1992年9月、最初に一人で渾源県の農村にたどりついたときがちょうどトウモロコシの収穫期で、農家の作業を手伝ったりしました。
そのとき、「トウモロコシやコーリャンのように背の高い作物は、水と土の条件のいい、いちばんいい畑に作る」と聞きました。その意味がよくわからなかったんですね。
しばらくしてわかりました。私は以前、黄土高原のお皿の構造、などと呼んでいたのですが、高いところから農村のようすをみ . . . 本文を読む
この写真はコーリャン(高粱)です。タカキビとも呼ぶようですね。雨の降る年は名前のとおり、1.5mほどにも育ちますが、今年も旱魃で大きいものでも1mほどでした。「これじゃあディリャン(低粱)じゃないか」などと私は呼んでいました。
デンプン質の食糧として、かつては食べたこともあったようですね。戦前、戦中、中国の東北地方で生産されたものが日本に運ばれていた。でも、おいしくはなかったようです。
何年か . . . 本文を読む
こちらはキビ(黍子、黄米)です。前中久行代表が、「いま日本の大学では栽培学の先生でもキビを見たことのない人が多い」と話していました。
食べ方としては粉にしたものをお湯で練り、蒸したり、油で揚げたりして食べます。それを黄米糕(ホワンミーガオ)とか、単に糕と呼びます。一種のおもちですね。油であげたものには、豆のあんこのはいったものと、野菜のあんこのはいったものがあり、見分けられるよう形が変えてありま . . . 本文を読む
大同の農村で栽培されている代表的な穀物を紹介しましょう。まずはアワ(粟子、小米)です。農村の食べ物としても代表的なものです。いちばんポピュラーな食べ方はおかゆで、朝はとくにそうですね。アワ単独でおかゆにすることもあれば、ゆでたジャガイモとあわせることもあります。
よくこんな話を聞きました。「農村も豊かになったんだよ。以前はトウモロコシばかり食べていたのに、いまはアワになった」。そのころ大同の都市 . . . 本文を読む
きのう(4月10日)の天気予報は雨でした。そのうえ朝から東南の風が吹いていましたから、雨を期待したのです。降ることは降りました。しかし、ポツリポツリときただけ。
イオンリテールワーカーズユニオンとサントリー労働組合のツアーの日程の順番を変えました。采涼山プロジェクトとカササギの森を午後にみてもらうことにしていたのですが、午後には雨になりそうなので、先にこちらに行くことにしたのです。雨が降ったら、 . . . 本文を読む
中国の1人あたり水資源量は2220m3で(1997年)、世界153の国と地域のなかで121位でした。そして長江水系以南の南部がその80%以上を占め、それより北は20%未満であることを、前回みました。
このグラフは主要河川の流域別に1人あたり水資源量をみたものです。ものすごく大きな格差があることをわかっていただけると思います。半ばから上が北部、下が南部ですね。中国では平均というものに意味がないこと . . . 本文を読む
旱魃の年の1993年、天鎮県孫家店郷にある11の村のうち、1人あたり穀物生産高が200kgを超える村は4つで、293~528kgでした。4つとも地下水による灌漑が可能な村だったのです。5つの村はわずか39~79kgで、それらの村は灌漑がほとんどできませんでした。1人あたり200kgというのは、成人1人の最低限の生存のために必要なカロリー量に匹敵するんだそうです。それを得るには灌漑が欠かせないし、い . . . 本文を読む
黄土高原における植林の大きな目的は、水土流失を防ぐことです。大同の年間降水量は平均400㎜ほどですが、その大半が6月半ばからの3か月に集中し、ときに1時間70㎜もの豪雨になります。ごく狭い範囲に短時間、集中的に降り、しばしば雷をともないます。私も何度か体験しました。
黄土高原は植生が貧しいので、雨が直接大地をたたきます。そして土を流し去る。水もそこに留まることがありません。中国ではそれを水土流失 . . . 本文を読む
大同の山をみなれた私には、芦芽山の森林をみると目がくらむような気がしました。中心になっているのはトウヒ(雲杉)で、いまの時期でも濃い緑色をしています。とてもまっすぐで、材としても悪くないと桜井尚武さんが教えてくれました。多少は水に弱いけど、日本のスギによく似ているそうです。
それにカラマツ(華北落葉松)とシラカンバが混じっています。トウヒにくらべ、カラマツの初期の生育は速いのです。でも、ト . . . 本文を読む
呉城村の背後、つまり北側に深い浸食谷があります。大阪RR厚生会のメンバーの1人がカメラマンです。ここは最高のフォトスポット。誘ったのです。
その人は、「草が芽生えるまえの早春のほうが、ここの厳しさを表現できていい。その時期にまたきたい」といいました。そうともいえるでしょう。でも、そのころは、景色が単調になります。草があるほうが、立体感がでて、私はいいと思います。理想的には、雨のあとで、地面が濡れ . . . 本文を読む
大阪市RR厚生会のメンバーといっしょに渾源県呉城村にいきました。最初にアンズ園をみて、そのあと村にいき、王迎才書記のうちで、昼食をごちそうになりました。なじみの村で、知り合いがたくさんいます。地元の人はべつの部屋で食べていますが、入れ代わり立ち代わりで乾杯にきます。白酒です。昼から飲みすぎてしまいました。
酔い醒ましをかねて、村の背後の浸食谷をみにいこうとしました。村のなかを歩いているうちに、ま . . . 本文を読む
大同の農村に20年もかよってくると、めずらしいこともそうあるわけではありません。たいていのことが見慣れた光景。そうなると、写真もあまり撮らなくなります。いいことではけっしてありません。
8月23日の夜、大同に到着した大阪市RR厚生会のメンバーのなかに、カメラマンが混じっていたのです。いろいろ話をききました。短い滞在期間で、訪れる場所も多くないのですが、せっかくですからフォトスポットを案内しま . . . 本文を読む
これまで話してきたような内容をチャートにして、「環境破壊と貧困の悪循環」と名づけました。それが繰り返されるなかで、土壌侵食と砂漠化がすすむわけです。最初に緑化協力を思い立ったころは、「砂漠化? じゃあ、木を植えればいい」といった単純な考えだったんですけど、現地で見聞を重ねるうちに、少しずつ、考え方が変わってきたわけです。
砂漠化といっても、その形態は地方によってちがいますし、その原因もちがい . . . 本文を読む
力仕事のなかでも、もっともたいへんなのが水汲みだと思います。水不足の村にもいろんなタイプがあります。たとえば、広霊県の苑西庄村では、1997年当時、水のでる井戸は村のなかに4つでした。合計で1日にバケツ100杯くらいをくみ上げることができます。村人の数は150人。
あるじたちは、朝まだ暗いうちに、井戸にきて順番を待ちます。ツルベを落として汲むんですけど、あとになるほど水が濁ります。さらに遅れる . . . 本文を読む
この写真の背後にみえているのは万里の長城です。そして、そのむこうは内蒙古自治区。このような黄土丘陵では、貧しい農村ほど、農家1戸あたりの耕地は広くなります。土地がやせ、水条件が悪く、生産性が低いので、広くないと暮らせません。そういう村は小さくて、農家数が少ないので、広い耕地が可能なんですね。
低いところの盆地の村では、ウマ、ウシ、ラバ、ロバなどの大家畜を飼って、農耕につかうことも可能なんです . . . 本文を読む