「見仏」と「札所巡り」と「仏教少々」

仏像鑑賞と札所巡りと受け売りの仏教を少し

トーハク 神護寺展

2024-08-25 11:21:10 | 見仏(特別展)
東京国立博物館(トーハク)で、神護寺展が開催されていたので見に行ってみた。
神護寺は、京都の嵐山のさらに奥の方にあるが、行ったことはない。

今回は、「空海と真言密教のはじまり」という副題がついている。空海が唐から帰国したあと拠点にしたお寺が神護寺。
空海に関する資料も多かった。
空海や最澄の直筆の巻物。両者どちらも達筆だが、最澄のほうは、ゴシック体的なわかりやすい文字だったような気がする。

高雄曼荼羅図というものがあり(神護寺は高雄山神護寺)、一種の両界曼荼羅図ではあるようであるが、神護寺に残されている図のようである。
両界曼荼羅図は、胎蔵界曼荼羅図、金剛界曼荼羅図に分かれる。胎蔵界は図の中心に大日如来が配置され、金剛界は、9分割されたような図のほうである。

そして、今回の個人的な目玉は、国宝の薬師如来。推定170㎝くらいであろうか。表情はしかめっ面。螺髪はごつごつしている。鼻は比較的高い。国宝になるほどの芸術点の高さは、どこなのだろうか・・・と、素人目にはよくわからなかった。衣の波波部分なのかもしれない。
両脇には、日光月光。小柄な人間大。赤みのペイントが少し残っている。

十二神将と四天王は、1m以下くらいだろうか、一部は室町時代、一部は江戸時代のもの。十二神将の中で、どれが一番怖そうかと何度も見直してみたが、青い顔の虎の神将が一番怖そうであった。十二神将の作りには何パターンかあり、顔が白かったり、青かったり、ふつうの色だったり。四天王も迫力があった。

曼荼羅図にしか出てこないような宝冠をした菩薩の仏像群もあった。

唯一、撮影okの四天王の2人(さっきの小さい四天王とは別)は、人間大くらい。肌質が荒く、芸術性が低そうではあった。

入場料2100円だが、実際に京都に行って神護寺に行くことを考えれば安いものかもしれない。

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東京国立博物館 東寺

2019-04-13 16:20:33 | 見仏(特別展)
はるばる京都の東寺から出張してきている仏を
見に行った。

朝早かったので、それほど混雑も無くよかった。


■金剛夜叉明王
これでもかという足の親指を立てた遊び足。

■軍荼利明王
怒髪と光背の炎がまじりあい相乗効果。
怒髪がより大きく見える。

■降三世明王
シバと妻パールバーティを踏みつけている。
ただ、踏みつけられているのは、普通の人間風なので
ちょっとかわいそう。

■大威徳明王
牛に乗り、足三組。
足の1つの親指が跳ね上がり遊び足。

■帝釈天
日本一男前の仏だと思う。
今回なんと撮影OK。帝釈天のみOK。
東寺もトーハクも太っ腹。
もちろん自分も撮影(写真)。
SNSには帝釈天の写真が飛び交っているだろう。
どうしてもフラッシュたく人がいるので、
見張りの人は、フラッシュたいて撮らないでと
さんざん注意していた。

■如来4体
ややインパクトはない。
金箔が強いのが少し違和感があった。
江戸時代あたりにでも
金箔を塗りなおしたのだろうか。

■菩薩4体
古さ感でシンプル。
こちらのグループもインパクトは薄い。

■持国天、増長天
持国天、増長天のどちらか一方だったが、
邪鬼はおしりを正面向けながら踏まれていて、
かわっていると思った。


今回来なかった立体曼荼羅の
一部の方達は、実物大くらいのパネル写真で
展示されていた。


■その他立体曼荼羅以外の印象的な仏
昔あった西寺の地蔵菩薩、
今までに見ない変わった表情の地蔵菩薩だった。
兜跋毘沙門天(とばつ びしゃもんてん)、
地天女がこの仏をささえ、その両脇にいる鬼は
くつろいでいる感じ。ほほえましい。


東寺に今行っている観光客は
残念な思いをしていると思う。
主役級の一部が不在なので。


今回、心外だった出来事があった。
下からのLEDライトがどのように
効果があるんだろうと、
LEDライトの前に数秒手をかざしたと思ったら
見張りの人が走ってきて、
「さわらないでください」。
触ってないので「触ってませんけど」と言うと
「手をかざすこともお断りしています」と言われた。
もうちょっとお手柔らかに言ってくれると
いいのになと思った。
LEDライトのスペシャリストが設定したライトが
どんな風だろうと確かめたかっただけなのだが。
ほぼほぼ、仏像にとって何の影響もないことなのに。

まあ、展示仏で満足できたので
よしとしよう。

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サントリー美術館、醍醐寺展

2018-10-20 21:40:29 | 見仏(特別展)
京都の醍醐寺、確か参拝したことはない。

ここ、東京で展示があった。

密教系。平安仏。
もちろん仏像だけではなく関連品目も。

小ぶりの金色の如意輪観音が主役。

五大明王、目が隆起する様を木のもりあがりで表現。平安仏らしい。
体の色は、だいぶ落ちている。

薬師如来坐像、体長3mほど。
薬4,3階(?)で展示があり、4階から階段で降りていく先の方向に、
薬師如来は座っていた。なかなかの壮観なviewだった。

入場料は1500円と、仏像の質と量を考えたら、少し高いかなと思った。

別室で醍醐寺について、アナウンスのプロ的な女性が
解説をしてくれる部屋があり、聞きに行ったが、
あまりに心やすらぐ、なめらかな話し方であったため、
すっかり、うとうととしてしまった。

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東京博物館、運慶

2017-11-23 21:54:26 | 見仏(特別展)
人が多い。入場制限がかかり1時間待ち。
小耳に挟んだところ、このイベントが昨日のテレビで
出ていたかもしれないということで、更に人が多かったのかもしれない。
11時半すぎに行列待ちに並び、観賞を終わったら15時前になっていた。
ほぼ一度も座らず、立つか歩くかで、こんなに時間がたつなんて・・・。
定年退職したくらいの人が平日でなく、
なぜこの混んでいるだろう休日に見に来るかという疑問。
・・・・そんなこと言ったら怒られるけど。

監視員どおしの何気ない会話が耳に入ってきた。
ワインレッドのダウンのお客、出たみたいですよ。
・・・蹴り飛ばしていた。・・・
何か問題でもあったのだろう。
問題が起きそうなくらい入場制限するし、いらいらも
つのるであろう。


今回の目玉はなんといっても、円成寺の大日如来。
運慶のデビュー作とも言われる。
普段はガラスケース越しの拝観なので、
仏像と同じ空気を吸える空間で親近感がある。
背中のほうを見ると、背中の上方が猫背になっていることがわかる。
顔は思いのほか平ぺったい。鼻も低い。
金はあいかわらずはげたまま。
手を加えないそのまんまというところに意味もあると思う。
見栄えよいように、塗りなおしたりすると、
仏像によっては、価値が下がる。

神奈川の浄楽寺から、阿弥陀三尊。
なかなかの仏。見た記憶はなかった。

静岡のほうのお寺から地蔵菩薩。かなりリアル。
ぎょくがんのインパクトは大きい。

静岡の毘沙門天。小柄ながら、肌つやよく、
かわいいという声も聞こえてきた。
京都の鞍馬寺の毘沙門天も思い起こさせる。

興福寺の四天王、どれが誰だかよくわからない。
毘沙門天(多聞天) だけわかる。

四天王といえば、 興福寺の南円堂の四天王のインパクトが大きい。
二体は、顔の表情がはんぱなく怖い。悪魔的。
残り二体はアニメの両津のようなごついおっちゃんの表情。
多聞天は、宝塔を見上げる変わったスタイル。

もう少しゆったりと見たい状況ではあったが、
これもいたしかたない。
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東京国立博物館、ほほえみの御仏

2016-07-02 21:21:57 | 見仏(特別展)
日韓国交正常化50周年記念 特別展
「ほほえみの御仏―二つの半跏思惟像―」


2つの半跏思惟像(はんかしゆいぞう)が展示。
一方は、奈良の中宮寺のもの、
もう一方は、韓国の博物館の所蔵のもの。
これら半跏思惟像は、弥勒菩薩。


奈良の法隆寺には行ったことがあるが、
となりの中宮寺には足を運んだことが
なかったので初めて見ることになる。

最初に中宮寺の半跏思惟像、
次に、韓国の半跏思惟像、
最期にもう一度、
中宮寺の半跏思惟像を見た。

中宮寺の半跏思惟像:
7世紀の作。
体中、黒々とした色に塗られている。
色合いからしても黒々としている仏は
そうはない。
それから、特徴的なことは、
頭の上の2つのこぶのようなもの。
髪を束ねたのを模しているのだろうか。
そして、頭髪部分。
雰囲気的に元は髪があった風。
肩にかかった髪に近いようなものは
なんだろう・・・・。
ほぼ人間大。正面から見ると
微笑みの表情が見てとれる。
材質は、楠木で作られたようなことを
近くで見ていたおばちゃんが話していた。


韓国の半跏思惟像:
こちらは、6世紀作、銅製で、1mに
満たないくらいのやや小ぶりな大きさ。
半跏思惟のスタイルも似ているし、
右手の指を顔にそえている感じも
似ている。
顔はやや四角顔で、体全体の
バランスからしても少し大きめ。
宝冠をかぶっている。
宝冠から帯のようなものが垂れ下がっていた。
それを見てぴんときた。
日本のものの肩にかかっていた帯のようなものは
宝冠から垂れ下がる帯を表現したものではないか。
ということは、宝冠も日本のものに
あったのかもしれない。


こうして2つを見比べると、
仏像は朝鮮半島を経由して
日本に伝わったんだなあという印象だった。


自分が拝観している時間帯に、
美術品としてしか見ていないのか
いつものように仏に手を合わせる人はいなかった。
あえて、自分は両方の仏に手を合わせて拝んだ。
ただ無心で。


ビデオでは、聖徳太子が建立したという
大阪の四天王寺がでて、
半跏思惟スタイルの久世観音が写っていた。
大阪へ行ったら、ぜひ立ち寄りたい。
仏教伝来は、聖徳太子が仏教を積極的に
取り入れ、そのゆかりのお寺という
流れでの紹介だったと思う。
半跏思惟の弥勒菩薩信仰、そこから、
聖徳太子信仰もでてきた。
久世観音は、聖徳太子を表しているとも
言われ、四天王寺では、
悟りを開く前の思い悩む、あるいは
瞑想にふけるという、
半跏思惟スタイルのめずらしい久世観音。


今回、中宮寺の弥勒菩薩を見れた。
本来の中宮寺に納まっている弥勒菩薩を
見なくてもよいということでは
ないので、機会があれば、
見に行ってみたい。
「大阪と、みたびの奈良」という
ケンブツプランになるかも(?)。



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ブータン展 上野の森美術館 

2016-06-19 18:37:07 | 見仏(特別展)
サブタイトル「しあわせに生きるためのヒント」

7/18まで開催。

悩みのある人はぜひでかけてみてください。


まず歴史から。
8世紀頃、インドの密教系行者を招いたころ
から仏教の歴史が始まる。

それから時を経て、現在の仏教は、
チベット仏教。

過去にチベットに
攻め込まれるという歴史もあったようだ。
国は守ることができたらしい。

1900年初等、
現在の国王の一族の歴史が始まる。

現在、人口70万。

前四代国王がGNHを提唱。GNHとは、
Gross National Happiness。
国民全体の幸福度。


現国王(五代国王)が来日したときの、
国会演説の一部のシーンもビデオで流れていた。
なかなか感動できる演説だった。

2016年某月、現国王の王子が生まれ、
ブータンでは国民が喜んでいる。

ブータンでは
日本の幸福という言葉にあたる
言葉がないらしい。
というのだが、近い言葉は
どういう意味合いの言葉なのだろうか。

一般家庭では、仏間があるという。

お墓も、位牌も存在しないという。

火葬なのか土葬なのか、そういう情報は
無かった。

仏間では
亡くなった家族に対してというより、
仏陀を拝んでいるような雰囲気。

一般的に
お祈りの時間が1時間30分というから、
ずいぶん熱心。

国民の全体の97%が自分を幸福だと
思っている。
といわれている。
どこにその秘密があるのか。
(自分の中では何割かはそうでは
 ないかという答えがある。
 ・・・仏教と教育・・・)

展示物といっしょに
あちこちで大きな字で格言が、書かれていた。
(表示している写真もそのひとつ)

その中で、一番心に残ったものを
紹介します。

「常に自分の心を見なさい。
そして、心が乱れていたら、
心をコントロールするのです。
それが幸せに生きるコツです。」

その他:
「幸せになるコツは、今の自分に
 満足することです。」


今回は、仏像に関しては、鉄の小ぶりな仏像、
曼荼羅図展示が主で、
仏像そのものはさほどのものではなかった。

小ぶりな鉄の像の中に、物欲を絶った
行者という解説が書かれている像があった。
しかし、体型を見ると、
布袋までとはいかないが、
けっこうお腹が出ていた。
物欲は絶ったが、食欲は絶てなかった
のだろうと、内心突っ込みを入れた。


とにかく、見に来てよかった。
ブータンに触れられてよかった。
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国立東京博物館、インドの仏

2015-05-16 22:15:55 | 見仏(特別展)
公開終了が明日にせまった展示を見るために
少し慌ててトーハクに行ってきた。

東洋館にはもともとインドの仏(ガンダーラ出土)が
あるので既存の仏も展示されているかと
思っていたが、そうではなかった。

9分の上映ビデオを見ると、
インドの博物館のほうから来ているもの
もあるようだ。

さて、展示物で気の付いたこと。
2世紀頃の仏は、当時のギリシャの彫刻様式
のようなものが多く、石仏で、人間(仏陀)を
そのまま彫られたものが多かった。
頭髪は、仏像独特の羅髪ではなく、波波の髪、頭上に
少し盛っている感じ。もちろん西洋人顔。

10世紀頃の仏は、金属製のものもあり、
石仏のものある。
羅髪、髪型などは、日本の古い仏像のものに近い。
ただ、雰囲気はタイの仏像に近い。

インドで仏教が衰える13世紀より少し前の仏は、
ヒンズーに影響を受けたものがあり、
服を着た巨○の人間の女性風でありながら
憤怒の鬼に近いような表情で、手がたくさんある。


密教系の仏の雰囲気のものもあった。
光背に火がメラメラ燃えている様が
彫られていて、これが後々、日本に伝わった
不動明王の光背につながったのだろう。

ちけん印に近い形は、説法印と表現され、
ごうま印という聞きなれない印もあった。
ごうま印は、
座った仏陀が、指の先を地にあてた形。
悟ったということを示しているという。

日本の仏像は、菩薩でも男性として
彫られているが、
今回の展示の中には、
明らかに女性として彫られている
仏もあった。

仏が菩薩か如来かという判断は、
体に装飾品がつけられているものが
菩薩、質素な服を着ているのは、
如来という区分けで、展示仏には
その名前がつけられていた。

9分の上映ビデオの中に数秒程度、
仏像大使と命名されているいとうせいこうと、
みうらじゅんが登場していた。
いとうせいこうが、
仏像は仏教を広めるためにインドが発明して
すごいというようなコメントをしていた。

国別では、インドの他に、パキスタン、
バングラディシュ、東南アジアの仏もあった。

大きな仏は輸送の関係もあり、ほとんどないが、
おおむね期待を満たしてくれた
今回の展示だった。


今日は、鳥獣戯画の展示もあったようで、
そちらには、すごい行列ができていたようだ。
そんなに見たいものなのかなあと
思ってしまう。教科書にでていただけじゃん。


最期に、平常展示の仏も少し見に行った。
仏像フロアの今日のメダマは、三十三間堂からの
千手観音3体。単純に考えると、京都三十三間堂には、
現在998体の千手観音がいるということになる。
撮影禁止なのだが、一部の西洋人観光者が
それに気づかず、写真をとっていた。
仏そのものは撮影禁止だけど、この千手観音が光に
照らされた影が見事で、この影だけでも
撮影させてくれないかなあと思った。
ここトーハクでのライティングは、
非常に凝っているから、見もの。

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東京国立博物館、通常展2015.2

2015-02-08 21:21:50 | 見仏(特別展)
みちのくの仏像展を見たついでに
当然、通常展も見に行った。

こちらでも、仏像が何体かみることができる。

こちらでは、展示物毎に撮影禁止が
設けられている。
撮影禁止マークがなければ、
撮影オッケー。

添付の写真は、十二神将。
さながら、写真を撮る人で
撮影会が始まった様子になった。

今日の目玉としては、他に
薬師寺の聖観音菩薩レプリカ。
柔和で笑っているような表情に見えた。

それから、別館の東洋館。
こちらは、ガンダーラの石仏が見所。
鼻の高いシッダールタと思われる石仏。
シッダールタは、西洋風の顔立ちで、
やはり、こんな顔立ちだったんだろうなと
思わせてくれる。

中国の仏像の他、エジプトの像とかも展示。
エジプトのライオンの顔を持つ女性の像。
このライオンの顔を見ると、
ほぼライオンの顔そのもの。

伝来する過程で、ライオンが、
やがて日本風の獅子に変化して行った。
伝来する過程で、正しい形が
あいまいに伝わるということなのだろう。


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東京国立博物館、みちのくの仏像

2015-02-08 19:45:51 | 見仏(特別展)
久しぶりのトーハク。

1000円の特別展入場料。
一般展もみれて安いなという印象。

まず入り口近く、肩書きは仏像だが、
どうみても神像・・・が3,4体ならんでいた。

右手のほうに、薬師如来が見えてきた。
羅髪がない。
記憶では、びゃくごうに真新しい宝石にのような
輝き。(家に帰ってから国宝だったことに気づく)

そして別のスタンダードな薬師如来2セット。
スタンダードというのは、日光月光菩薩を両脇に
従えている薬師如来という形態。

最初のスタンダードな薬師如来は、顔色がちょっと
違った風に見える。体は金箔がわずかに残っている。
羅髪はとってつけたような、つまり人間に
たとえるとアフロヘアのかつらをかぶっている
雰囲気に少し近かった。

スタンダードなもう一方の薬師如来。
ト書きにも書いている通り、
目がつりあがっていて、肩幅がけっこう広い。
今までみた仏像にはあまりないお顔だち。

最期のほうの、十二神将のうちの四体は、
このイベントの中で、もっともひかれた存在だった。
80cm程度で小ぶりではあるが、細かいところの
描写もよくできていて、なかなか見事だった。
鮮やかな色あいの後もなんとなく見られた。
これらは、鎌倉時代作ということで、
ギョクがん。ギョクがんのほうが怖さが
引き立つ。

円空作の仏の三体もあったり、
なたぼり(見た目ぎざぎざな彫り方)の仏像も。

めずらしいところでは、頭の上に
像2体の顔が乗っている如来。

今回の展示の背景として、
この前の震災についての
ト書き、ビデオ内容もあったりした。

3mくらいの菩薩立像。
海岸から100mくらいのお寺にいたが
高台にいたので、難を免れた。
このお寺は、近所の人たちの避難場所にも
なっていたという。

おおむね、みちのくの仏像の顔を見ると、
奈良・京都を中心とした仏像に
比べるとちょっと風変わり。
仏像が伝来する過程で、
伝わり方が変化してきて、
顔立ちも変わっていったのかもしれない。
菩薩なのに、細面でなくふくよかだったり、
・・・。

今回、集合された仏像は、お寺に安置され、
本来は、拝まれる存在なのだが、
自分が見た限り、
拝んでいる人は当然いない。
自分は、何体かの仏像の前で
少し手を合わせてみた。

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東京国立博物館、栄西と建仁寺

2014-04-26 11:30:52 | 見仏(特別展)
臨済宗の開祖、えいさい。ようさいとも言われていたという。

題目が、栄西と建仁寺で、最初の印象・・・。
建仁寺というと臨済宗の中の宗派のひとつ、
建仁寺派ということが思い浮かぶ。
栄西が、京都で初めての禅寺を建て、それが、建仁寺。
ちなみに、日本で初めての禅寺は、栄西が建てたもので、
福岡にある。

なぜ、建仁寺派という題?とも思ったが、そういえば、
妙心寺派のイベントもここトーハクで、
やっていたような気もする。

禅宗は、仏像にはこだわりはない。
従って、仏像は今回期待していなかった。
しかし、何体かの仏は展示されていた。
ただし、建仁寺からの仏はなく、
関連するお寺からの仏だった。

50cmくらい?の小ぶりだけれども精巧な毘沙門天。
瞑想している伝・・・なんとかの菩薩。
十一面観音坐像。
ギョクがんの目を大きく見開いたじゃきのような像。
六道珍皇寺からの仏もあった。
(六道珍皇寺は、六波羅蜜寺の近くにあるお寺で、
 自分も一度行った事がある。)

建仁寺からのものとしては、重文の龍の水墨画、
国宝の風神雷神図なども展示されていた。

栄西は、今の岡山の生まれ。神社の子供として生まれた。
20代、40代のころ、2回中国の宋の時代に
行ったことがある。

栄西は、日本では当時、密教の宗派に
気を使っていたという面もあったようだ。
密教に気をつかわなければ、予算がつかず、
禅宗を広められないということだったのかも
しれない(?)。

天台宗のほうから、禅宗禁止(?)という
命令も受けたことがあるとか。

栄西は、密教にも少し精通していて、
密教の書物も書いているらしい。



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