狼魔人日記

沖縄在住の沖縄県民の視点で綴る政治、経済、歴史、文化、随想、提言、創作等。 何でも思いついた事を記録する。

朝日もあきれる北朝鮮の態度

2007-03-23 06:53:43 | 外交・安全保障

6者休会―北朝鮮の態度にあきれる

 北朝鮮の核問題をめぐる6者協議が、何の成果もないまま休会になった。米国が凍結解除に同意した2500万ドルが本当に返還されるまでは協議に応じない。北朝鮮がそう主張しつづけたためだ。

 北朝鮮以外の5カ国代表は待ち続け、当初の予定を延長までした。文字通りの待ちぼうけである。おまけに北朝鮮代表は、最終日の会合さえも出ずに本国へ引き揚げてしまった。

 北朝鮮との交渉では怒ったり、あきれたりするのは珍しいことではない。それにしても身勝手が過ぎている。

 マカオ当局も銀行側も、米朝合意を受けて口座のカネを北朝鮮側に移す作業に着手した。ただ、手続きの面で手間取ったようだ。それだけの話ではないのか。返還の約束を反故(ほご)にしたわけではないし、時間がたてば決着することだ。

 「常識が常識として通用しない」。日本代表はそう嘆いたが、同感である。

 なぜ北朝鮮側がそこまでこだわったのか。それだけ米国などへの猜疑心(さいぎしん)が根深いということなのだろうか。

 米ドル札の偽造や麻薬密輸に北朝鮮側は手を染めている。そうした犯罪で得た資金を洗浄することにマカオの銀行は使われた。米政府はそう認定した

 なのに、北朝鮮の要求通り関連口座の全額を戻すことにしたのは、これをてこに核問題を進展させたいという政治的な判断からだったろう。

 これには、原則を曲げた譲歩だという批判が米内外にある。そういうなかで北朝鮮がいたずらに時間稼ぎのような行動を続ければ、朝鮮半島の平和共存をめざす6者協議の、せっかくの流れがせき止められてしまいかねない。

 そうなれば北朝鮮も、核放棄の見返りとして約束されているエネルギー支援や日米との国交正常化、経済協力などを手にすることがおぼつかなくなる。

 大局を見据えて冷静に動くべき時期なのだ。相互信頼の実績を積み重ねられるかどうかにかかっている。そのことを北朝鮮は見間違ってはならない。

 2月の6者合意によると、北朝鮮は60日以内に寧辺の核施設の運転を止めて封印し、国際原子力機関の要員の復帰も認めることになっている。施設の「無能力化」などに進めば、段階的にエネルギーや人道支援が強化される。

 その合意からすでに40日近い。だから1日も無駄にできないはずだ。

 合意に基づく五つの作業部会は開かれたが、まだまだ中身が乏しい。そこを調整し合い、合意の実行に勢いをつける役割を負ったのが、今回の6者協議のはずだった。

 北朝鮮はよく「行動対行動」と言う。取るべき行動を同時に取り合って、物事を進めるという原則のことだ。

 マカオの口座からカネが届けば、そう時間を置かずに6者協議は再開されることになろう。その時は、北朝鮮が行動を厳しく問われる番になる。 (朝日新聞 社説 2007年3月23日)

                   ◇

朝日の社説と言わなければ気がつかないほど、北の態度にあきれかえっている様子が可笑しい。

北朝鮮が“ごね得”を外交カードに使うのは朝日も予想はしていた筈だ。

「朝日(ちょうにち)新聞」と揶揄されるあの朝日が呆れかえるくらいだから北朝鮮の態度を常人が理解するのは困難だろう。

そもそも「六カ国協議」は当初からアメリカの態度が二転三転でよくわかり難くかった。

当初アメリカは北朝鮮との二国協議には一切応じないと、強硬な態度で臨んだ。

だが強硬姿勢は次々と崩れ去り二国協議に応ずるどころか、今回の6か国協議入りの直前、そのがアメリカが、北朝鮮と合意したと発表した。

アメリカは、問題のBDAが北朝鮮の資金洗浄を黙認したとして、BDAと米金融機関との取引禁止を正式に決定した。

だが、「金融制裁解除」を要求して6か国協議を停滞させていた北朝鮮に大幅に譲歩し、資金の全額返還に応じた。

この辺のアメリカの態度ががよく分からない。

悪事の手段に使ったBDAには罰を下し(米金融機関との取引禁止)、悪の下手人・北朝鮮はお構いなしで凍結資金の全額返還と言う大岡裁決ならぬブッシュ裁決だ。

ブッシュ裁決によると、

北朝鮮が犯した悪事の数々は、

米ドル札の偽造や麻薬密輸」

「そうした犯罪で得た資金を洗浄することにマカオの銀行は使われた」

と言うことだった。

ブッシュが柔軟姿勢に転じたのは、交渉の促進を図るために有効、という政治的な判断からだろう。

だが、北朝鮮相手に、誠意ある対応を期待して、要求を安易に受け入れるやり方はクリントンの愚かな轍を踏むことではなかったのか。

日本のメディアは「盟友アメリカ」に裏切られたとか「日本が孤立化する」とか表層を捉えた見方が大勢だ。

折角強気だったアメリカがBDAの凍結資金の解除をしたのに、将軍様に金は届いていないと言う。

銀行の事務手続き上の問題だとも言われているが、もっと深い裏がありそうだ。

朝鮮日報が詳しく報じている。

それにしても朝日はこの期に及んでも「六カ国協議」ではなく「6者協議」なのは何故?

                   ◇
 
北朝鮮の凍結資金、名義人分からず送金困難 
 
 当初21日に終了する予定だった6カ国協議が延長された。各国代表団は協議が始まった19日にバンコ・デルタ・アジア(BDA)の北朝鮮凍結資金2500万ドル(約29億4000万円)が直ちに北朝鮮に渡るものと考えていた。BDAの捜査を担当した米国財務省のグレーザー副次官補が「中国銀行の朝鮮貿易口座に移される」と発表した時には、資金の引き渡しは単なる手続きに過ぎないと認識されていた。

 ところがこの問題で会議が4日間も進展しないままだ。北朝鮮は相変わらず資金を手にするまでは会談に応じられないという姿勢だ。千英宇(チョン・ヨンウ)外交部韓半島(朝鮮半島)平和交渉本部長は、「送金しようとしても技術的問題でできない。あきれたことが起こっている」と述べた。「あきれたこと」とは何か。

 金融取引は資金の受け渡しを行う双方の身分が明確である必要があり、またお互いに取引を行う意思も必要でこれは常識だ。ところが中国銀行が資金の受け入れに難色を示しているという。「違法」とされた資金の受け入れにより不利益を被る可能性があるからだ。中国銀行は香港と上海の株式市場に上場している。先進国よりも金融システムが遅れているとされる中国金融関係者としては、これを「透明性確保」の機会にしたいという思惑があり、またBDA問題の解決に強硬な立場を示した米国財務省の顔色をうかがっているとの見方もある。財務省は国際金融市場に強大な影響力を持っているからだ。

 しかしより根本的問題は北朝鮮にあるという。北朝鮮は口座名義人の身分をBDAに明かしていなため、BDAは送金したくてもできない状況だ。50以上のBDA北朝鮮口座のほとんどが既に死亡した朝光貿易総支配人のパク・ジャビョン名義となっており、現在の所有者は不明のままだ。パク総支配人は自らの身分を明かさないまま死亡したとの見方も出ている。(記事入力 : 2007/03/22 08:26 )

北京=李明振(イ・ミョンジン)特派員

朝鮮日報/朝鮮日報JNS
 

 

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