新・日曜炭焼き人の日記

炭遊舎のホームページで書いていた「日曜炭焼き人の日記」を引きついで書いていきます。

拾い読みもまた愉し

2022年01月28日 | 日記

 1930年代初頭、すでに70歳代になった自動車王ヘンリー・フォードは、自社の新車披露にまさかりを持って登場した。居並ぶ新聞記者たちをまえに、自慢の新車にまさかりを振りかざし、まるで薪割りをするごとく新車にまさかりの刃をあてた。新車の車体は一瞬へこんだが、すぐに元の形を取りもどした。車体の素材を伸縮性のあるものに代えたのだった。
 第二次大戦直後のアメリカ、ワシントンD.C.でのこと。ストッキングを3000着仕入れた会社が店頭販売予定をメディアに発表した。販売当日、電話応対スタッフを12人ほど待機させたが、発売時刻になっても電話は一本もかかってこなかった。じつはあまりにもおおぜいがいっせいに電話で問い合わせしようとしたり、知人友人にストッキング販売を知らせようとしたために、街の電話全体がパンクしてしまったのだった。それほど女性たちのストッキング熱が昂ぶっていた。
 このようなエピソードが多くちりばめられている「Plastic/The Making of a Synthetic Century(プラスチック/人造繊維の世紀)」は魅力ある本なのだが、悲しいかな化学的知識に乏しい私にはついて行けない部分が多い。もっぱらおもしろいエピソード部分だけを拾い読みしている。コールタール、セルロイド、セロファン、サランラップ、ペットボトル、ベークライトなどについて書いてある。


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