車を運転すれば行動範囲が飛躍的に広がる。目的地が遠方なら、そこまで飛行機か列車で出かけ、目的地でレンタカーを借りることができる。また目的地が遠方でも時間さえ許せば自家用車を運転して出かけていき、途中で観光を楽しみながら数日かけて目的地へ達するのも一興だ。この夏はそのようにして犬山城にのぼり、信楽焼きの本場を見て歩いた。車を一度所有してしまえば、二度と手放す気にならない理由がここにある。
さて外国でも車を運転できればその行動範囲が飛躍的に広がるのだが、右側通行の国になると運転するときの感覚が違ってくるのでそう簡単ではない。とくに私のような年齢になると、右側通行の感覚に慣れることはもう不可能に近い。若いころ、20代のころに右側通行の経験をしておけばよかったと後悔している。
ネットで調べてみると、日本のように車の通行を左側と規定している国は世界のなかでは少数派だ。イギリスをはじめとしてイギリスの旧植民地だったインド、オーストラリア、ニュージーランド、それにアフリカ南東部の国ぐにとインドネシアが入っている。その他の国ぐにはほぼ右側通行を実施している。私がこれまでに訪れた国ぐにでも、イギリス以外はすべて右側通行を採用している。
なぜ感覚が慣れなければ運転しにくいのか。日本でも最近採用が促されているラウンドアバウト(環状交差点)を考えてみる。
道路と道路が十字に交差する場所を少し広くとり、中央に円形の広場を造る。円形広場は花壇にしてもよいしだれかの胸像や芸術作品を飾ってもよい。その円形広場をぐるりととり囲むように円形に道路を作る。
南から北へ向かって車で走っていくとする。日本のような左側通行の国なら、右から来る車に注意をしながらラウンドアバウトを左へ入り、左車線を円形に90度走ってふたたび左折すれば十字路を左折し、西へ曲がることができる。左車線を円形に180度走って左折すれば十字路を直進する、つまり北へ進むことができる。また270度走って左折すれば十字路を右折、すなわち東方向へ曲がることになる。360度回って左折すればUターンし、南方向へ車をもどらせることになる。つまり左折も右折も直進も、はたまたUターンまでもが左折を2回繰り返すことによってできるのだ。信号機は要らない。人も車も来ないのに信号機の赤が緑に変わるのを待つ時間のムダがない。さらに道路を直進するにも右から来る車に注意しながらラウンドアバウトに入り、もう一度左折しなければならないのでドライバーは必然的にスピードを緩める。十字路にかぎらず三叉路でも五差路でもラウンドアバウトがあれば安全に通行できる。ラウンドアバウトは人類の大発明だといっても過言ではない。
右側通行の国では逆に右折を2度繰り返すことにより左折、右折、直進、Uターンをすることになる。いうのは簡単だが実際に体が反応するのは私にはむずかしそうだ。事故を起こしてから後悔したくないので、外国では運転しないことにしている。
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