「見仏」と「札所巡り」と「仏教少々」

仏像鑑賞と札所巡りと受け売りの仏教を少し

東京国立博物館、阿修羅展

2009-05-10 21:23:08 | 見仏(特別展)
三つの顔に会いに行った。
阿修羅を近くで見るとなると、行列に加わらなければならず、
すごい人気だった。

他の八部衆と比較して、何がそう人気を生む要因なの
だろうかと自分なりに考えてみた。

他の八部衆にも同じように、人間の少年のような
顔立ちをしているものもあるが、違うのはまず表情。
3つの顔は、それぞれ、唇をかみしめたり、
少し落ち込んでいたり、正面は、まゆやまをつくり
やや苦悩ともみえる表情。より人間味がある。
普通仏像は、おだやかな表情の如来や菩薩だったり、
憤怒の表情の天だったりと大きく2つにわかれるが、
苦悩の表情をしている仏像はめずらしい。

次に、動きがあるということだろうか。
何?動き?といわれるかも知れないが、あの3組の
腕の組み合わせをみれば、動きと言っても
いいだろう。アニメーションで、手が動いている感じ。

時の光明皇后が、八部衆を作らせたという。
これはかってな想像だが、皇后が、自分の子供を
モデルに、仏像を彫らせたのではないだろうか。
少なくとも、自分の子供ではないにしても、
より人間的に作ってくれと注文したに違いない。
注文ないのに、阿修羅を作っているのに
人間の少年の顔になるわけない。

今回、室内のライティングにより、やや、
光が強いのか、色合いがやや薄く見えたし、
口ひげも見えなかった。

他には、鎌倉時代の作なのに、奈良時代の
作り方をしている眼玉でない四天王。
8mはあるかなあという巨大な菩薩2体
などが展示されてあった。




コメント
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