狼魔人日記

沖縄在住の沖縄県民の視点で綴る政治、経済、歴史、文化、随想、提言、創作等。 何でも思いついた事を記録する。

法律の賞味期限

2007-05-26 06:47:32 | 県知事選

5月26日付 編集手帳
 母の再婚相手である船乗りを、息子と仲間の少年たちが殺害する計画を立てる。彼らは13歳…三島由紀夫の長編「午後の曳航(えいこう)」である◆リーダーの少年が六法全書を手に、仲間に弁舌をふるう場面があった。「いいかい。読むからよく聴くんだぜ。刑法第四十一条、十四歳ニ満タザル者ノ行為ハ之(これ)ヲ罰セズ。大きな声でもう一度読むよ…」そんな凶行を企てる子供がいるかな。数十年前に初めて読んだとき、小説家の空想力に驚いた。中学生や小学生が加害者となる現実の事件に幾つも接したいま、読み返してみると妙に現実味があって怖い◆14歳未満の少年の罪を問わない刑法の規定はともかくとしても、警察が少年本人や保護者を呼び出して質問することさえできず、証拠品の押収もできない現行少年法は誰の目にも不可解と映るだろう◆真相の解明ができなければ満足な再発防止策は立てられず、問題を起こした少年自身のためにもならない。その不備を改めた改正少年法がきのう、国会で成立した。遅ればせながら当然の対応だろう◆子供は純真無垢(むく)で罪がない、という世の常識を小説の少年は、「大人が作った危険な童話だ」と評した。そうだとしても社会は童話を語りつづけるし、また、語りつづけねばならない。危険に目を向け、少しでも「安全な童話」に近づけながら。

(2007年5月26日1時39分  読売新聞)

 

                     ◇

昨日(5月24日)の「よみうり寸評」よりの抜書き。

 

「人間の行為は常に法より先にある。」

「おかしな行為があるから取り締まる法が作られる」

〈法は善人のために作られたるものに非(あら)ず〉はソクラテスの言葉

〈法は悪人のために作られたるものなり〉はイタリアのことわざ

〈正直者に法なし〉はドイツのことわざ

〈理に非ざるものは法に非ず〉というのもある

                    
 


 

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1 コメント

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Unknown (sowjun)
2007-05-26 13:40:40
ことわざが勉強になった^^;
さすがソクラテス。私はソクラテスと色々話してみたかったんですよ。もういないけどね。
私も大学在学中にこの少年法のことでキレてました。
実際問題、団塊世代の連中の少年犯罪の方が多いんですよ。パーセンテージで見ても。でも今は当時よりも報道機関が多くて活発ですから。今の方が多いと思ってる団塊連中が昔はこんなことは・・・とか言って、現行の少年法が間違っているのではなく、教育が・・とかゲームのせいで・・とか言っている。
なんか・・・いらいらする。
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