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1970年代、韓国に行くと、海岸などでは、<刺身>が、日本語のまま通じた

2018-12-11 03:39:45 | 韓国旅行

1970年代、韓国に行くと、海岸などでは、<刺身>が、日本語のまま通じた


もともと中華文明圏の朝鮮には、魚を生食する習慣がなかった。

刺身は、日本文化から来ている。

したがって、刺身という日本語のまま、通用していたのが、終戦後も変わらないままだったのである。


当局は、日本語の言い換えを作るに当たって、韓国語で読み替えて、チャシン(刺身)というわけにはいかず、刺身には、フェー(膾)という訳語を当てることになった。

膾とは、ナマスのことである。

日本では、ナマスというと、植物の酢の物をさすが、もともと膾という字は、偏にニクヅキが付いているくらいだから、動物性のナマスを意味している。


実際、朝鮮では、魚は生では食べなかったが、肉はユッケ(육회)など、生でも食べる。

육회(ユッケは)、漢字で書けば、肉膾となる。

どういうわけか、韓国語もフランス語のようにリエゾンして<H>の音が消えてしまい、発音は、ユッケに近いものになる。

文字どおり、ニクナマスである。

そこで、この膾という字を、韓国語で読んで、刺身を<フェー>と呼ぶことに決めたのである。


1970年代には、まだ、<膾・フェー>と、<刺身>の葛藤が続いていたが、最近は、決着がついたようだ。

<刺身>世代が減っていくとともに、<膾>が優勢になった。

メニューなどでは、ハングルで<회・フェー>と書いてあるのが、一般的になったのだ。

海水浴場などでは、海岸に집・フェーチプ>と書いたビーチハウスが、並んでいたりする。

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