309話)タキギを背負う

 森林が失われた原因の1つに生活燃料の伐採があります。大同は石炭産地で、農村でも石炭を燃やすことが多いのですが、山間の村ではやはり山の木を燃料にします。日本でも、プロパンガスや石油がつかわれるようになるまでは、都市周辺の山はハゲ山だらけでした。

 でも、この写真は問題ないんですよ。村の近くに、アブラマツが(油松)植えられました。1960年代のことです。20年もたてば、下枝が燃料として使えるようになります。村の近くで燃料を確保できるようになれば、山のうえまで登る人はいなくなります。その結果、たとえば碣寺山の山頂付近では、ナラを中心とする落葉広葉樹の森林が自然に成立しました。マツを植えた結果、ナラの自然林ができたのです。

 それにしても、すごいですねえ!「重さがどれくらいありますか?」ときくと、「120斤」との答え。中国の1斤は500gですから、60kgです。さっきは「村の近く」と書きましたが、それでも2~3kmはありますよ。
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コメント
 
 
 
Unknown (中国山西大同陈尚士)
2009-07-11 09:08:44
碣寺山はどの県に位置していますか、地図にはどう探しても見つかりません。
 
 
 
Unknown (中国山西大同陈尚士)
2009-07-11 14:46:56
また 灵丘自然植物园、すなわち南天门植物园はどこですか。上寨鎮以東の山地にあるでしょうか。
高見先生の手にある地図は 私の持っているのと同じだと思います。
 
 
 
霊丘の南山区です。 (高見)
2009-07-11 15:41:14
碣寺山は霊丘県上寨鎮に属します。ちょっと前までは狼牙溝郷だったんですけど、上寨鎮に併合されました。いつかこの地方の山で、北京から山歩きにきた集団とであったことがあります。彼らはインターネットの地図をプリントアウトして、それを頼りに歩いていました。そのなかのひとりが、私との出会いをブログに書いていましたよ。
最初に碣寺山に登ったのは雁翅村から南へ登りました。2回目は狼牙溝村をへて、二嶺寺、龍須台村のほうから登りました。いまでた村のあいだに碣寺山はあります。
南天門植物園は上寨鎮南庄村の近くです。ただ南庄村は小さいので、多くの地図にはでておりません。劉庄村からほぼ南に3kmほどのところにあります。陳先生、もしGoogleEarthをごらんになるようなら、緯度経度をお知らせしますよ。
 
 
 
補足です (高見)
2009-07-11 16:44:08
だいじなことを書き落としていました。それは、60kgからのタキギを背負いながら、その足がほんとに速いことです。私らの足ではちょっと追いつけないくらい。しかも、上り坂になっても、速度があまり落ちません。これが同じ人間だろうかと思いましたよ。
 
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