はじめて竹炭を買った。藤野駅前のふじのねで。篠原の里で焼いたものだ。水を浄化して飲み水にするための新しい竹炭がほしかった。炭は水道水中に殺菌剤として含まれている塩素を除去する。焼いて10年にもなる古い竹炭をくり返し使っているうちに劣化して割れてきた。飲み水をつくる炭となると新しいものがよいだろうと思った。真竹を焼いたとても軽い炭だった。丸いパッケージに入って625円。高い! かつて炭遊舎では孟宗竹しか焼いたことがない。肉厚のずっしりした重みのある竹炭が良質だと思っていた。今回買った竹炭はまるでイメージが異なる。それでも新しいものだから、それなりの働きをしてくれるだろう。
2000年代はじめ、近所の竹林の所有者から、「うちの竹を伐採して使っていいよ」とオファーをいただいた。所有者は同じ自治会に所属し、日ごろからなにかとお世話になっている人だった。崖っぷちに生えている孟宗竹で、伐採すると崖下へ落ちる。そこから引き上げる作業が力仕事でたいへんだったが、肉厚で、しかもその肉がピンク色をしていた。すばらしい竹炭に仕上がった。15年ほど竹炭を焼いてきたが、これほどすばらしい竹に巡り会ったことはその後なかった。
さて、新しく買った竹炭を焼いた篠原地区には、道路沿いに3つの炭焼き窯がある。どの窯で焼いたのだろう。どのような人が焼いているのだろう。先人たちの教えを受け継いで、炭を焼き続けている人たちに感謝を込めて、ありがたく使わせてもらおう。
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