「見仏」と「札所巡り」と「仏教少々」

仏像鑑賞と札所巡りと受け売りの仏教を少し

薬師寺展(東京博物館)

2008-03-31 00:20:53 | 見仏(特別展)
 薬師寺展を見に行ったその日の夜に、
情熱大陸というテレビ番組で、
展示物のデザイン、ライティングをする人の
特集をしていた。
見ていたら、東京博物館の職員で、
薬師寺展で展示される日光、月光菩薩を
手がけているところも写った。
 ああ、これを見た後で見にいけば、
ライティングについても、気にかけて
見ることができ、違った見方ができたかなあと思った。

 そんな薬師寺展。まず、聖観音菩薩。銅鋳造。
普段は木造を見ることが多いので、鋳造は新鮮。
ある程度、年が立っても、真新しい感じがする。
水晶ぽい少し出っ張った額のびゃくごうが、
後からつけたのかなあという印象がある。
聖観音菩薩をぐるっとゆっくり
一回りして、右前から、菩薩を見上げたとき、
ちょっとライティングがまぶしいなと感じた。
でも、左手を上げているこの角度から見ることは
そうないから、しょうがないのかなと思った。

 そして、日光、月光菩薩。まず、その大きさに
ちょっと驚く。こんなに大きかったかなあ。
3mはあるだろうか。ちょっと高台から見ても
その大きさを感じる。両方とも大きな違いはない。
左の月光の額の上のものがちょっと欠けてるのが
ポイントだろうか。両方ともおなかのあたり
をくの字にまげ、おなかのくびれが目立つ。
説明に書いてあるとおり、
ひざが少し曲がっていて、遊ばせている。
光背は、今回展示されていないが
光背は、金ぴかということは、この銅鋳造の菩薩も
かつては金で塗られていたのかなあと思って、
金粉の残りがないかどうか細かく見てみたが、
その形跡はわからなかった。
そういえば、額のびゃくごうもなかった。

 今回、普段は光背で、後ろ姿とか見れないが、
光背がないため、後ろ姿がみれる。
ぜんぜん後ろ姿もきれいで、腰のラインがとてもきれい。
ライティングは、明るくもなく暗くもなく、上下からの
ライトのむらもなくいい感じの展示でもあった。

 今回感じたのは、これら仏像がお寺内にあれば、
人々は必ず手を合わせるのに、もはや博物館に
あるというだけで、美術品になってしまっていて
手を合わせる人はほとんど見られなかった。
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