2014年4月の「セウォル(世越)号」の沈没事故で、韓国民のほとんどは、船長や航海士などが先に逃げたことを見て、それは韓国社会の断面であると思いました。危機に直面すればこっそり逃げていく韓国社会の指導者、例えば財閥会長や国会議員の姿と似ていたからです。
昔から韓国の指導者たちの責任回避パターンは同じでした。朝鮮戦争の時の李承晩(이승만 イ・スンマン)大統領(韓国の初代大統領)は、朝鮮戦争の時に、彼は「ソウルを死守します」とラジオ放送を流しました。
それを信じて大勢の国民がソウルに残っていましたが、それは嘘でした。
李承晩(이승만)大統領および指導層がこっそり逃げだし、市民たちはそのままソウルに取り残されました。
さらに韓国軍は「北朝鮮の追撃を防ぐため」と、漢江(한강)の橋を爆破するという作戦を敢行。
何も知らされていなかったソウル市民たちは、漢江を渡って非難することすらも出来なくなってしまいました。
李承晩大統領のラジオ演説を聞いて、「戦争はすぐに終わるそうだから、私は家を守ることにしよう」と、家に残った人も多かったようです。もちろん、その人たちの安否は誰にも分かりません。信じたから、損をしたのです。「信じるものは巣食われる(すくわれる)」です。なんて恐ろしい教えなんでしょう。
別に、指導層だけではありません。
2014年5月5日の「ノーカットニュース」の報道によると、韓国行政研究員が2013年に中央・地方公務員千人を対象に「公務員の事なかれ主義の原因は何だと思いますか?」というアンケートを行いました。最も多い35.4%の回答者が「仕事を作って、それがうまく行かなかったら、自分で責任を取らないといけないから」と答えたとか。
セウォル号の沈没事故でも、誰も責任を取ろうとしませんでした。誰も責任を取ろうとしないから無秩序化します。状況が悪化するばかり、社会から信頼はきえていきます。