インクルーシブな社会のために

障害の有無程度に関わらず支え合う社会へ ~ハマジョブネットワーク~

喫茶交流会

2006年03月24日 | 記事
3月19日、御茶ノ水の明治大学にて、喫茶交流会。
障害のある人の社会参加、交流などのために、公共施設などにできた喫茶コーナーはじめ、全国の喫茶店の参加者たちが集まる会が1年に1回開催されている。

去年は世田谷区の下北沢で開催され、千代田区でうどん屋を営んでいる松村さんはじめパイオニアたちとお会いした。
また、会の中で、近所の光景を携帯電話で撮影したものを発表する参加型企画や、ミュージシャンと一緒に踊る最後のイベントがあるなど、非常に楽しいものだった。

今回は、大学といっても塔のような、一フロアが狭い会場だったので小規模ではあったが、長年お会いしたかった方とお会いできた。

それは10年前、僕が学生時代に、東京で行われた一泊のボランティア研修会に参加していたときに、講師をされていた方で、この喫茶交流会を10数年間リードされている。
この交流会は数年前に横浜でも開催されており、その当時の話を聞けた。
また、横浜市内にある「ふれあいショップ」についても、意見交換をすることができた。

ふれあいショップについてここで書くと、本来、こういうショップというものは、障害のある方ご自身や、支援されている方が、場を求めて、獲得するものであるし、またそうでないとショップの展開は弱くなりがちだ。
ところが、横浜市のふれあいショップは、その設置資金を行政が補助するのだが、行政の政策になって以来、数を増やすということが目的になった感が否めない。
もちろん、現場の方々は一生懸命されているが、もともと自分たちが主体的に作ったわけではないので、積極的に取り組めないのである。

しかし、言うまでもなく、そのスペースは公共のものだ。
単に障害のある方がいらっしゃるからいい、ということではなく、片方では、そういうスペースがあれば商売できるのに、という人もいることを忘れてはならない。
一般の事業所が商売をすれば、役所に賃料と税金が入るので、そのほうが、スペースを寝かしておくよりは公共のためになると言える。

そういう話を跳ね除けるためには、それなりに、障害のある方のために、またはノーマライゼーションのために、意味のある活動を行い、実績を出さなくてはならないのだ。

チャレンジカンパニー

2006年03月22日 | 記事
3月11日から、ある募集を行っている。その名もチャレンジカンパニー。

横浜市が所有する建物を、障害者雇用を条件に有償貸付しますというもの。
(詳細はこちら

ここに事業所が入ると、一気に数十人の障害者雇用が創出されることになる。
公有財産を、目的外使用として福祉のため無償貸付することはよくあるが、このように普通財産として障害者雇用に活用するというのは例がないだろう。
市としても、年間数百万の歳入が見込まれる。今、この歳入を、就労支援施策に生かすべく検討している。

事業者の募集は4月10日まで。年度第1四半期くらいに開所できるといいなと思っている。

訓練機関の修了式に出席

2006年03月22日 | 記事
3月15日、神奈川能力開発センターの修了式に、上司の代理で出席。
ここは、知的障害者のための訓練機関で、通勤寮で生活しながら、2年間で職業訓練を受けるところである。場所は伊勢原駅から車で10分の、非常にのどかなところ。
この日は雲ひとつない快晴だった。

式は、普通の学校の卒業式のような厳かな雰囲気。
若者たちの誇らしげな顔を見て、こちらも嬉しくなる。

所長の話によると、このセンターの訓練課程は、電気・機械の組み立てなど技術的な内容だったが、近年は大半が、サービス業に就職。
これに合わせ、訓練内容も変えるとのことだった。

神奈川県雇用対策課の職員や企業の社長さんも来賓としていらしており、式の後は談笑。
最近、福祉、労働、教育、企業のジャンルを越えた人事交流が進んでいる。あなたもどう?なんて冗談で誘われたりした。
センターの親の会の方とも意見交換をした。余暇が課題とおっしゃっていた。

その後、近くの七沢学園という授産施設に行く。
福祉施設ではあるが、明確に就労支援を行っており、その担当者と意見交換。
この担当者は、先日のジョブコーチネットワーク会議でお会いした方。
そして、この同僚も、数年前にお会いした方だった。
ここの上司からは、高次脳機能障害の方の就労支援をこれからは取り上げていきたいのでよろしくと話があった。

さらに、そこへ、先ほどセンターでも卒業生として来ていた男性が現れる。
聞くと、昨年度に横浜市が行ったホームヘルパー3級研修の受講生だった。
現在求職中とのことで、いろいろ話をしながら横浜に帰った。

ジョブコーチネットワーク会議でポスター発表

2006年03月20日 | 記事
3月12日、ジョブコーチネットワーク会議に、ポスター発表で参加する。
12時から14時の間、申込者が掲示板におのおの紙を貼り、
自分たちの活動をPRして、会議に来た方と交流するのだ。
場所は上智大学の四谷キャンパス。風は強いがいい天気だった。

僕はとりあえず参加することに意義がある!と思って事前に申し込んでおいた。
しかし、改めてブログで書くつもりなのだが、仕事がたてこみ、
自分も体調を崩して、ポスターの準備ができぬまま、当日を迎えた。
しかも職場に行って作ろうにも、職場は事務所移転のためPCが使えない。

発表する概要は、あらかじめサマリーを送ってあったので、
当日の朝、ネットカフェに入り、サマリーをアレンジして拡大カラーコピー。
ついでに、直接関係ないが、記者発表したものなどを
拡大カラーコピーして、手持ちした。

会場に着くと12時を過ぎており、他の発表者は発表中で人だかりができていた。
その中でこそこそと掲示。そこに知り合いが手伝ってくださる。ありがたい。

そうしてなんとか体裁を整えたが、それなりに人が見てくださり、
知り合いが知り合いを呼んでくださるなどして、
いろいろな方とつながることができた。
わざわざ自分から声をかけまくるだけでなく、
自ら発表することで、効率よく輪ができていく。

この後、講演会にも顔を出したが、やはり気分が悪くなり帰る。
実質3時間もいなかったが、おかげでいろんな方と話ができ、
今後の活動の基礎への一歩にもなったので、
やはり無理を押して参加してよかった。

それにしても、ジョブコーチどうし、勉強し交流しあう会議に
全国から多くの人たちが毎年集まるようになっている。
「障害者支援」という枠組ではまだまだ少数かもしれないが、
全国から来るだけあって、参加者は真剣だ。

この熱を横浜に持ち帰り、醸成したいと思う。

パン屋さん、アートに進出!

2006年03月08日 | 記事
今、横浜市役所では、毎週金曜日のお昼休みに、市内の障害者施設や作業所でパン屋さんを営んでいるところが来て、展示販売を行っている。

行政としては、普及啓発事業という位置付けで、とにかく、いろんな人たちに活動や障害のある人のことやその力を知ってもらいたいというもの。
http://www.city.yokohama.jp/me/fukushi/press/051124-1.pdf
↑記者発表資料。幼稚と思われるかもしれないけど、楽しんで作った^^

これが役所内では有名になり、BankART(バンカート)という芸術拠点の整備と振興を担当している部署から、今度、食と現代美術という名目で美術展をやる。パンを大量に使った芸術作品を出展するから、パンを提供してくれないか、ということになった。
http://www.h7.dion.ne.jp/~bankart/whatsnew/images/shoku23.jpg
↑チラシ。バンカートのサイトはこちら→http://www.h7.dion.ne.jp/~bankart/

せっかく作ったものを作品にしてはもったいない、儲からない、という声もあったが、この話を聞いて放送局が放送してくれ、波及効果をもたらしている。

僕はもともと福祉として関わっているわけではないので、こうしていろんな広がりができることが、ノーマライゼーションへの道だと信じている。

このつながりが縁となって、また新しい話も浮上している。
実現したらご紹介しますね。

日本社会の闇?

2006年03月08日 | 記事
2月18日、プライベートな時間を使って、職員有志で、寿地区の「さなぎ達」を訪ねる。

町の中を案内していただき、お話をうかがった。

僕は、市役所の職員として約8年、寿地区の目と鼻の先で仕事をしていたが、
その問題にまったく気がついていなかった。

もちろん、その地区の名前は、学生のころから聞いていたが、
ホームレスが多い、生活保護の町、炊き出し、といったイメージしかなかった。

しかし、現実はとんでもなかった。
日本の、闇の部分が、凝縮されて押し込められているといってもいい。
これに対して、行政は、保護行政というアプローチしかしてこなかった。
そしてその関係はしばしば険悪だった。

それも当然かもしれないと思った。
なぜなら、保護行政で対処できる町では到底ないからである。
行政の怠慢が、保護行政だけに押し付けてきたとも言えるだろう。

最近、この町が注目を集め始めたのは、
若いアグレッシブな人たちが来て、福祉の町ではないことを
強烈にしかも夢をもってアピールしているからだ。

そうして、僕たちは、ようやくこの町に気づくことができた。
やっと、ここから、本当のまちづくりがはじまるのかもしれない。

決して、かっこよさ、ムーブメントで終わらせてはいけない。
なぜならここは、日本社会の問題が現存しているからである。