たけじいの気まぐれブログ

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「ワテの愛する季節どす」・まんがゼミナール「枕草子」その3

2021年05月13日 13時44分24秒 | 読書記

足腰大丈夫な内に出来る限り、不要雑物処分・身辺片付け整理をしよう等と思い込んでからすでに久しいが、正直なかなか進んでいない。それでもここ2~3年には、押し入れや天袋、物置、書棚等に詰まっていた古い書籍類をかなり大胆に処分してきた。ただ、中には「これ、面白そう・・」等と目が止まり、残してしまった書籍もまだまだ結構有る。その中に 漫画家赤塚不二夫著、元東京学芸大学附属高等学校教諭石井秀夫指導の古典入門まんがゼミナール「枕草子」(学研)が有る。多分、長男か次男かが、受験勉強中に使っていた「枕草子」の解説本・参考書の一つのようだが、錆びついた老脳でもなんとか読めそうな、まんがで描いたくだけた内容、その内いつか目を通してみよう等と仕舞い込んでいたものだ。ながびく新型コロナ禍、不要不急の外出自粛中、ふっと思い出して、やおら引っ張りだしてみた。当然のこと、本格的な「枕草子」解説本、参考書とは異なり、限られたサワリの部分に絞ったものであるが、学生時代に多かれ少なかれ齧っていたはずの日本の代表的な古典、清少納言の「枕草子」も、ほとんど覚えていないし、「古典」に疎く、苦手な人間には、十分楽しめそうで、御の字の書である。(以上 過去記事コピペ文)


「ワテの愛する季節どす」・まんがゼミナール「枕草子」その3

第226段 「賀茂へ参る道に」
賀茂神社参詣する途中に出会った田植えの情景を描いた段。平生目に触れることの無い田舎の下衆の仕事ぶり等が 清少納言には珍しく感じられたのだろうか。生き生きと、鋭く描写されている。

(♫、♫、田植え歌が聞こえてくる。ドスコイ、ドスコイ ♫、♫)
何や、面白そうやけど
一体何しておますのや?
(♫、♫、ほととぎすめっ!、おんどれ!、あかんたれ!、おんどれ鳴くから、ワイらは田植えせにゃならんどえー、♫、♫) 
ワテの好きな時鳥のことばかにして歌うとる!
いけずな田植え女たちやわっ!
ワテは「宇津保物語」の仲忠の貧しく野性的な生い立ちを悪く言う人と
時鳥が鶯より劣る言う人は
憎たらしゅうて、あきまへん!
聞きとうない。聞きとうない。
早くあっちへ行っちっち!


原文だよーん

賀茂へ参る道に、
田植うとて、女の、新しき折敷のやうなるものを笠に着て、
いと多う立ちて歌をうたふ、
折れ伏すやうに、また、なにごとするとも見えで、
うしろざまに行く、いかなるにかあらむ。
をかしと見ゆる程に、
時鳥をいとなめううたふ、聞くのぞ心憂き。
「時鳥、おれ、かやつよ。おれ鳴きてこそ、我は田植うれ」
とうたうふを聞くも、いかなる人か、
「いたくな鳴きそ」とは言ひけむ。

(注釈)
賀茂神社へ参詣する途中で、田植えをするというので、女が新しい盆のようなものを笠として被り、とても沢山立っていて、歌を歌っているが、まるで折れ伏すようにして、また、私には何をしているとも分からないが、後ろの方に行くのは、どういうことだろうか。興味深い様子だと見ているウチに、時鳥を実に無礼な内容で歌っているのを聞くにつけて不愉快である。「時鳥よ、お前よ、あいつよ、お前が鳴くと私はつらい田植え仕事をしなければならないよ」と歌うのを聞くにつけても、昔のどういう歌人が、「時鳥よ、あまり鳴いてくれるな」と 詠んだのだろうか。


 


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