昨年の大晦日もNHK紅白歌合戦を見た。
三山ひろしの歌唱時のけん玉ギネス挑戦は3年連続だった。1年目に失敗し、2年目に見事成功。そこでやめておけばいいのに、3年目に挑戦し、案の定失敗した。2年目の記録を1人だけ超える新記録を目指すなんて、ハイリスクローリターン過ぎる。失敗した時のダメージを1年目に学習したはずなのに、わざわざまたリスクを取りに行くとは賢明でない。そもそも、けん玉が気になって誰も歌を聴いていない。
大皿に乗せるだけは、けん玉の得意な人にとっては簡単な技なのだろうが、生中継で、1人でも失敗したらアウトという状況では、プレッシャーで体も思うように動かなくなるのだろう。今回失敗した人も、まさにそんな感じで動きがぎこちなかった。「来年またチャレンジ」という流れになっていたが、これで三山ひろしは次回も出場できることが確定なのか?
松田聖子は、前年に引き続き、アイドル時代のアップテンポな曲の4曲メドレー。『時間の国のアリス』と『ロックンルージュ』は、紅白に出演していた松任谷由実作品で、配慮があったか。加えて『チェリーブラッサム』と『夏の扉』。選曲は良かったのだが、キーをかなり下げていたと思われ、往年のハイトーンは聴けなかった。それはやむを得ないが、エコーのかけ過ぎで、カラオケルームのような雰囲気だったのは残念。前髪を下ろして、メイクもやや控えめだったのは良かった。昨年はシングル曲限定のコンサートもやっていたようで、その路線が、私も含めた昔からのファンのニーズには合っていると思う。
AKB48は世界中の48グループメンバーと一緒に『恋するフォーチュンクッキー』を歌った。2年続けて、その年に出した曲ではなく、グループの代表曲を歌ったことになる。紅白歌合戦の常連メンバーになった証だが、世の中で認知される新曲がなかったということでもあろう。
坂道グループは3グループ揃い踏みで、今の勢いを感じた。
そのうち欅坂46は、2年前に複数メンバーが過呼吸になった曰く付きの『不協和音』を披露。ただ、この曲を「神曲」だとか過剰に評価し、特別に激しいパフォーマンスだとするのには疑問がある。ぶっちゃけ口パクで踊っているだけだし、この曲だけが特に消耗するとは思えない。
『不協和音』は私も好きな曲だが、同様にメッセージ性の強い曲で、今年出した唯一のシングル曲『黒い羊』を聴きたかった。
松任谷由実は前回に続いての出場。ラグビーワールドカップに因んで、『ノーサイド』を披露した。この曲は大学ラグビーのリーグ戦最終戦を歌った曲で、当時大学ラグビーは人気があったのだ。いい曲だとは思うが、前回の彼女のパフォーマンスに比べれば物足りなかった。
今回の紅白歌合戦には、ワールドカップメンバーが大勢出演し、いろんな場面でコメントを求められていた。ラグビー人気を定着させるために出演しているのだろうが、むしろ紅白がラグビー人気に便乗しているみたいだった。
「AI美空ひばり」には色々と考えさせられた。
没後30年を経て、彼女が現在に蘇って新曲を歌ったらこうなるという企画で、イタコのような、ちょっと怖い企画だった。
プロデュースと作詞は秋元康。彼は、こういう状況に応じて求められる作品(「TPOソング」とでも言うべきか)を作ることには非常に秀でている。この企画にふさわしい、注文通りの楽曲だった。「あれ から~」というサビは妙に耳に残っている。
AIの定義は非常に幅が広いが、この企画では、過去の美空ひばりの歌い方、喋り方、動きを学習したコンピュータが、秋元康が作った新曲を自動演奏するというものだった。既にあるボーカロイド技術の範疇内だったと思う。自分で意志を持って動く訳ではない。演奏するたびに細かな表現が変わったり、目が合った客席の客に手を振ったり、そういう生身の人間のようなことはできないものだ。
まあ、でもこの程度でとどめておくのが良いのだと思う。生前の彼女のファンだった人達にとっては、過去の映像を見て懐かしむことより、少しだけ臨場感のある体験になったのだと思う。
2018年紅白歌合戦の感想はこちら。
三山ひろしの歌唱時のけん玉ギネス挑戦は3年連続だった。1年目に失敗し、2年目に見事成功。そこでやめておけばいいのに、3年目に挑戦し、案の定失敗した。2年目の記録を1人だけ超える新記録を目指すなんて、ハイリスクローリターン過ぎる。失敗した時のダメージを1年目に学習したはずなのに、わざわざまたリスクを取りに行くとは賢明でない。そもそも、けん玉が気になって誰も歌を聴いていない。
大皿に乗せるだけは、けん玉の得意な人にとっては簡単な技なのだろうが、生中継で、1人でも失敗したらアウトという状況では、プレッシャーで体も思うように動かなくなるのだろう。今回失敗した人も、まさにそんな感じで動きがぎこちなかった。「来年またチャレンジ」という流れになっていたが、これで三山ひろしは次回も出場できることが確定なのか?
松田聖子は、前年に引き続き、アイドル時代のアップテンポな曲の4曲メドレー。『時間の国のアリス』と『ロックンルージュ』は、紅白に出演していた松任谷由実作品で、配慮があったか。加えて『チェリーブラッサム』と『夏の扉』。選曲は良かったのだが、キーをかなり下げていたと思われ、往年のハイトーンは聴けなかった。それはやむを得ないが、エコーのかけ過ぎで、カラオケルームのような雰囲気だったのは残念。前髪を下ろして、メイクもやや控えめだったのは良かった。昨年はシングル曲限定のコンサートもやっていたようで、その路線が、私も含めた昔からのファンのニーズには合っていると思う。
AKB48は世界中の48グループメンバーと一緒に『恋するフォーチュンクッキー』を歌った。2年続けて、その年に出した曲ではなく、グループの代表曲を歌ったことになる。紅白歌合戦の常連メンバーになった証だが、世の中で認知される新曲がなかったということでもあろう。
坂道グループは3グループ揃い踏みで、今の勢いを感じた。
そのうち欅坂46は、2年前に複数メンバーが過呼吸になった曰く付きの『不協和音』を披露。ただ、この曲を「神曲」だとか過剰に評価し、特別に激しいパフォーマンスだとするのには疑問がある。ぶっちゃけ口パクで踊っているだけだし、この曲だけが特に消耗するとは思えない。
『不協和音』は私も好きな曲だが、同様にメッセージ性の強い曲で、今年出した唯一のシングル曲『黒い羊』を聴きたかった。
松任谷由実は前回に続いての出場。ラグビーワールドカップに因んで、『ノーサイド』を披露した。この曲は大学ラグビーのリーグ戦最終戦を歌った曲で、当時大学ラグビーは人気があったのだ。いい曲だとは思うが、前回の彼女のパフォーマンスに比べれば物足りなかった。
今回の紅白歌合戦には、ワールドカップメンバーが大勢出演し、いろんな場面でコメントを求められていた。ラグビー人気を定着させるために出演しているのだろうが、むしろ紅白がラグビー人気に便乗しているみたいだった。
「AI美空ひばり」には色々と考えさせられた。
没後30年を経て、彼女が現在に蘇って新曲を歌ったらこうなるという企画で、イタコのような、ちょっと怖い企画だった。
プロデュースと作詞は秋元康。彼は、こういう状況に応じて求められる作品(「TPOソング」とでも言うべきか)を作ることには非常に秀でている。この企画にふさわしい、注文通りの楽曲だった。「あれ から~」というサビは妙に耳に残っている。
AIの定義は非常に幅が広いが、この企画では、過去の美空ひばりの歌い方、喋り方、動きを学習したコンピュータが、秋元康が作った新曲を自動演奏するというものだった。既にあるボーカロイド技術の範疇内だったと思う。自分で意志を持って動く訳ではない。演奏するたびに細かな表現が変わったり、目が合った客席の客に手を振ったり、そういう生身の人間のようなことはできないものだ。
まあ、でもこの程度でとどめておくのが良いのだと思う。生前の彼女のファンだった人達にとっては、過去の映像を見て懐かしむことより、少しだけ臨場感のある体験になったのだと思う。
2018年紅白歌合戦の感想はこちら。