304話)二度芽

マツの樹齢は数えやすいのです。主幹も、枝も、1年に一節(ふし)ずつ伸びるからです。節の数を数えれば、それが樹齢とほぼ同じです。ほぼ同じ、と含みをもたせたのは、第一に、土のなかに隠れている節があること。若木のばあいでも、2~3年はたしてみたほうがよさそう。

それからもう一つ、例外があります。大同でマツは、4月末から芽を伸ばしはじめて、6月いっぱいくらいで、樹高の伸びは終わります。ところが、ひどい旱魃にあたったりすると、いったん眠ったあとで、また芽をだしたりするんですね。それを日本では、二度芽といったり、土用芽といったりするようです。そうすると、この年は、短い節が2つできるわけですね。

2008年もひどい旱魃でした。どういうわけか、大同県の白登苗圃のあたりや、実験林場「カササギの森」のあたりが、とくにひどかったのです。そうすると、白登苗圃のモンゴリマツに、二度芽をだすものが、たくさんできてしまいました。

遅くなってから伸びましたから、その部分は木質化がまにあいません。そうすると、冬の寒さで傷むものがでてきます。、1本の主幹にならないといけないのに、こういうふうに複数の芽がでるものも、少なくありません。いいことはなにひとつないと、苗圃の管理者、馬占山さんがなげきます。
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