「見仏」と「札所巡り」と「仏教少々」

仏像鑑賞と札所巡りと受け売りの仏教を少し

東京国立博物館、ほほえみの御仏

2016-07-02 21:21:57 | 見仏(特別展)
日韓国交正常化50周年記念 特別展
「ほほえみの御仏―二つの半跏思惟像―」


2つの半跏思惟像(はんかしゆいぞう)が展示。
一方は、奈良の中宮寺のもの、
もう一方は、韓国の博物館の所蔵のもの。
これら半跏思惟像は、弥勒菩薩。


奈良の法隆寺には行ったことがあるが、
となりの中宮寺には足を運んだことが
なかったので初めて見ることになる。

最初に中宮寺の半跏思惟像、
次に、韓国の半跏思惟像、
最期にもう一度、
中宮寺の半跏思惟像を見た。

中宮寺の半跏思惟像:
7世紀の作。
体中、黒々とした色に塗られている。
色合いからしても黒々としている仏は
そうはない。
それから、特徴的なことは、
頭の上の2つのこぶのようなもの。
髪を束ねたのを模しているのだろうか。
そして、頭髪部分。
雰囲気的に元は髪があった風。
肩にかかった髪に近いようなものは
なんだろう・・・・。
ほぼ人間大。正面から見ると
微笑みの表情が見てとれる。
材質は、楠木で作られたようなことを
近くで見ていたおばちゃんが話していた。


韓国の半跏思惟像:
こちらは、6世紀作、銅製で、1mに
満たないくらいのやや小ぶりな大きさ。
半跏思惟のスタイルも似ているし、
右手の指を顔にそえている感じも
似ている。
顔はやや四角顔で、体全体の
バランスからしても少し大きめ。
宝冠をかぶっている。
宝冠から帯のようなものが垂れ下がっていた。
それを見てぴんときた。
日本のものの肩にかかっていた帯のようなものは
宝冠から垂れ下がる帯を表現したものではないか。
ということは、宝冠も日本のものに
あったのかもしれない。


こうして2つを見比べると、
仏像は朝鮮半島を経由して
日本に伝わったんだなあという印象だった。


自分が拝観している時間帯に、
美術品としてしか見ていないのか
いつものように仏に手を合わせる人はいなかった。
あえて、自分は両方の仏に手を合わせて拝んだ。
ただ無心で。


ビデオでは、聖徳太子が建立したという
大阪の四天王寺がでて、
半跏思惟スタイルの久世観音が写っていた。
大阪へ行ったら、ぜひ立ち寄りたい。
仏教伝来は、聖徳太子が仏教を積極的に
取り入れ、そのゆかりのお寺という
流れでの紹介だったと思う。
半跏思惟の弥勒菩薩信仰、そこから、
聖徳太子信仰もでてきた。
久世観音は、聖徳太子を表しているとも
言われ、四天王寺では、
悟りを開く前の思い悩む、あるいは
瞑想にふけるという、
半跏思惟スタイルのめずらしい久世観音。


今回、中宮寺の弥勒菩薩を見れた。
本来の中宮寺に納まっている弥勒菩薩を
見なくてもよいということでは
ないので、機会があれば、
見に行ってみたい。
「大阪と、みたびの奈良」という
ケンブツプランになるかも(?)。



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