「見仏」と「札所巡り」と「仏教少々」

仏像鑑賞と札所巡りと受け売りの仏教を少し

国立東京博物館、インドの仏

2015-05-16 22:15:55 | 見仏(特別展)
公開終了が明日にせまった展示を見るために
少し慌ててトーハクに行ってきた。

東洋館にはもともとインドの仏(ガンダーラ出土)が
あるので既存の仏も展示されているかと
思っていたが、そうではなかった。

9分の上映ビデオを見ると、
インドの博物館のほうから来ているもの
もあるようだ。

さて、展示物で気の付いたこと。
2世紀頃の仏は、当時のギリシャの彫刻様式
のようなものが多く、石仏で、人間(仏陀)を
そのまま彫られたものが多かった。
頭髪は、仏像独特の羅髪ではなく、波波の髪、頭上に
少し盛っている感じ。もちろん西洋人顔。

10世紀頃の仏は、金属製のものもあり、
石仏のものある。
羅髪、髪型などは、日本の古い仏像のものに近い。
ただ、雰囲気はタイの仏像に近い。

インドで仏教が衰える13世紀より少し前の仏は、
ヒンズーに影響を受けたものがあり、
服を着た巨○の人間の女性風でありながら
憤怒の鬼に近いような表情で、手がたくさんある。


密教系の仏の雰囲気のものもあった。
光背に火がメラメラ燃えている様が
彫られていて、これが後々、日本に伝わった
不動明王の光背につながったのだろう。

ちけん印に近い形は、説法印と表現され、
ごうま印という聞きなれない印もあった。
ごうま印は、
座った仏陀が、指の先を地にあてた形。
悟ったということを示しているという。

日本の仏像は、菩薩でも男性として
彫られているが、
今回の展示の中には、
明らかに女性として彫られている
仏もあった。

仏が菩薩か如来かという判断は、
体に装飾品がつけられているものが
菩薩、質素な服を着ているのは、
如来という区分けで、展示仏には
その名前がつけられていた。

9分の上映ビデオの中に数秒程度、
仏像大使と命名されているいとうせいこうと、
みうらじゅんが登場していた。
いとうせいこうが、
仏像は仏教を広めるためにインドが発明して
すごいというようなコメントをしていた。

国別では、インドの他に、パキスタン、
バングラディシュ、東南アジアの仏もあった。

大きな仏は輸送の関係もあり、ほとんどないが、
おおむね期待を満たしてくれた
今回の展示だった。


今日は、鳥獣戯画の展示もあったようで、
そちらには、すごい行列ができていたようだ。
そんなに見たいものなのかなあと
思ってしまう。教科書にでていただけじゃん。


最期に、平常展示の仏も少し見に行った。
仏像フロアの今日のメダマは、三十三間堂からの
千手観音3体。単純に考えると、京都三十三間堂には、
現在998体の千手観音がいるということになる。
撮影禁止なのだが、一部の西洋人観光者が
それに気づかず、写真をとっていた。
仏そのものは撮影禁止だけど、この千手観音が光に
照らされた影が見事で、この影だけでも
撮影させてくれないかなあと思った。
ここトーハクでのライティングは、
非常に凝っているから、見もの。

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