アメニモマケズ・・・という詩から連想していた宮沢賢治は貧乏で苦しい生活を送っていた人なのだとばかり思っていたら、
実はかなり裕福なおうちのご子息様だったのね。
ただ、純粋すぎて、優しすぎて、素直すぎて、生きるのに不器用で。
そんな人間宮沢賢治に触れたのが、「イーハトーボの劇列車」というお芝居。
井上ひさしさんの作で、宮沢賢治を井上芳雄君が演じています。
井上君の花巻弁がとても心地よくて、そして力の抜けた演技はかなり好み。
ストレートプレイもうまくなったなぁとファンとしてはとても嬉しくて。
「組曲虐殺」の小林多喜二にしても、この宮沢賢治にしても、
井上ひさしさんの彼らへの愛情がたっぷりで、むずかしいことをやさしくの精神が感じられた。
宮沢賢治の生涯を、彼の童話に関係する登場人物を配して、彼の生き方や考えをセリフに込めていて、
セリフの端々にシニカルな社会風刺も垣間見えて、軽く重く私たちに迫ってくると感じた。
セリフの量が半端ないので、ところどころ集中力が切れるところはあったけれど、
観終わってからじんじんくる感情は一体何でしょう。
ラッキーなことに公演後、トークショーがあって、男性陣ばかりでしたが、
それぞれの話を聞いていると、もっともっとこのお芝居を知りたくなって、
芳友3人と共にリピチケットを買ったのでした。
原作を読もうと思ったら、廃盤なのかアマゾンでは3000円の中古本しかなくて、
職場の図書館にもなし。