新・日曜炭焼き人の日記

炭遊舎のホームページで書いていた「日曜炭焼き人の日記」を引きついで書いていきます。

農林48号

2020年06月20日 | 日記

 農林48号は米の銘柄だ。名前が気に入った。「あきたこまち」「ゆめぴりか」などを現代風の名前だとすると、農林48号にはそのようなモダンさがない。人におもねるところがない。古風なネーミングは魅力だ。歌手なら手仕事屋きち兵衛。いかにも大御所といった印象がある。伊香保ガーデンが塚越屋七兵衛と改名したとき、いかにも老舗旅館というイメージが加わった。名前は大切だ。
 以下、ネットからの情報を書いておく。戦後間もないころに開発された品種だが、病気に弱く、しだいに忘れられていった。山梨県武川でほそぼそと栽培されつづけた。品質が一定しなかったために上質米の認定を受けるのが難しく、身内だけで消費していた。あるとき東京の高級寿司店の目にとまり、雑誌で紹介された。いまも生産量がきわめて少ないため、幻の米といわれる。コシヒカリなどの有名米は翌年の梅雨時を過ぎると品質が劣化するのに対して、農林48号はそのような変化がない。おにぎりにすると抜群にうまい。
 この春、武川へ神代桜を観にいったおり、地元の人から武川米なら「よんぱち」がうまいといわれた。農産物販売所へ立ち寄って入手した。近所のスーパーにたまに入荷する。スーパーの米の棚に農林48号の値札がつねに貼りつけてあるが、商品そのものに出会うことはめったにない。運がよければ2キロ入りを入手できる。
 私はどの米もきちんと炊けば、かわらずうまいと思っているが、幻の米といわれるとありがたみが加わる。最近は酒のつまみにもする。白飯を一口入れて、ワインをちびり。これがうまい。白飯をこのように食べる人は、ほかにいないだろう。




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