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お彼岸
生前大変お世話になった方がいる。
その方のお墓参りを先日ようやく行うことができた。
その方は焼津市の職員で、大井川町役場時代に特にお世話になった。
私が地元小学校で耐震の授業を実施できたのは、この方の尽力によるものが大きい。
職務に対して真面目で誠実な方だった。
その性格ゆえにご苦労も多々あったのではないか、そう思えてならない。
定年退職後、しばらく後に亡くなられたと知り、私は驚きを禁じ得なかった。
正直にいえば、事実を受け入れることができなかった。
ただ、ようやく自分もきちんとお墓参りしなければという気持ちの整理がつき、お彼岸にお墓参りできたことは良かったと思う。
私の友人が牧之原で住職を務めているが、彼がよく言っていた。
亡くなったことを思い出すことや当時のことを話すということは、何よりの供養であると。
昔はそういうことについて、何も思わなかった。
でも子供を授かり、若いころにお世話になった方々との別れを体験し、人生も折り返しともなると友人が何を言わんとしているのかが分かりかけてきた。
今はコロナでなかなか人が集まれない状況ではあるが、お彼岸は毎年やってくる。
生前お世話になった方への感謝やその方から得たものを活かせているのかどうかを考えることは一人でもできる。
当時のことを思い出すことも決して悪いことではない。
亡くなった方のことを誰か一人でも覚えていれば、生きていることになりはしないだろうかと思うときもある。
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