6月14日の記事の参照用
6月12日(火)から17日(日)まで花の文化園イベントホールで
「富貴蘭とウチョウラン展」を開催する。
すでに会員あてにはその展示会の案内状を作成発送済みで、
私も富貴蘭17点を出展するため、化粧鉢に植え替えて準備を完了した。
富貴蘭の開花は早くて6月の下旬以降のため、花がなくても鑑賞できる
大株のものを主として選んだ。
なかでも今年の目玉は超大株の<麒麟丸>と本芸の<鶴の舞>だ。
置き枠A 1麒麟丸
置き枠B 2曙 3朝日殿 4雲海 5大波青海 6兜丸
7紀州雪虎 8金兜 9紫宸殿 (50音順)
置き枠C 10朱天王 11春及殿 12瑞雲 13青海 14鶴の舞
15富貴殿 16羅因の光 17連城丸 (50音順)
置き枠A <麒麟丸>1点。
置き枠B <曙>など8点。
置き枠C <朱天王>など8点。
<麒麟丸> ①(きりんまる)小型豆葉の標準とされる典型的な葉姿。
襟組み・葉重ねが良く、強健で子吹きも良いので、
株立ち作りに最適な品種。薄い泥軸で、薄い泥根。
<麒麟丸> ② 「赤富士」の六角化粧鉢。
<麒麟丸> ③ 鉢の裏側。
<麒麟丸> ④ 鉢の横。
<麒麟丸> ⑤ 鉢の真上から。
<曙> (あけぼの)独特の中斑のなかに細かい松葉が散り、
一風変わった雰囲気を持っている。
他の中斑品種と違い、中斑が葉先まで抜け、
葉の縁の両サイドに紺色を残す。
京都府伏見で発見された<東陽殿>からの変化種。
<朝日殿> (あさひでん)大阪府の産。
よく増え、作りやすいので、入門品種として最適である。
泥軸泥根だが、柄のところから出る根は
ルビー色に近い赤根を出す。
<雲海> (うんかい)宮崎県産。
小型で幅広の姫葉である。
<青海>と同系統のピンク変わり花を咲かせる。
<大波青海> (おおなみせいかい) まさにその銘どおりに
大型の湾曲葉が重なった姿は、大型の青海波を連想させる。
兵庫県の産。性質も強健で子吹きもよい。泥軸で青根。
並みの白花であるが、大輪多花性で天咲き。
<兜丸>(かぶとまる) 肉厚の豆葉で、作のよい株は葉重ねもよく、
青軸のためすっきりとして見映えがする。
比較的新しい品種で、昭和の半ばに京都四条の
かぶとり神社の境内で発見された。
富貴蘭界に初めての青軸・豆葉種としてデビューした当時は、
人気も高く、豆葉種ブームの先鞭をつけた。
人気絶頂期には、葉型のよく似た<麒麟丸>を日陰で作り、
青軸に見せかけたものなど偽物が流通した。
<紀州雪虎> (きしゅうせっこ)銘のとおり和歌山県産。
斑は白の虎斑で「雪山」によく似ているが、
本種は泥軸で澄んだ青根という変わり物で、
根の成長している時期なら品種鑑定は容易。
<金兜> (きんかぶと) やや直刀型の葉で、まとまりのよい中型品種。
三重県の産。肉厚の葉に、後冴えの黄縞が入る。
斑は出芽からはっきりしているが、萌黄色に出て極黄色に冴える。
秋にはとくに黄色が冴え、富貴蘭中一番と言われている。
<紫宸殿> (ししんでん) <駿河覆輪>(白覆輪)が黄覆輪に変化したもの。
愛知県で変化したものとの記録がある。
母種同様、幅広の広葉で、ややひねってような葉も交える。
新葉は緑色を含んだクリーム色に出て、すぐ先端より黄色に冴える。
日に当てると極黄色の斑になる場合が多い。
<朱天王> ① (しゅてんのう) やや大振りの並葉で立ち葉性である。
この花が出現するまで、フウランの花は純白が基本で、
99%以上が白花。 まれに薄く紅をさる程度であった。
濃い赤紫色の花で、花弁の中心部は白くなる。
<朱天王>② 真上から撮影。
<春及殿> (しゅんきゅうでん)軸元から立ち葉で伸び、
葉先で少し姫葉となる。
フウランで初めて出現した八重の段咲き花である。
花は大輪で、黄緑色のベースに白と紅を交える。
花弁の基部がとくに濃い紅となる。
豪華な花で、花持ちも並みのフウランよりは
はるかに長い。
昭和6年の高知県産で、昭和17年に横浜の
春及園園主鈴木吉五郎氏が発表した。
銘も同氏の屋号が冠されている。
<瑞雲> (ずいうん)中型でバランスのとれた葉姿となる。
昭和50年ごろ岸和田市のある神社の境内で発見された。
木が若いためか繁殖力はきわめて旺盛である。
葉芸の特色は<金牡丹>のように、出芽のとき
黄色の幽霊に出て後に暗み、古葉は緑色の無地葉となる。
デビュー時は<金牡丹>より高値で取引されたが、
繁殖よく、現在では実生も出回り、安価で入手できる。
花は蕾まで極黄色で、開くとクリーム色となる。
<青海>① (せいかい) これほど葉姿と銘がぴったり当てはまる 品種も少ない。
肉厚で丸みのある葉が軸元から半円を描くように湾曲する。
その葉が重なった姿は、まさに江戸文様の青海波そのものである。
産地不詳で、昔は「青海波」と呼ばれた。
花もピンク色の強い大輪の変わり花で人気が高い。
<青海> 青海波の文様をあしらった<青海>用の鉢。
<青海> ② 裏側から撮影。
<鶴の舞> ① (つるのまい)<十二単>の上芸品。
濃紺の葉は幅広く先で鋭く尖る。 葉重ねよく、
付けが重なる独特の襟組みをしている。
今までにない新しいタイプの青軸豆葉品種として
デビューし、豆葉人気の時代を引っ張ったスター。
平成6年度の登録品種であるが、登録前から人気
絶頂であった。熊本県産。 青軸青根。
<鶴の舞>② 鉢の右横から。
<鶴の舞>③ 鉢の左横から。
<鶴の舞>④ 鉢の裏側から。
<鶴の舞> ⑤ 鉢の真上から撮影。
<富貴殿> (ふうきでん) 葉幅広く、ゆったりとした姫葉で風格がある。
富貴蘭を代表する人気品種で、常に銘鑑の上位中央にその座を
保っている。万延年間に豊後国(大分県)で発見された。
天冴えの乳白色大覆輪で、緑地のうえに白く糊を引く。
新子は幽霊に出て、2年目に細く紺の中通しが現われ、
大覆輪として完成するまで5~6年を要する。
<羅因の光> ① (らいんのひかり) 中型の斑切れのよい黄縞品種。
葉の艶も良く、地の紺性もよいので、斑が際立つ。
やや後冴えである。泥軸で泥根。
<羅因の光> ② 鉢の裏側から撮影。
<連城丸> (れんじょうまる) 葉肉厚く、ボリューム満点の葉姿は、
その斑色(黄樺色)の渋さも手伝って重厚感を漂わせる。
神奈川県の鎌倉山で採取された。
芽だし時には萌黄色の覆輪で伸びて黄色に冴え、
秋口には黄樺色へと変化する。
その時の冴え方が一様ではなく、
一見すると虎覆輪のように見える。
また寒さにあたると、オレンジ覆輪のようにも見え、
他品種では味わえない独特の雰囲気が楽しめる。
泥軸で泥根。
番外
<金星> (きんぼし) 虎斑の名品<金鏤閣>のセルフ実生から
出た花変わり。花は距のない六弁花で、星車咲き。
虎斑で花変わりという二芸品。
6月12日(火)から17日(日)まで花の文化園イベントホールで
「富貴蘭とウチョウラン展」を開催する。
すでに会員あてにはその展示会の案内状を作成発送済みで、
私も富貴蘭17点を出展するため、化粧鉢に植え替えて準備を完了した。
富貴蘭の開花は早くて6月の下旬以降のため、花がなくても鑑賞できる
大株のものを主として選んだ。
なかでも今年の目玉は超大株の<麒麟丸>と本芸の<鶴の舞>だ。
置き枠A 1麒麟丸
置き枠B 2曙 3朝日殿 4雲海 5大波青海 6兜丸
7紀州雪虎 8金兜 9紫宸殿 (50音順)
置き枠C 10朱天王 11春及殿 12瑞雲 13青海 14鶴の舞
15富貴殿 16羅因の光 17連城丸 (50音順)
置き枠A <麒麟丸>1点。
置き枠B <曙>など8点。
置き枠C <朱天王>など8点。
<麒麟丸> ①(きりんまる)小型豆葉の標準とされる典型的な葉姿。
襟組み・葉重ねが良く、強健で子吹きも良いので、
株立ち作りに最適な品種。薄い泥軸で、薄い泥根。
<麒麟丸> ② 「赤富士」の六角化粧鉢。
<麒麟丸> ③ 鉢の裏側。
<麒麟丸> ④ 鉢の横。
<麒麟丸> ⑤ 鉢の真上から。
<曙> (あけぼの)独特の中斑のなかに細かい松葉が散り、
一風変わった雰囲気を持っている。
他の中斑品種と違い、中斑が葉先まで抜け、
葉の縁の両サイドに紺色を残す。
京都府伏見で発見された<東陽殿>からの変化種。
<朝日殿> (あさひでん)大阪府の産。
よく増え、作りやすいので、入門品種として最適である。
泥軸泥根だが、柄のところから出る根は
ルビー色に近い赤根を出す。
<雲海> (うんかい)宮崎県産。
小型で幅広の姫葉である。
<青海>と同系統のピンク変わり花を咲かせる。
<大波青海> (おおなみせいかい) まさにその銘どおりに
大型の湾曲葉が重なった姿は、大型の青海波を連想させる。
兵庫県の産。性質も強健で子吹きもよい。泥軸で青根。
並みの白花であるが、大輪多花性で天咲き。
<兜丸>(かぶとまる) 肉厚の豆葉で、作のよい株は葉重ねもよく、
青軸のためすっきりとして見映えがする。
比較的新しい品種で、昭和の半ばに京都四条の
かぶとり神社の境内で発見された。
富貴蘭界に初めての青軸・豆葉種としてデビューした当時は、
人気も高く、豆葉種ブームの先鞭をつけた。
人気絶頂期には、葉型のよく似た<麒麟丸>を日陰で作り、
青軸に見せかけたものなど偽物が流通した。
<紀州雪虎> (きしゅうせっこ)銘のとおり和歌山県産。
斑は白の虎斑で「雪山」によく似ているが、
本種は泥軸で澄んだ青根という変わり物で、
根の成長している時期なら品種鑑定は容易。
<金兜> (きんかぶと) やや直刀型の葉で、まとまりのよい中型品種。
三重県の産。肉厚の葉に、後冴えの黄縞が入る。
斑は出芽からはっきりしているが、萌黄色に出て極黄色に冴える。
秋にはとくに黄色が冴え、富貴蘭中一番と言われている。
<紫宸殿> (ししんでん) <駿河覆輪>(白覆輪)が黄覆輪に変化したもの。
愛知県で変化したものとの記録がある。
母種同様、幅広の広葉で、ややひねってような葉も交える。
新葉は緑色を含んだクリーム色に出て、すぐ先端より黄色に冴える。
日に当てると極黄色の斑になる場合が多い。
<朱天王> ① (しゅてんのう) やや大振りの並葉で立ち葉性である。
この花が出現するまで、フウランの花は純白が基本で、
99%以上が白花。 まれに薄く紅をさる程度であった。
濃い赤紫色の花で、花弁の中心部は白くなる。
<朱天王>② 真上から撮影。
<春及殿> (しゅんきゅうでん)軸元から立ち葉で伸び、
葉先で少し姫葉となる。
フウランで初めて出現した八重の段咲き花である。
花は大輪で、黄緑色のベースに白と紅を交える。
花弁の基部がとくに濃い紅となる。
豪華な花で、花持ちも並みのフウランよりは
はるかに長い。
昭和6年の高知県産で、昭和17年に横浜の
春及園園主鈴木吉五郎氏が発表した。
銘も同氏の屋号が冠されている。
<瑞雲> (ずいうん)中型でバランスのとれた葉姿となる。
昭和50年ごろ岸和田市のある神社の境内で発見された。
木が若いためか繁殖力はきわめて旺盛である。
葉芸の特色は<金牡丹>のように、出芽のとき
黄色の幽霊に出て後に暗み、古葉は緑色の無地葉となる。
デビュー時は<金牡丹>より高値で取引されたが、
繁殖よく、現在では実生も出回り、安価で入手できる。
花は蕾まで極黄色で、開くとクリーム色となる。
<青海>① (せいかい) これほど葉姿と銘がぴったり当てはまる 品種も少ない。
肉厚で丸みのある葉が軸元から半円を描くように湾曲する。
その葉が重なった姿は、まさに江戸文様の青海波そのものである。
産地不詳で、昔は「青海波」と呼ばれた。
花もピンク色の強い大輪の変わり花で人気が高い。
<青海> 青海波の文様をあしらった<青海>用の鉢。
<青海> ② 裏側から撮影。
<鶴の舞> ① (つるのまい)<十二単>の上芸品。
濃紺の葉は幅広く先で鋭く尖る。 葉重ねよく、
付けが重なる独特の襟組みをしている。
今までにない新しいタイプの青軸豆葉品種として
デビューし、豆葉人気の時代を引っ張ったスター。
平成6年度の登録品種であるが、登録前から人気
絶頂であった。熊本県産。 青軸青根。
<鶴の舞>② 鉢の右横から。
<鶴の舞>③ 鉢の左横から。
<鶴の舞>④ 鉢の裏側から。
<鶴の舞> ⑤ 鉢の真上から撮影。
<富貴殿> (ふうきでん) 葉幅広く、ゆったりとした姫葉で風格がある。
富貴蘭を代表する人気品種で、常に銘鑑の上位中央にその座を
保っている。万延年間に豊後国(大分県)で発見された。
天冴えの乳白色大覆輪で、緑地のうえに白く糊を引く。
新子は幽霊に出て、2年目に細く紺の中通しが現われ、
大覆輪として完成するまで5~6年を要する。
<羅因の光> ① (らいんのひかり) 中型の斑切れのよい黄縞品種。
葉の艶も良く、地の紺性もよいので、斑が際立つ。
やや後冴えである。泥軸で泥根。
<羅因の光> ② 鉢の裏側から撮影。
<連城丸> (れんじょうまる) 葉肉厚く、ボリューム満点の葉姿は、
その斑色(黄樺色)の渋さも手伝って重厚感を漂わせる。
神奈川県の鎌倉山で採取された。
芽だし時には萌黄色の覆輪で伸びて黄色に冴え、
秋口には黄樺色へと変化する。
その時の冴え方が一様ではなく、
一見すると虎覆輪のように見える。
また寒さにあたると、オレンジ覆輪のようにも見え、
他品種では味わえない独特の雰囲気が楽しめる。
泥軸で泥根。
番外
<金星> (きんぼし) 虎斑の名品<金鏤閣>のセルフ実生から
出た花変わり。花は距のない六弁花で、星車咲き。
虎斑で花変わりという二芸品。