インクルーシブな社会のために

障害の有無程度に関わらず支え合う社会へ ~ハマジョブネットワーク~

職員は誇りをもって

2008年05月05日 | 記事
公職研「月刊 地方自治職員研修」という、
公務員向けの雑誌の4月号に、文章が載りました。

「職員は誇りをもって」という特集の中で、
私は一職員としての立場から、
「自治体職員よ、アントレプレナーたれ!」というタイトルで
自治体職員に一層励んでほしいと書いたものです。

アントレプレナーとは起業家という意味。
もちろん、商売やんなさい、という趣旨ではなく、
地域のニーズを集め、採算を気にしつつ、工夫して、
ないものは作っていこう、あるものを変えていこうと。

そんな公務員が増えれば、民間の素晴らしい活動が活用され、
社会全体が活性化すると思うのです。

最近読んだ本

2008年05月05日 | 記事
最近こんな本を読みました。

・山本譲司「累犯障害者」新潮社
自らも服役した経験を持つ元国会議員が、刑務所の累犯(刑を重ねる)者に
障害者が多いこと、そこから浮かび上がる問題を提起している。

言うまでもないことだが、障害者だから犯罪を犯す可能性が高い、
ということでは断じてない。
適切なケアや支援を受けられていない障害者が、結局再び罪を犯す。
その社会体制に問題がある、ということである。

現在の社会体制の問題は、私が考えるに、
ある支援についての深まりは進んでいるのだけれど、
予防することができてない。
特に、支援を必要とする人が自ら声を上げないといけない仕組みになっている。
自己責任という観点からはそれでいいのかもしれないが、
それでは遅い、どうしてもっと早く手を打てなかったのかというケースが多い。

もう一つの問題は、その解決手段として、
既にある制度の枠組みでないと取り組めない。
とりわけ、行政がそういう体質である。
行政だから制度を重んじるのは当然だが、
行政だからこそ、採算度外視に取り組まなければならないことがあるはず。
(もちろんこの財政難の中で、採算度外視だから何をしていいと
いうことではないですよ)

・戸部けいこ「光とともに」13巻、秋田書店
自閉症児とその家族を描いたマンガで、ドラマ化もされている。
13巻では、自閉症のある光の妹が、小学生となり、
同級生から兄のことでからかわれたり誤解を受けたりする様子、
また、光が性に目覚めることに戸惑う親の様子が載っている。

小学校は、人がその考え方や社会性を学び身につける重要な時期。
そこに、障害のある同級生や、その兄妹がいることの意義は、
計り知れないほど大きい。
だからこそ、完全に分離させてはいけないと思う。

・茂木俊彦「障害児教育を考える」岩波書店
まだ読んでいる最中。
表題は障害児となっているが、社会教育的観点からは、
障害者として考えてもよい。
人間の発達というものは、もちろん子どもの時期が最も盛んだけど、
一生涯を通じてなされるもの。
今、障害者の施設に勤める者として、これを忘れてはいけないと思う。