新・日曜炭焼き人の日記

炭遊舎のホームページで書いていた「日曜炭焼き人の日記」を引きついで書いていきます。

炭焼き――火の管理と窯止め

2015年03月07日 | 日記

9 炭化がすすみます
 96時間ぐらいかけてゆっくりと炭化させるのが理想です。煙突口で温度をはかります。はじめは75度前後で一定する状態が24時間から36時間ぐらいつづきます。

10 もし煙突口での温度が下がりはじめたら
 窯内の自燃が弱まり、火が消えてしまう恐れがあります。その場合は焚口をもういちど開いて薪を燃やしなおし、窯内の自燃力を回復します。焚口を開いて薪を燃やすことはとても手間がかかります。空気口から扇風機などで風を送ることによって窯内の自燃力を回復することができます。ただ電気が使えなければ扇風機が使えません。

11 煙突口での温度が上昇しはじめます
 75度前後がずっと続いたあと、しだいに温度が上昇しはじめます。90度になれば上昇しはじめたとみてよいでしょう。120度、150度と上がっていくにつれ、1時間につき何度上がっているかが計算できます。300度から350度ぐらいに達したら炭化が終わったものと判断します。
 真夜中に300度を超えるようになっては窯止めに出向くのがたいへんですから、そうならないように空気口を狭めたり広げたり、煙突口を狭めたり広げたりして温度の上昇を調節することができます。できれば昼間に窯止めするようにしたいものです。

12 窯止めします
 煙突口での温度が300度を超えたら窯止めします。まず空気口を閉じます。その後30分ぐらいしてから煙突を倒し、煙突穴をふさぎます。隙間をつくらないように土をかぶせてしっかり閉じます。窯を密閉すれば酸素の供給が断たれて火が消え、冷めていきます。窯を開けられるほど冷めるまでに最低3日は必要です。十分に冷めないまま窯を開けて空気を入れると炭に火がついて燃えはじめることがあります。





炭焼き――点火

2015年03月06日 | 日記

6 焚口をつくります
 窯の入り口を焚口にします。まずは内側の壁を作ります。耐火煉瓦、コンクリート壁などを立て、上部13センチぐらいを火の浸入路として開けておきます。内壁ができあがってから改めて窯内を雑木で満たします。内壁をつくるのに窯の入り口に多少の空間が必要ですから内壁を作ったあとにそこを埋めるわけです。上部の13センチ以外は隙間をつくらないほうが望ましいので、耐火レンガなどを組み合わせたときの隙間を粘土などでふさぎます。泥をこねて隙間にむけて投げつける方法をとります。
 同様にして外壁をつくります。外壁は薪を放り込むための空間を中央上部に、空気を取り込むための穴を下部中央に開けておきます。

7 焚口に薪を入れ、火をつけます
 焚口で薪を燃やします。焚口の内壁上部の隙間から窯内に火が入りはじめます。約6時間から8時間、焚口で燃やしつづければ窯内に火が入り、窯内で自燃が始まります。この段階を点火と呼んでいます。煙突口での温度が75度前後になることが点火したことの目安です。温度が75度前後で一定していれば順調に炭化がすすんでいます。

8 焚口を閉じます
 煙突口での温度が75度前後で一定すれば、薪をできるだけ多く入れて焚口を閉じます。薪を放りこむ空間を閉じ、空気口だけを残し、入念に隙間に粘土などを投げつけて埋めていきます。内壁の隙間をふさぐときとおなじです。空気の流入は多すぎてもいけないので空気口と煙突口は適度にせばめて調節します。空気口には障害物をまえにおき、煙突口にはほそい生木などを煙突にのせます。



炭焼きーー窯づめのしかた

2015年03月04日 | 日記

 がるでんの窯は土と石でできている本格的な炭窯です。周囲を石を積んで囲い、天井部分を土とセメントで固めています。
1 煙突の穴を確認します 
 まずはじめに、炭材を入れ始めるまえに窯の奥、中央部にある煙突穴が土などでふさがっていないかを確認します。炭材を窯につめても煙突穴がふさがっていては空気は対流しません。
2 窯底に細枝を敷きます
 つぎに、炭材を立てていくまえに、窯底に細い枝なり竹、杉の葉などをしきます。これは炭材の最下部をすこし浮かせて、炭材全体を炭化させるのに役立ちます。下を浮かせなければ炭材の最下部が生焼けのままで残る可能性があります。火鉢などで炭に火をつけても煙は出ませんが生焼けの炭からは煙が出ます。生焼けになる部分ができるのを防ぐために炭材の最下部をすこし浮かせるのです。
 炭材は立てて2段にします
 炭材は今回は40センチに切ってありますから縦に2段に積みます。もし炭材を立ててみて上下で太い細いの差があるなら太いほうを上にします。炭化は上から下へとすすみますし、窯上部のほうが温度が上昇しますから、炭化しにくい太いほうを上にします。
4 天井との隙間をつめます
積みあげて高さ80センチになった炭材の上にさらに空間があります。窯の周辺部で5センチ、ドーム状の天井の中央部で30センチ近い空間ができますから、そこをこんどは40センチの炭材を横にして埋めていきます。できるだけ隙間を作らないようにぎっしりつめます。
 今回は販売するための炭を焼きますから材質を一定にしなければなりません。クヌギとコナラ以外の炭材を入れないようにします。
5 手前4分の1は雑木で満たします
 窯の手前4分の1は燃えて灰になってしまいますからクヌギ、コナラ以外の材をつめることにします。窯づめの最終段階は窯の入り口近くのせまい空間で背中を丸めての作業になります。