狼魔人日記

沖縄在住の沖縄県民の視点で綴る政治、経済、歴史、文化、随想、提言、創作等。 何でも思いついた事を記録する。

最後の望み、アベノミクスはMMTの実験

2019-06-09 07:11:31 | 経済

狼魔人日記

 

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麻生財務大臣が早々と「日本破壊」の消費増税を宣言した。

確かに麻生氏は財務省の担当大臣。

しかしアベノミクスの責任者であり、日本経済の浮沈の総責任者は安倍首相だ。

消費増税決行という重要政策の実行宣言を麻生氏に委ねてよいものか。

ひよっとして、これは麻生氏のフライングか。

最後の望みは安倍首相自らの言葉で「アベノミクスを途中で失敗させるわけにはいかない」と宣言し、アベノミクスの三本目の矢である経済成長のため「消費税減税宣言」をしてほしい。

さもなくば、デフレ下の現況で、あえて消費増税をする理由の説明責任を問われる。

 

アベノミクスはMMTの実験だった

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いよいよ日本の国会でもMMT(Modern Monetary Theory)が出てきた。自民党の西田昌司氏は「安倍政権はすでにMMTをやっている」という。

この指摘は正しい。MMTのケルトンも、最近のインタビューでこう答えている。

日本の経済には十分な余裕があり、これまでもありました。政府債務は過去の財政赤字の単なる歴史的記録です。これによってわかるのは、これまでの赤字財政で日本経済の過熱を招くことはなかったということです。だからこの水準[GDP比240%]の債務を吸収することができたのです。

この点でアベノミクスは、MMTの壮大な実験だった。安倍首相も「2012年に私が総裁選挙で大胆な金融緩和について主張したときに、それをやったら国債は暴落し、円も暴落すると言われた。実際は国債の金利は下がり、円が暴落したわけではない」と西田氏の指摘をなかば認めている。

首相は「債務残高がいくら増えても問題ない」という理論を否定しているが、MMTはそんなことを主張していない。ケルトンはこう答えている。

問題は政府が財政支出できるかどうかではありません。いつでもできます。問題はそれがインフレを起こすかどうかです。経済が財政支出を吸収する人々と機械、工場あるいはコンクリートと鋼鉄を持っていないならば、それは起こりえます。インフレを起こすのは財源の制約ではなく、実体経済の制約なのです。

MMTもインフレが起こる可能性は認めているが、需要不足があるかぎり財政赤字でもインフレにはならないというのだ。これもアベノミクスに似ているが、その6年間の実験の成績はどうだったか。

  • マネタリーベースを増やしてもインフレにはならなかった
  • 金利が上がって財政が破綻することもなかった
  • 日銀が財政ファイナンスをしても国債は暴落しなかった

今までのところMMTは正しかったようにみえるが、それは金利も物価も上がらなかったからだ。この状況では国債と通貨が同じ(したがって正しい金利はゼロ)と考えるMMTは単純でわかりやすいが、金利はなぜ上がらないのか。

MMTには金利の決定理論がないので、低金利の原因はわからない。国債を中央銀行が財政ファイナンスすれぱ、政府債務はすべて通貨に置き換えられるというが、すべての国債を日銀が買う前に金利が上がるだろう。これによってインフレになると円安になり、名目金利が上昇するインフレスパイラルが起こる。

MMTは「インフレになったら財政赤字を止めればいい」というが、日銀には財政支出を止める権限はない。MMTには、政府が失業者を雇用する「雇用保障」という制度で雇用を調節するという空想的な話しかない。

しかし政府の目的は経済の安定であって財政赤字を減らすことではない、というMMTの指摘は正しい。主流派のブランシャールも「政府債務に最適水準はない」という。財政の安定する必要十分条件は政府に対する信頼なので、債務が小さくても独裁国家ではハイパーインフレが起こる。

逆に日本のように政府への信頼が保たれていれば、債務が大きくても財政は維持できる。これがアベノミクスの実験で(よくも悪くも)何も起こらなかった原因だが、今後も何も起こらないとは限らない。その危機管理は中央銀行にはできないので、財政を機動的にコントロールする制度が必要である。

 

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本日の沖縄タイムス投稿欄 (カウンター58)
2019-06-09 10:55:05

オピニオン面に一般投稿9本(児童生徒の「ぼくも私も」など除く)。

「浦添市も飛行 不安な中生活」の浦添市・平良博さん(66)は、1月11日、2月6日、3月24日、4月20日、5月3日に続き今年6回目の掲載。
「人間性を否定 優生思想の愚」の那覇市・大城良司さん(52)は、1月7、28日、2月28日、3月20日、5月8日に続き今年6回目の掲載。
「恩人との再会 心ほのぼのと」の那覇市・松原須奈子さん(71)は、1月23日、2月27日、3月21日、4月19日、5月8日に続き今年6回目の掲載。
「共感を広げる 生き方したい」の宜野座村・池辺賢児さん(40)は、1月3、26日、2月16、27日、3月13日、4月16日、5月10日に続き今年8回目の掲載。
「楽しみだった 母方の清明祭」の宜野湾市・宮平享祐さん(83)は、2月6日、4月15日、5月8日に続き今年4回目の掲載。
「『助けて』言う 勇気を持って」の那覇市・東風平宏美さん(43)は、1月18日、2月5、24日、3月19日、4月8日、5月10日に続き今年7回目の掲載。
「沖縄の『自立』 方向性に注目」の京都市・敦賀昭夫さん(66)は、1月17、27日、2月16、21日、3月10日、4月12日に続き今年7回目の掲載。
「沖縄戦 多大な住民被害」の西原町・渡久山勇さん(81)は、4月9日、5月18日に続き今年3回目の掲載。
「啐啄同時」の那覇市・喜舎場順さん(85)は、1月18日、2月20日、3月13日、4月22日、5月12日に続き今年6回目の掲載。

カギカッコは投稿欄における見出し。


「投稿マニア」を否定はしないが、新聞はブログじゃないんだから、常連の投稿を並べただけでは、編集担当者は仕事をしたことにならない。
  

 
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Unknown (「いろんな問題あるけど、日本はいい国です」 列島3500キロを歩いた81歳カメラマンの旅 2019/06/09 沖縄タイムス)
2019-06-09 12:01:23
https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/430497

 約11カ月かけ、日本列島約3500キロを踏破した石川文洋さん(81)。沖縄では、基地建設が進む名護市辺野古や米軍のヘリパッドがある東村高江を訪れた。ベトナム戦争の最前線を取材した経験から「戦争を防ぐのは、政治家を選んだ民間人だ」と語り、「辺野古や高江で訓練する軍隊や軍用機が侵略を防ぐ。沖縄が2度と被害者になってはいけない」と訴えた。

 「呑んきな性格」だからか、旅のつらい思い出はなく、楽しいことばかりだったという石川さん。毎夜、生ビールを飲んで寝るのが「元気の友」だった。

 東日本大震災の被災地や山口県の岩国基地など、各地のさまざまな風景を写真に収めた。「写真家は何かが心に触れる時、写真を撮る。それが1日に約100回以上あったのはうれしかった」と顔をほころばせた。

 心筋梗塞による一部心筋壊死(えし)で身体障害者手帳を受けた。旅を通して「そんな自分でも歩き通せる。誰にでもできる」とのメッセージを伝えたかったと語る。

 母方の祖父の名前が刻まれている平和の礎(糸満市摩文仁)も訪ねた。「礎に刻まれた人々は、残された人生を戦争で奪われた。非常に残念に思う」。ベトナムの戦場では、沖縄の基地から飛び立った爆撃機が大量の爆弾を投下し、多くの人々が犠牲になった。今でも「ベトナムに基地があるのは、沖縄人として非常につらい」と心を痛めている。
「基地のないベトナムを」と書かれたTシャツを着て休む間もなく一路ベトナムへと向かう。

自身の経験から辺野古や高江の基地に反対しているが、
「いろんな意見があるけど、沖縄はいい県です」。そう思えるのは「侵略者に対する防衛ができるから」であり、戦争を防ぐ為の平和の尊さを重ねて強調した。そして、戦争を煽りまくり、未だ反省のない朝日新聞を踏みつけた。
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