も成功と失敗を繰り返し、
 更に政治的な立場も二転三転します。
 余り、尊敬できる人物ではなかったかも知れませんが、
 面白い人生であったことは間違いないと思います。
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1 コメント

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Unknown (井頭山人)
2017-09-28 14:05:00
D・デフォーですか。ロビンソンクルーソーは子供の読み物としては面白いものですね。小学生のころ図書館で借り出し読みました。アフリカ沖で難破して未知の無人島に打ち上げられ、難破船から物資を回収して孤独な生活を始めます。オオムと犬が居たかな?
それから助けた黒人のフライデー、と住む。所謂サバイバルの生活を続けます。
このような面白い探検記の他にも、彼はジャーナリストとしても優れて居たと思います。ロンドンの恐るべき伝染病「ペスト」のルポルタージュは、その証明でもある。ジョナサン・スイフトの「ガリバー旅行記」と共に、イギリスの探検物の双璧です。あ、それからスティーブンソンの「宝島」も有りましたね。子供の頃に楽しんだ物語です。
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