櫻坂46の第2弾シングル『BAN』が発売されたが、私はカップリング曲『君と僕と洗濯物』にノックアウトされた。ごく稀にだけどこんな曲に出会えるから、カップリング曲も含めて新曲のチェックは欠かせない。
『君と僕と洗濯物』。
一聴して名曲『青空が違う』の姉妹曲だと気付く。「一人暮らしの彼の部屋を来襲」シリーズと言うべきか。
『青空が違う』は山里良太が妄想小説集『あのコの夢を見たんです』でもモチーフにしている楽曲だ。その曲では彼女は「ひまわりの種」を持って来たが、『君と僕と洗濯物』の彼女はチューリップの、多分球根ではなくて花が咲いている鉢植えを持参している。
私も学生時代一人暮らしをしていたので、こういう楽曲のシチュエーションには憧れる。残念ながら当時異性が部屋に来たことは一度もなかったが、だからこそこういう楽曲にはときめいてしまう。
また、多数メンバーのソロパートが代わる代わる続く構成もいい。ユニゾンではなくて、それぞれの子の声を味わいながら、妄想の世界に浸ることができる。歌詞が聞き取りやすいのもいい。
曲調やアレンジも、大らかで、イントロからワクワクして来る。
それにしても、妄想をくすぐる歌詞だ。
突然遊びに行くとLINEして来て、洗濯物を干してくれるとは、何て甲斐甲斐しい彼女だろう。洗濯物には当然下着も含まれるだろうから、そりゃあ「恥ずかしい」だろう。平気な顔で彼の下着を干す彼女は、よほど警戒心が無いか、それとも色んなことを期待あるいは覚悟して来ているのだろう。彼もそれは分かっていて、わざと紳士ぶっているのが青春ファンタジーとして微笑ましい。
ドアを少し開けている「小心者」というワードは久しぶりに見た。『誕生日の夜』『ガラスのI
LOVE YOU』といったAKB48の初期の曲で印象的に使われていたが、10年以上ぶりだろうか。
1番で彼女が干してくれた洗濯物を、2番では彼女が畳んでくれている。洗濯物が乾くまで、2人はこの部屋で過ごしたのだと分かる。部屋が綺麗になったと歌っているから掃除もしてくれたのだろうが、まだ春の日差しでは1、2時間で乾くはずがなく、かなり長時間をどう過ごしたのだろうか気になる。お茶の1杯でも彼が淹れて飲んだのだと思いたい。彼女に一方的に甲斐甲斐しく世話を焼いてもらう至福というのは昭和のファンタジーであって、現代社会ではそんな男はすぐに愛想尽かされる。
「僕たちは次に何しようか?」と歌っているが、そんなことを思っている間に、彼がカレーでも作って振る舞えばいいと思う。その後はキスでも何でもすればいい。『青空が違う』のカップルだってキスはしていた。
ラストの「みんなに自慢したいよ」というのはいただけない。彼女はそんなことされたら激怒するに違いない。彼は本当に鈍感な男のようだ。それとも照れ隠しか。
歌詞の中で時系列がおかしく思える点がある。彼女が「遊びに行く」とLINEして来たのはいつなのか。
歌い出しは「真っ青に晴れた日曜日の午後 遊びに行くからなんてLINE来たけど」だから、素直に聴けば午後になってからLINEが来たように思える。
しかし後で「だから朝からずっと落ち着かなくて」というフレーズがあるので、LINEが来たのは朝か前日だったと理解するしかない。歌い出しのフレーズは、「日曜日の午後」というのは現在の状況説明、「LINEが来た」というのは過去形と解釈するしかない。
でも、そうすると、彼女が来ると分かっている午後に、なぜ彼は呑気に洗濯なんかしていたのだろう。朝のうちから洗濯は済ませて干してしまっておけばいいではないか。いやむしろ下着を見られたくなければ押し入れに隠しておいてもいい。わざわざ彼女が来るタイミングで洗濯中というのは間が悪すぎる。あるいは狙ってそうしたのか?寝坊して午後にゆっくり洗濯をしていたら、突然彼女からLINEが来てしまったというのが自然な解釈なのだが、「朝から落ち着かなくて」というフレーズがあるがゆえに採用できない。
思い切り善意に解釈すれば、「落ち着かない」から深く考えることなく思わず洗濯を始めてしまい、その最中に彼女が来てしまったという不可抗力なのだろう。
因みに私の学生時代は部屋に洗濯機など無く、もっぱらコインランドリーで1週間分くらいまとめて洗濯・乾燥まで済ませていた。『君と僕と洗濯物』の彼は、乾燥機こそないものの、洗濯機は持っていて、洗濯物も干せるベランダ付きのワンルームマンションに住んでいるのだろう。時代は変わった。
『君と僕と洗濯物』。
一聴して名曲『青空が違う』の姉妹曲だと気付く。「一人暮らしの彼の部屋を来襲」シリーズと言うべきか。
『青空が違う』は山里良太が妄想小説集『あのコの夢を見たんです』でもモチーフにしている楽曲だ。その曲では彼女は「ひまわりの種」を持って来たが、『君と僕と洗濯物』の彼女はチューリップの、多分球根ではなくて花が咲いている鉢植えを持参している。
私も学生時代一人暮らしをしていたので、こういう楽曲のシチュエーションには憧れる。残念ながら当時異性が部屋に来たことは一度もなかったが、だからこそこういう楽曲にはときめいてしまう。
また、多数メンバーのソロパートが代わる代わる続く構成もいい。ユニゾンではなくて、それぞれの子の声を味わいながら、妄想の世界に浸ることができる。歌詞が聞き取りやすいのもいい。
曲調やアレンジも、大らかで、イントロからワクワクして来る。
それにしても、妄想をくすぐる歌詞だ。
突然遊びに行くとLINEして来て、洗濯物を干してくれるとは、何て甲斐甲斐しい彼女だろう。洗濯物には当然下着も含まれるだろうから、そりゃあ「恥ずかしい」だろう。平気な顔で彼の下着を干す彼女は、よほど警戒心が無いか、それとも色んなことを期待あるいは覚悟して来ているのだろう。彼もそれは分かっていて、わざと紳士ぶっているのが青春ファンタジーとして微笑ましい。
ドアを少し開けている「小心者」というワードは久しぶりに見た。『誕生日の夜』『ガラスのI
LOVE YOU』といったAKB48の初期の曲で印象的に使われていたが、10年以上ぶりだろうか。
1番で彼女が干してくれた洗濯物を、2番では彼女が畳んでくれている。洗濯物が乾くまで、2人はこの部屋で過ごしたのだと分かる。部屋が綺麗になったと歌っているから掃除もしてくれたのだろうが、まだ春の日差しでは1、2時間で乾くはずがなく、かなり長時間をどう過ごしたのだろうか気になる。お茶の1杯でも彼が淹れて飲んだのだと思いたい。彼女に一方的に甲斐甲斐しく世話を焼いてもらう至福というのは昭和のファンタジーであって、現代社会ではそんな男はすぐに愛想尽かされる。
「僕たちは次に何しようか?」と歌っているが、そんなことを思っている間に、彼がカレーでも作って振る舞えばいいと思う。その後はキスでも何でもすればいい。『青空が違う』のカップルだってキスはしていた。
ラストの「みんなに自慢したいよ」というのはいただけない。彼女はそんなことされたら激怒するに違いない。彼は本当に鈍感な男のようだ。それとも照れ隠しか。
歌詞の中で時系列がおかしく思える点がある。彼女が「遊びに行く」とLINEして来たのはいつなのか。
歌い出しは「真っ青に晴れた日曜日の午後 遊びに行くからなんてLINE来たけど」だから、素直に聴けば午後になってからLINEが来たように思える。
しかし後で「だから朝からずっと落ち着かなくて」というフレーズがあるので、LINEが来たのは朝か前日だったと理解するしかない。歌い出しのフレーズは、「日曜日の午後」というのは現在の状況説明、「LINEが来た」というのは過去形と解釈するしかない。
でも、そうすると、彼女が来ると分かっている午後に、なぜ彼は呑気に洗濯なんかしていたのだろう。朝のうちから洗濯は済ませて干してしまっておけばいいではないか。いやむしろ下着を見られたくなければ押し入れに隠しておいてもいい。わざわざ彼女が来るタイミングで洗濯中というのは間が悪すぎる。あるいは狙ってそうしたのか?寝坊して午後にゆっくり洗濯をしていたら、突然彼女からLINEが来てしまったというのが自然な解釈なのだが、「朝から落ち着かなくて」というフレーズがあるがゆえに採用できない。
思い切り善意に解釈すれば、「落ち着かない」から深く考えることなく思わず洗濯を始めてしまい、その最中に彼女が来てしまったという不可抗力なのだろう。
因みに私の学生時代は部屋に洗濯機など無く、もっぱらコインランドリーで1週間分くらいまとめて洗濯・乾燥まで済ませていた。『君と僕と洗濯物』の彼は、乾燥機こそないものの、洗濯機は持っていて、洗濯物も干せるベランダ付きのワンルームマンションに住んでいるのだろう。時代は変わった。