309話)タキギを背負う

 森林が失われた原因の1つに生活燃料の伐採があります。大同は石炭産地で、農村でも石炭を燃やすことが多いのですが、山間の村ではやはり山の木を燃料にします。日本でも、プロパンガスや石油がつかわれるようになるまでは、都市周辺の山はハゲ山だらけでした。  でも、この写真は問題ないんですよ。村の近くに、アブラマツが(油松)植えられました。1960年代のことです。20年もたてば、下枝が燃料として使えるように . . . 本文を読む
コメント ( 4 ) | Trackback ( 0 )

308話)菌根菌の働き

 キンコンキンって、わかりますか? 菌根をつくる菌、という意味なんだそうです。たいていの植物は菌根菌という土壌微生物と共生して生きています。  菌根菌研究の日本での草分けは、小川眞さんです。1997年4月、大同にお迎えして、マツの育苗を指導してもらいました。そのときは合計数百本のポット苗で実験したんですけど、4か月後の9月には菌根菌を接種して育苗したものは、そうでないものにくらべ、乾燥重量でほぼ . . . 本文を読む
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

307話)整地作業

 大同での植樹の適期は春、3月末から4月中旬にかけてです。植えるのはそのときですが、いちばんたいせつな作業は、いまごろからはじまっています。なにかといえば、整地作業。  一般的なやり方は水平溝方式で、等高線に沿って、3m間隔に、幅40cm、深さ30cmほどの溝を掘り(半分は埋めもどす)、その土で溝の下手に土手をつくります。その溝の底に、翌春、マツの苗を植えます。以前は小さな苗を1m間隔に植 . . . 本文を読む
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

306話)アンズの育苗

 環境林センターで育っているアンズの苗です。ただし、写真は昨年7月に撮影したもの。この苗はことしの春、出荷済みで、いまはもう農村の現場に植えられています。この苗に沿って、話をすすめます。  種を蒔いたのは2006年秋です。発芽するのは、2007年の5月。ザンネンなことに、私は毎年4月末に帰国しますので、発芽のようすをみたことがありません。アンズの生育はたいへん速いのです。2007年の秋まで . . . 本文を読む
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

305話)ムレスズメ属

大同のあたりで、緑化につかわれる樹木のうち、いちばんつよいのは、なんといっても檸条でしょうね。マメ科ムレスズメ属の灌木で、黄色い花をつけ、トゲがあります。黄土丘陵の特徴は、雨が少なく、土がやせていることですから、乾燥と痩せ地につよいものでないと、育ちません。 乾燥につよいということは、根が長いと言い換えてもいいかもしれません。それも2通りあります。1つは横に長く根をはるタイプで、これ . . . 本文を読む
コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )

304話)二度芽

マツの樹齢は数えやすいのです。主幹も、枝も、1年に一節(ふし)ずつ伸びるからです。節の数を数えれば、それが樹齢とほぼ同じです。ほぼ同じ、と含みをもたせたのは、第一に、土のなかに隠れている節があること。若木のばあいでも、2~3年はたしてみたほうがよさそう。 それからもう一つ、例外があります。大同でマツは、4月末から芽を伸ばしはじめて、6月いっぱいくらいで、樹高の伸びは終わります。ところ . . . 本文を読む
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

303話)大きなマツはどこから?

 大同の市街地とその周辺で、大改造がつづいています。道路が拡幅され、街路樹として、大きなトネリコやマツが植えられています。トネリコは東北地方からはるばる運ばれてきたそう。でも、マツはわりと近いところのようです。  事情のわかる人に案内してもらって、ある県の林場を見学に行きました。なるほど、なるほど。樹高5~6m、胸高直径15cmにも育ったモンゴリマツ(樟子松)が抜かれています。かなり大きな根鉢を . . . 本文を読む
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

302話)定年後の楽しみ

通りかかるたびに、いつも人の集団があります。私は「大同中でいちばん人口密度の高いところだ」といっています。それは、善化寺のまえの小さな公園。公園と呼ばれたら、自分で赤面するかもしれないほどの、小さなスペースです。  中国の伝統楽器を奏でる人たち。歌をうたったり、踊りをしている人たち。さまざまなグループが集まっていますが、中高年の人たちがほとんどで、若者の姿はありません。おそらくは定年退職後 . . . 本文を読む
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

301話)アマガエル

 ミツバチが減ったことが話題になっています。千葉の親戚は、カボチャに実がつかなくて、たいへんだといっています。交配するものがいなくなった。そういえばわが家でも、毎年巣をつくっていたアシナガバチがいなくなったのは、何年前からでしょう。  ハチだけではありません。ミノムシがいなくなりました。カタツムリもみません(ナメクジはたんさんいます)。ミズスマシがいません。ヘビもほんとに少なくなりました。そして . . . 本文を読む
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

300話)ササユリ

中国のユリのなかまを2つだしたので、ここらで日本の代表選手の登場。私の独断による選考ですが、同調してくださる人も多いでしょう。ササユリです。関西では6月下旬がシュン。先週末はしごとが集中していたんですけど、それを振り切って、ササユリをみにいくことにしました。 私たちの山歩きコースに、何か所か、ササユリをみてますけど、それでは当たり外れが大きすぎる。ことし最後のチャンスですから、安全第一で、六甲高 . . . 本文を読む
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
   次ページ »