AKB48 チームBのファンより

鈴木紫帆里さんを中心にAKB48 チームB について語るサイトです。

最新CD『RIVER』はトルコライス。美空ひばりのあの「川」は超えたか?(ときめき研究家)

2009-11-09 22:23:49 | ときめき研究家
トルコライスを御存知だろうか。長崎のいわゆるB級グルメで、1つの皿にドライカレー(またはピラフ)、ナポリタン、トンカツという3つの料理が載っているメニューである。1つでもメインになり得る料理を3つも一緒に食べるという、豪快で欲張りなメニューである。
最新CD『RIVER』も、AKBの3つの魅力が1枚にしっかり収まったCDだと思う。

オールスターズが歌う『RIVER』は、汗と涙にまみれ、努力、「挑戦するAKB48」だ。
歌詞の内容は、『転がる石になれ』『初日』『夢を死なせるわけにはいかない』などの流れを汲む。曲の構成やダンスも高度で、才能あふれるメンバーでないと歌い踊りこなせない。聴き手にも一種の緊張を強いる曲で、はじめは親しみにくい印象だったが、だんだん馴染んで来た。
「川を渡れ」という歌詞の内容に、秋元氏の代表曲と言われることの多い『川の流れのように』を超えたいという意欲まで読み取れる。満を持して、AKB48の一つの到達点として世に問う勝負作であることに間違いない。

アンダーガールズが歌う『君のことが好きだから』は、昭和の懐かしい香りのする、楽しくて明るい、「弾けるAKB48」だ。
『会いたかった』『BINGO』『大声ダイアモンド』など、これまでの多くのシングル曲がこの系譜の曲だ。時代が変わっても変わらないアイドルの魅力を継承するAKB48の使命感を感じる曲だ。
サビ前の「歌え 踊れ 自由に」から、サビの「君のことが好きだから 僕はいつもここにいるよ」の部分のリズムとメロディーには、ベタだけど、判っていても心を鷲掴みにされてしまう魅力がある。「水戸黄門」の印籠シーン、「笑点」の笑い、箱根駅伝の中継、秋刀魚の塩焼きの味、のように。
また、この曲の歌詞は『会いたかった』と同じくダブルミーニングになっており、通常の青春ソングであると同時に、夢を追いかけるメンバーたちを応援するファン視点の歌でもあるのだ。したがって、この曲に限っては、劇場でも大声で一緒に歌ってもいいのだと思う。

シアターガールズの歌う『ひこうき雲』は、青春の切なさ、悲しさを歌う、「ほろ苦いAKB48」だ。
『ビーチサンダル』『春一番が吹く頃』『てもでもの涙』などはこの系譜である。遡れば、フォークソングやニューミュージックにも辿り着く(ユーミンにも『ひこうき雲』という名曲がある)。
切ない歌詞を、アップテンポの明るい曲調に乗せて歌うことで、余計に心に届く。よく聴いても、なぜこの二人が別れなければならないのか、説明はされていない。でも、説明は不要である。歌のテーマは別れの理由ではなく、別れの刹那の心象なのだから。アイドルのきらめきが一瞬であるように。
「二度と戻れないあの日に 切なく後ろ髪引かれ」と、過去のアイドル(後ろ髪引かれ隊)との歴史的・文化的連続性も暗示している。
そして何より、この曲のプロモーションビデオは秋葉原の劇場で撮影されており、AKB48の原点がこの劇場にあることを再認識させてくれる。

この3曲で、AKB48の魅力のおいしい部分をほぼ網羅していると言える。いわばAKB48の集大成。お買い得な1枚である。このCDがオリコン1位を獲得したのも偶然ではない。
3曲の魅力は別々の物で、どれが優位ということはない。歌っているメンバーの人気は、明らかにオールスターズ→アンダーガールズ→シアターガールズの順ではあるが、3曲の人気がその順番どおりになるかどうはわからない。現在実施中の楽曲人気投票では、『君のことが好きだから』が最上位になってもおかしくない。

もちろんこの3曲には盛り込めずに、漏れているAKB48の魅力もある。
『ほねほねワルツ』『となりのバナナ』『わがままな流れ星』などのコミカルさ、『禁じられた二人』『抱きしめられたら』『口移しのチョコレート』などのセクシーさ、『命の使い道』『涙売りの少女』『否定のレクイエム』などの社会性など。
トルコライスでは物足りないファンは、劇場公演(滅多に当たらないので、そういう時は配信で)、CD、DVDなどで、フルコースを楽しむことができる。
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