303話)大きなマツはどこから?

 大同の市街地とその周辺で、大改造がつづいています。道路が拡幅され、街路樹として、大きなトネリコやマツが植えられています。トネリコは東北地方からはるばる運ばれてきたそう。でも、マツはわりと近いところのようです。

 事情のわかる人に案内してもらって、ある県の林場を見学に行きました。なるほど、なるほど。樹高5~6m、胸高直径15cmにも育ったモンゴリマツ(樟子松)が抜かれています。かなり大きな根鉢をつけ、ワラ縄で根巻きして運び出しました。大きな穴があき、埋めもどさないで放置されています。

 この大きさになると、かなり混み合ったところもありますから、そういうところのあいだを抜いてもらえば好都合なのでしょうけど、混み合ったところのものは樹形が悪いのでよくない、木姿が円錐形のものがよろこばれる、とのこと。そうすると、開けたところに、ポツンと生えているものが、最初のターゲットになるわけですね。

 市街地に移されると、大気汚染その他で弱るものがでてきます。ここまで育ったものを、枯らしたりすると、惜しいですね。私はずっとそう思っていたんですけど、私の尊敬する専門家からは、こういう意見がでました。

 そういうかたちで、都市から農村へ、工商業的な部門から林業の部門へと、お金が循環するのは悪いことではない、というのです。なるほどねえ、そういうふうに考えることもできるんですねえ。これくらいのマツは1本が1千元くらいで、掘り起こし代がべつに百元ほどかかるのだそうです。
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