盗聴合戦ともいうべき状態が「ピーター・ローフォード/秘密を握る男」に描かれている。
ロスの海辺にあるローフォード邸は西のホワイトハウスともいえるほど、ケネディ大統領がお忍びで遊びに来ていた。1961年から62年にかけて、ハリウッド俳優や女優たちが集まってはパーティーを繰り広げていた。共和党はケネディのスキャンダルをつかめれば、4年後の大統領再選を阻止できる。マフィアは、組織犯罪撲滅をはかる大統領側の動きを一刻も早くつかみたかった。
マリリン・モンロー邸も盗聴の対象になっていた。大統領が、その後は弟ボビー・ケネディ司法長官が電話してきたり、訪れたりしていた。ボビーとの間で結婚の約束があったと思い込んだマリリンは、自ら志願して自宅に盗聴器を仕掛けた。ボビーとの電話での会話やベッドでの会話を録音し、ボビーに結婚の実行を迫ろうとしたらしい。
自宅への盗聴に見られるマリリンのこの異常さが1962年8月の死へとつながる。精神不安は母方の血をひいたものでもあった。それが徐々に高じていき、手がつけられないほどになる。睡眠薬を大量に飲まなければ眠れない。ジャック・ケネディ大統領に相手にされなくなったマリリンは、弟のボビー司法長官にしがみつく。結婚を迫って連絡をとろうと躍起になる。司法省にもボビーの自宅にも電話をかけまくる。マリリンが息をひきとったとき、ボビーがその場にいたことをほのめかす資料が残っているが、これは黒塗りだらけの資料なので確証にはならない。
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