
イギリスの劇作家ロナルド・ハーウッドによる戯曲『ドレッサー』を三谷幸喜演出で上演。
立ち見もでるほどの人気演目で、いつもチケットを取ってくれる友人に感謝。
話はナチスの空襲が激しさを増す1942年、イギリス地方の劇場を舞台に、シェイクスピアの四大悲劇『リア王』の227回目の上演前に看板俳優である老座長は突然、舞台に立ちたくないと駄々をこねだした。長年にわたって献身的に座長を支えてきた付き人兼衣装係(ドレッサー)のノーマンは、そんな座長をなんとかなだめすかして舞台に上げようとする。
果たして幕は上がるのか─?!
三谷さん大好きな舞台裏の話。
舞台と舞台裏が交差する話の展開が巧みで面白かった~
心神喪失気味の状態に陥っている座長を強弱をつけて演じる橋爪さんの演技力に、ずーっとしゃべり続ける付き人役大泉洋の存在感。
ぐいぐいと言葉の嵐の中に引き込まれて。
コメディー?と思わせる前半部分は三谷流のセリフ?か大泉流のアドリブかはわからないけど、くすっと笑わせるセリフもちらほらと。
それが、後半はシリアスな人間模様となり、
最終場面での付き人「ノーマン」の心中は?
長年仕えてきた彼への救いはどこかにないのか?と思ってストーリーの展開を待ったけど。
結局切ないままに終わった。
帰宅後、この舞台に誘ってくれた友人が朝日新聞の劇評を送ってくれた。
そこで「ノーマン」という名前に込められた意味を知り、やっぱり救いはなかったんだと思い知ることに。
イギリスらしいと言えましょう―
作:ロナルド・ハーウッド
演出:三谷幸喜
翻訳:徐賀世子
出演:
橋爪功
大泉洋
秋山菜津子
平岩紙
梶原善
銀粉蝶
浅野和之