STさんが自費出版された。電力生産によって引き起こされる公害についての記録文集だ。電力公害研究会が出した1970年からのガリ版刷り文書を含め、数多くの記録を1冊にまとめた。
なかでもタイトルが示すように、あのときあれほどまでに原発の危険性を指摘していたにもかかわらずなぜ手を打たなかったか、なぜ企業本位の儲け主義に走ったのか、を告発している。
電力生産のこの種の脆弱性はすでに火力発電主流の時代から十分に見えていた。火力発電所が排出する亜硫酸ガス、窒素酸化物、煤塵(ばいじん)の危険性は煙突を高くしただけでなくなるものではない。
政治との癒着、電力会社内での真実を知らせず、教えずの徹底した社員教育などもうかがえる。一読をおすすめする。
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