新・日曜炭焼き人の日記

炭遊舎のホームページで書いていた「日曜炭焼き人の日記」を引きついで書いていきます。

STさんからの手紙

2021年06月14日 | 日記

 元炭遊舎代表のSTさんから封書をただいた。近況うかがいの手紙をワープロ書き3枚で送ってあったところ、返事が便箋4枚、それもていねいな手書きで届いた。82歳になったいまもお元気に活動しておられるようだ。
 手紙は一昨年の福祉作業所「かわせみの家」の移転作業のことから始まる。理事長を務めておられることは炭遊舎時代から変わっていない。作業所として借りていた建物が老朽化したために、自前の建物を建て、そこへ引っ越すことにする。土地取得作業が難航を極める。国と県から融資や助成金を得る手続きに奔走する。入札業者がきまってからも何回かの設計変更を強いられ、木材の値上がり、コロナ発生などがわざわいして工期は遅れに遅れる。どうにか建物が完成、作業所が引っ越し、STさんが個人でしていた莫大な借金が福祉作業所の借金に切り替わり、どうにか肩の荷を下ろしたとのことだ。それでも理事長の職を降りることができず、他の理事たちと一緒にあと3年務めるとのこと。
 つぎに不幸だった自分の生い立ちが書かれている。昭和14年生まれ、戦中、戦後の極貧のなかで妹、父を亡くし、妹2人とともに母方の祖母に育てられた。そのつらい経験から貧しい人、ハンディキャップを背負った人を見ると援助の手を差しのべずにいられないという。
 身の回りの同年代の人たちが次々にこの世を去り、寂しい思いをしていることもつけ加えられている。
 これまでは反原発運動の資料やアフガニスタンで命を落とした医師、中村哲さんの講演記録などを同封して、ご自身のことは付けたし程度にしか書いてくださらなかったが、今回はいくらか感傷的な手紙になっていた。機会があれば直接お会いして、ふたたびその薫陶を受けたいと思っている。

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