308話)菌根菌の働き

 キンコンキンって、わかりますか? 菌根をつくる菌、という意味なんだそうです。たいていの植物は菌根菌という土壌微生物と共生して生きています。

 菌根菌研究の日本での草分けは、小川眞さんです。1997年4月、大同にお迎えして、マツの育苗を指導してもらいました。そのときは合計数百本のポット苗で実験したんですけど、4か月後の9月には菌根菌を接種して育苗したものは、そうでないものにくらべ、乾燥重量でほぼ2倍に育っていました。これはいける! そう考えて、翌春から2百万本の育苗体制をとりました。この腰の軽さがNGOの強みです。

 大同でつかっているのは、チチアワタケ、アミタケといったところが中心です。そう、マツと共生する菌根菌は、外生菌根菌と呼ばれるキノコのなかまです。

 昨年、BS朝日が2時間番組をつくるとき、この菌根菌のことをなかにいれることにしました。小川先生のやり方を、私がマネしたんですね。効果はたしかにあり、目で見ても、はっきりその差がわかりますでしょ。でも、2倍まではいきませんでした。なぜ、先生に及ばなかったか、だいたい見当はついてきました。失敗(とまではいえないでしょうけど)から学ぶことは大きいのです。
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