「見仏」と「札所巡り」と「仏教少々」

仏像鑑賞と札所巡りと受け売りの仏教を少し

ふたたびの奈良(終了)、薬師寺

2010-03-29 00:48:35 | 見仏(奈良)
円成寺からの帰り道で下車して、奈良国立博物館へ行くことにした。
しかし、奈良国立博物館は休館だった。
がっかり。
何かしらないけどしばらくの間休館しているみたいだった。ちゃんと下調べしておけばよかった。
・・・そういえば、室生寺で、本来は、十二神将のうち10体しかいないのだが、
国立博物館から里帰りしているので12体そろっているというのを尼僧(おばちゃん)が言っていた。
なぜ里帰り?と、深読みしておけば奈良国立博物館が休館していることがわかっていたかもしれない。

帰りの新幹線の時間をにらみながら、最後に、薬師寺に行くことにした。

最初に聖観音を見た。最初は、金色でおおわれていただろうけど、金がなくなっても、
鋳造は時代が経過しても肌つやがきれい。
近くにおられる四天王は顔の作りが四つともよくにている印象。

次に、薬師三尊を見に、金堂へ。
頭かざりの欠けていないほうの右の日光、そして左の月光。
東京の国立博物館でまじかでみたとき、3mほどもあり大きくて、怖い印象もあったが、
今回少し離れてみると、それほど大きくはないなあという印象。
元のいるべきところにいるので、おちついた感じに見えるのだろうか。
日光、月光の後ろは、光背がついているので、後ろからの曲線美は今回は見ることができなかった。
そして中心には、薬師如来坐像。あまりメタボでもなく、
どっしりと迫力のある感じですわっておられる。

前回、工事中で見れなかった大講堂へ。
見た目、日光と月光とあまり変わらない、名前をあまり聞かない菩薩像。
形状は、日光月光よりに似ていて、曲線美が少ないが、より女性的な像。

中央には弥勒如来。
これも、薬師如来によく似ているといえば似ている。
手の指には、あまり水かきをあらわさないが(ほとけの特徴として、みずかきが手にあるというのは
いわれている)、露骨に水かきがある。

その他、十大弟子のうちの2人や、小ぶりな四天王がいた。

この日光月光に似た菩薩と弥勒如来は、もしかして、
薬師三尊の影武者?と思ってしまうほどの雰囲気。
それぞれ、日光月光、薬師如来です!と言っても、見た目は何の違和感もないほど。

これにて、今回の「ふたたびの奈良」シリーズは終了。
雨男の割には3日とも雨には降られなかった。
有意義な連休を過ごすことができた。
早ければまた今年の秋に、また奈良に来てみたいとも考えているが・・・。

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ふたたびの奈良、円成寺

2010-03-29 00:29:51 | 見仏(奈良)
奈良市内の中心地から、バスで30分ほど。

国宝の大日如来がいるというので、出かけていった。
この仏のカレンダーの写真も、自宅の部屋にはってある。

いなかの小さ目なお寺という印象で、本堂には、
大日如来はいなくて、宝塔の1階のガラスごしに
見ることができる。ガラスごしなので、
顔をガラスに近づけるその影によって、
中の様子が見える。ガラスに顔を近づけないと
外の景色がガラスに映りこんで
よく見えないことになる。

これも、ややいなかのこのお寺で、
なぜこれが国宝になったのだろうと思っていた。
金のはがれ具合など、味わいはあるのだが、
なぜ国宝かと。
後で、この仏の作者が運慶であることを知った。
誰が彫ったとかあまり関心はないほうなのだが、
運慶なら有名な仏師でよく聞く名前。

1時間間隔でしかないバスの時間をみて、
奈良市内へとバスで戻った。


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ふたたびの奈良、新薬師寺

2010-03-26 21:35:00 | 見仏(奈良)
もう少し、バス停から近いのかと思いきや、
15分くらい歩いたろうか。
バス停から近いはずだという先入観から、
実際は遠かったので長く歩いた感じがする。

かつて、このお寺は、今とは違い、
敷地の広い大きなお寺だったとのこと。
平家に焼き討ちに合ったが、今回みる仏のいるお堂は、
難を逃れたとのこと。
その後、鎌倉時代に、お寺が再建されたという。

薬師如来は、お目目が全体的に大きい。天平時代の作。

そして、これを取り囲むボディーガードの十二神将、
塑像(添え木の周りに粘土で固めていき、作ったもの)。
天平時代の作なので、玉眼ではない。
色も剥がれ落ちたりしているが、
天平という古い時代のものなので当然かな。

十二神将のうち、怒髪は、バサラ、ビギャラ、クビラ、
シュウトラ・・・等いるが、バサラがよく写真に
出てくるし、目立つ。
この十二神将の中のベスト3:
(1)バサラ(2)メイキラ(3)クビラ 

ふと、ビギャラ、クビラなどの名前は、
怪獣の名前だなと思った。
yahooで、「怪獣の名前 十二神将」で探すと、ヒットする。
ほかにも気づいていた人いるなぁ。


堂内でありえないと思った光景を目にした。
なんと、1箇所、ステンドグラスが・・・。
外の光を取り入れ、きれいな色あいではあったが、
なぜ、和様の様式の堂内にステンドグラスがと思った。

その当日の午後、なら奈良館に行った時、
初老のガイドのおばちゃんもこの件を話していた。
よく国がこのステンドグラスを許可したねぇと。
お寺の住職が、若いときからスポーツカーを
乗り回したりしていて少し変わり者であったと。

ステンドグラスに、キリストやアベマリアの人物の
デザインではなかったのが、せめてもの救いだった。

和洋せっちゅうといえば、奈良の街中に、
完全にお寺の様式の保育園の建物があるが、
この建物の玄関の屋根のほうには、
大きな十字架が取り付けられていた。

写真は、なら奈良館の十二神将のうちの
バサラ(模造)。なら奈良館では写真okとのこと。
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ふたたびの奈良、東大寺、法華堂

2010-03-26 21:07:13 | 見仏(奈良)
前回の奈良見仏で、見ていなかったところ。

このお堂の仏は、奈良天平時代のものということで、
歴史を感じさせられる。
法華堂は、もう少しすると、しばらく修復のためか
なにかで見れなくなるので、見れてよかった。

後で、仏の大きさを確認したところ、
全般的におおきかったんだなあ。
中でも梵天、帝釈天が4m級、吉祥天、弁才天でも
2m級、四天王、不空羂索で、3m級。

不空羂索のお顔は、目の部分が金が色こく残っており、
なんとなく宇宙人ぽい。
堂内の中央に、でん、と、存在している。
不空羂索の着ている衣の帯はとてもなめらかな
カーブを描いていて、乾漆(うるし)で作らないと
こうはならないのかもしれない。

梵天、帝釈天は、顔色が黒人のようで、まるで
黒人のボクサーのようで、なかなか怖い顔をしていた。

金剛力士の頭髪は、怒髪で、へびのような形状。

広目天は、戒壇堂のものと比べると、目をパチリとさせ、
かわいい感じ。

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ふたたびの奈良、東大寺、大仏殿

2010-03-26 00:18:33 | 見仏(奈良)
東大寺法華堂をめざして、あるいていたのだが、
やはり、ついつい、こちらも立ち寄ってしまう。

東大寺の大仏は、自分の中ではもう中途半端な
大きさになりつつあるが、
それでも、脇の大きな不空けんさくや、
広目天よりも、さらに大きいので大きいにはちがいない。

その日の午後、なら奈良館というところで、
初老のおばさんが、入場者に
東大寺の大仏について、こんなに大きい大仏は
ないよねぇ、みたいなことを
写真の実寸大の大仏の手のひら模型を前に話していた。

この手のひら模型が、牛久大仏だとしたら、
東大寺の大仏が手のひらに
乗るかもしれないですよと、内心つっこみをいれた。

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ふたたびの奈良、唐招提寺

2010-03-25 23:46:22 | 見仏(奈良)
前に訪ずれたとき、改築中で、金堂は見ることが
できなかったので今回は楽しみだった。

金堂は、改築したとは言うけれど、もともとの柱、
木材等は、再利用しているようなので、古い感じの
ままの金堂であった。

金堂には、国宝の3体がいる。
中央に盧舎那仏坐像(るしゃなぶつ)、
両脇に薬師如来立像と千手観音立像。
両脇の仏は、5mくらいはあるだろうか。
千手観音は度迫力。

千手観音の手はいろんなものを手にしているが、
ひとつどくろを横から串刺しにした棒を手にしている。
チベットの仏像は、どくろが装飾されているものが
多いが、若干、受け継いでいる面もあるのかなぁ。
ほかに特徴的なところは、不空けんさくのように
目が3つあること。

中央のるしゃなぶつは坐像であるが、
隣の千手観音立像と比べて、
どちらが背が高いのかなあと、
るしゃなぶつが「どっこいしょ」と
立ち上がる様を想像した。
そしたら、るしゃなぶつの方が背が高かった。

この3体ともでかいのではあるが、同じ日に、
長谷寺の大観音をみたせいか、
その大きさにあまり驚いていない自分に気がつく。

仏教界では、この3体のうち、文字通り、真ん中に
配置される盧舎那仏が中心かもしれないが、
芸術としては、千手観音が真ん中かなあ。
人の群がりをみていると、やはり、千手観音が一番人気。


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ふたたびの奈良、聖林寺

2010-03-25 23:08:20 | 見仏(奈良)
ほんとうに、いなか風景の中にあるお寺。
ここに国宝の十一面観音がいる。

この仏のカレンダーの写真が、自宅の部屋にはってある。
そもそも、この仏を見ようと思ったきっかけは、
カレンダーの写真が自宅の部屋にはってあるから。

堂内に入って中心には、なぜか地蔵菩薩。
この地蔵菩薩に近づいて見てみると、どうも石で
できてるようだ。お寺の小冊子には、
地蔵菩薩についての説明は書いていなかった。
地蔵菩薩の中でもわりとマンガチックなお顔。
想像するに、昭和とかの新しい仏なのかなと思う。

どこに、国宝はあるのかと見渡したが、
この拝所の部屋の中にはないようだ。
ふと矢印が目に留まり、その方向目指して障子をあけた。
すると、後から取り付けたようなコンクリートの階段が
あった。(こっちかぁ)。

階段を上りきると、ガラスごしの国宝、十一面観音が
目に入った。

上のほうは、金色がだいぶ残っている分、下のほうは、
全体的に黒っぽく墨で覆われている感じ。
お顔は決して美男子ではない。
お笑い芸人の「くやしいです」のザ・ブングルの一人
に似ている。

このいなかの、一、お寺の仏が国宝指定されたものだから、
お寺の住職はビビッたのだろう。
普通の本堂の中に、国宝を置いて、
盗難にあったらたいへんだと別棟を作って、
そちらに置いたのだろう。

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ふたたびの奈良、室生寺

2010-03-24 20:54:44 | 見仏(奈良)
入山券の紙に、お寺の敷地内で怪我をしても保障しません
と書いてあるとおり平地からの上りに、いびつな段差の
大きい石の階段が続く。ちょっと危ない。

このお寺の金堂には、国宝の仏が2体。
釈迦如来と十一面観音。
この2体のほか、同じ列には、薬師如来、文殊菩薩、
地蔵菩薩。これらは平安時代の作とのこと、それから、
その前列に鎌倉時代の小さめな十二神将が並ぶ。
十一面観音は、木目が多く残る古い仏だが、
かつてはあざやかだったろうと想像できるような
色あいも少し残っている。上品な仏だ。

この金堂にいた初老のおばちゃんに、
いつの時代のものかとか、
国宝はどれかとか質問をしたが、後で、あることに気づいた。
ここは女人高野といわれるところなのだ。さきほど、
おばちゃんだと思っていた人は、尼僧さんだった
かもしれない。(頭髪は坊主でなく若干短めであったが)。
確かにお経も上げていた。
失礼したかもしれない。
そういえば、男のお坊さんは、このお寺では見かけなかった。
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ふたたびの奈良、長谷寺

2010-03-24 20:09:28 | 見仏(奈良)
鎌倉にある長谷寺の十一面観音よりも、同型でさらに大きい
12mある十一面観音がいるというので、楽しみにしていた。
その大きさは、木造では日本一と思われる。

多少駅から歩く距離があるようなので不安だったが、
不安が的中。駅から30分弱、それからお寺についたは
よいが、そこから登りの遠い遠い階段をあるき10分ほど、
合計40分くらいかかった。後に、当日後半、
足にはかなり負担になった。
長谷寺の敷地は谷の一角すべてというかなり広い敷地で、
境内の移動でも大変だ。

十一面観音が、特別拝観にあたる時期だった。
何が特別なのかよくわからず、堂内に入場した。
何やら、立ったまま入ることができない入り口の低い
部屋があった。大きな足元が見えた。十一面観音だ。

その部屋に入るとすぐ、12mの十一面観音を見上げた。
あっけにとられた。そして、部屋にいたお坊さんに、
足を触って願い事をしてくださいといわれた。
いわれるとおり、正座し、十一面観音の足を触って念じた。
そう、驚きは、この重文の観音様を直接触れるということ、
それから、足元でまじかに見れるということ。

でも、遠目から見れないのも寂しいなと思い、
同じく堂内にある十二神将のあじらのピースサインを
発見した後、後ろ髪を引かれながら、お堂の外に出た。

外に出てから気がついた。お堂の外から、上半身の
十一面観音を少し遠めで見ることができるのだ。
ただ、下半身が見えないので、いまいち、大きさは
実感できなかった。

他には、3頭身のアニメ体系の大黒天、曽我地蔵と
書かれた地蔵菩薩、坐像で270cm。などがいた。
それから、十一面観音の12mの大きさと同じ大きさの
十一面観音の仏画が公開されていた。




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ふたたび・・・の前に京都、東寺

2010-03-23 23:55:05 | 見仏(京都)
○東寺、講堂

おなじみ立体曼荼羅。
大日如来を中心に、右側が主に如来中心、左側が明王中心。
明王は5大明王として聞いたことがある名前がほとんどだが、
如来の中にはあまり聞かないような名前の仏も多い。

真中の、大日如来のお目目は、あいかわらず、
大きくてかわいい目をしていて、なんだかほほえましく
なってくる。いいなあ、この大日如来。
よく見ると、この大日如来は、羅髪(頭のぶつぶつ)がない。
そういえば、宝冠に隠されているが、大日如来には、
たいていは、羅髪でないことのほうが多い印象。

ふと、こちらの帝釈天は男前というのをテレビ等で
よく聞いたことがあったので、見てみると、
確かにかなりの男前であった。

この講堂でおぼうさんが、講堂、仏一般の説明をしていた。
そもそもは、何人かの法事・写経などを受ける人に対しての
説明だったのかもしれないが、どうせなら、ここにいる
みなさんに聞かせるという感じで、説明されていた。

説明内容は、ごく基本的な仏像、講堂についての初歩的な
内容なので、自分の知識の外にある内容ではなかった。

○東寺、金堂

かなりやさしいという印象の日光・月光菩薩。
やさしいというより、微笑んでいるというほうが
いいかもしれない。
日光より月光のほうが、顔の金色がさほど落ちてない
ためか、より微笑んでいるように見える。

薬師如来も含め、この金堂の3体は、すべて玉眼(ぎょくがん) 。


○東寺、五重塔

特別公開ということで、中の1階部分を見ることが
できた。壁画には、空海、不空、恵果等の僧侶の
壁画が描かれてあった。また、中には立体曼荼羅を
模した小さな仏像があった。大日如来は
建物の中心の柱という位置付けだった。

この五重塔では、何人かの女子大学生が交代で
解説をしているみたいだった。
顔の作り方、周りを見回しながらの、
とてもわかりやすい話し方は、
見習わなければならないと思うほど、
よい説明をしてもらった。


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