新・日曜炭焼き人の日記

炭遊舎のホームページで書いていた「日曜炭焼き人の日記」を引きついで書いていきます。

大忠臣蔵、そろそろ大団円か

2017年12月14日 | 日記

 三船敏郎主演の大忠臣蔵(52回シリーズ)をテレビで観ている。もともとテレビドラマとして製作されたものらしく、1話ごとに完結しながらつづいていく。昨晩の回では俵干玄蕃が登場した。むかし三波春夫が歌った浪曲調の歌でしか聞いたことのない名前で、忠臣蔵に出てくる人物だという認識は乏しかった。剛力で剣の名手として道場を主催していたところ、大石内蔵助の討ち入りを阻もうとする勢力から、大石殺害を持ちかけられる。俵干玄蕃は実在の人物だったのだろうか。たぶん違う。赤穂浪士たちの仇討ちという一本の太い軸に味つけをするために配された脇役たちの一人と考えてよさそうだ。なつかしい勝新太郎が演じていた。この時代劇には懐かしい俳優がいっぱい登場する。堀部安兵衛役の渡哲也をはじめ曾我廼家五郎八、明蝶まで久しぶりに観た。
 ところで兵庫県赤穂で幼いころを過ごした私は、小学校二年生のときに担任の先生から赤穂事件の概要を聞かされた。毎年12月14日には赤穂の町なかは義士祭で賑わった。この日だけは赤穂の人口が倍か3倍にもふくれあがると聞いた。それほど多くの見物客が訪れた。義士行列が祭りの華で、四十七士の行列が町の大通りを練り歩いた。大石内蔵助役は赤穂市長がやるものと決まっていた。今もそうだろうか。
 赤穂城は炭櫓が現存している以外、何も残っていない。城壁は当時からあり、何度も塗り替えられているようだ。掘り割りもむかしのままだろう。城内には大石内蔵助を神としてまつった大石神社が中央に鎮座し、義士祭や正月にはおおぜいの参拝客を引きよせている。
 しかし残念なことに、町の区画整理と道路整備により、城下町特有のT字路がほとんど消えてしまった。小学生のころ先生から聞かされたものだった。敵が町に攻め入ってきても、すとんとしたまっすぐな道路ならすぐに目的地まで達することができるが、T字路ならどっちへ進むべきか一瞬考え込むことになる。ねらった場所へ到達することを遅らせるための道路構造だった。ところがいまでは、JR赤穂駅からずどんとまっすぐな道がついてしまった。町中も車が走りやすい碁盤の目の構造に作り替えられてしまった。なんということだ。播州地方の中核をになう産業都市として経済的に発展してきたが、忠臣蔵の遺産をかかえる観光都市としては、残念ながら後退してしまった。江戸から早駕籠で殿様の事件を伝えた家臣が息をつぎ、水を飲んだとされる息継ぎ井戸は観光の名所として残っている。だがとてもきれいな、清潔な井戸になったようだ。
 さて、今夜も大忠臣蔵が楽しみだ。それにドクターXも最終回だったな。







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