聞いていたのは女子テニス部の主将、鈴木さんだった。おかっぱで肌は真っ黒だった。鈴木さんはスポーツだけでなく、勉強も美術音楽も優秀だった。優秀で発言力がある男勝りの女性だった。私の一番苦手なタイプである。あまり話したこともなかった。
ドギマギしている私に「なかなかいいじゃない」と鈴木さんは偉そうに言った。
「はあ、どうも」と私。ちょっと嬉しかった。
しかし、次の一言が効いた。
「でもね、佐藤君、2弦のチューニングが合ってないわよ」
ジャンジャカとコードストロークをしていて、2弦の調弦の違いがわかるのだろうか。これは今も謎だ。実際に違っていたのかどうかもわからない。
「チューニングが違う」と言われて、私は恥ずかしさのあまり走るようにして音楽室を飛び出してしまったからである。
ドギマギしている私に「なかなかいいじゃない」と鈴木さんは偉そうに言った。
「はあ、どうも」と私。ちょっと嬉しかった。
しかし、次の一言が効いた。
「でもね、佐藤君、2弦のチューニングが合ってないわよ」
ジャンジャカとコードストロークをしていて、2弦の調弦の違いがわかるのだろうか。これは今も謎だ。実際に違っていたのかどうかもわからない。
「チューニングが違う」と言われて、私は恥ずかしさのあまり走るようにして音楽室を飛び出してしまったからである。
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