天然居士のとっておきの話

実生活には役に立たないけど、知っていると人生が豊かになるような話を綴りたいと思います。

ダルタニヤン

2008-09-16 | Weblog
 ダルタニヤンは、アレクサンドル・デュマの名作
 「三銃士」の主人公です。
 「一人は皆のために、皆は一人のために」と言う三銃士のモットーは、
 僕の好きなセリフの一つです。

 さて、このシャルル・ダルタニヤン、
 実在の人物であった事は余り知られていないのではないかと思います。
 生まれた年は正確には分からないのですが、1615年頃だそうです。
 フランスはガスコーニュ地方の出身でした。
 ガスコーニュ地方は、余り豊かな地方ではなかったようで、
 多くの若者が土地を離れてパリに行き、軍人になりました。
 こうした郷土の先輩を頼ってパリに行ったダルタニヤンは、
 やがて時の権力者マゼラン枢機卿に見出され、その腹心となります。

 更に、当時のフランス国王、ルイ14世に重用され、
 近衛隊長の地位に上り、そして銃士隊の隊長代理になります。
 当時、近衛隊より銃士隊の方が各上とされており、
 更に銃士隊の隊長には国王が当たっていましたから、
 実質的な隊長であった訳です。
 ダルタニヤンに、それほどの目覚しい軍功があった訳では
 なかったようですが、
 私財を使って部下の面倒をみたり、罪人にも情けを掛けるなど、
 爽やかな快男子として人気があったようです。
 リールと言う都市の総督に任命されたり、
 様々な任務を与えられ、これを着実に達成させていきます。

 順調に出世したダルタニヤンも、
 1673年6月25日、マーストリヒトの攻防戦の中で、
 銃撃を受け死亡してしまいます。
 ルイ14世は、王妃宛に手紙を書き、その中で、
 「朕はダルタニヤンを失ってしまいました。
 朕が最も大きな信頼を寄せていた男です。」と書いたそうです。
 以上、佐藤賢一さんの「ダルタニヤンの生涯」に載っていた話です。
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