狼魔人日記

沖縄在住の沖縄県民の視点で綴る政治、経済、歴史、文化、随想、提言、創作等。 何でも思いついた事を記録する。

小指の痛みは普天間の痛み 角を矯めて牛を殺す気か!

2009-12-05 06:38:59 | 普天間移設

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普天間 移設手続きを凍結へ
http://www3.nhk.or.jp/news/k10014218921000.html
NHKニュース 12月05日
04時58分

沖縄のアメリカ軍普天間基地の移設問題で、防衛省は、年内の決着が難しくなったことを受けて、名護市のキャンプシュワブ沿岸に移設する今の計画を実施するために必要な手続きを、いったん凍結する方針を固めました。仮に今の計画を進めるとしても、日米が合意した平成26年の期限までに移設を完了するのは厳しいという見方が政府内には出ています。(略)

日米両政府は、5年後の平成26年までに移設を完了することで合意していますが、手続きの凍結によって、仮に今の計画を進めるとしても、期限までに移設を完了するのは厳しいという見方が政府内には出ています。・・もっと詳しく・・

 

                     ◇

米、普天間継続使用も…老朽化で予算措置の考え写真あり 

 日米両政府は4日、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設問題を巡る閣僚級作業部会の第2回会合を外務省で行った。

 日本側は連立与党の社民党が米軍キャンプ・シュワブ沿岸部(同県名護市辺野古)に移設する現行案に強く反対している政治状況を理由に、結論を来年に持ち越すことに理解を求めた。米側は「現行案が唯一実現可能な案だ」と、早期決着を迫った。

 これに関連し、作業部会の米側メンバーは民主党関係者に非公式に接触し、鳩山政権が現行案以外の移設先を模索する場合は、普天間飛行場施設の老朽化に対応するため、予算措置を行いたいとの考えを伝えた。問題解決が長期化した場合、普天間飛行場の「固定化」につながりかねず、米側のいらだちを反映した動きとも受け止められている。

 作業部会には、岡田外相と北沢防衛相、ルース駐日大使、ライス在日米軍司令官、シファー国防次官補代理、メア国務省日本部長らが出席した。

 外相は普天間問題を巡る社民党の主張など国内の政治状況を説明、「米側の協力を得て解決したい。沖縄の負担をできるだけ軽減していくことも必要だ」と述べた。事務レベルで米側に打診している訓練移転の前倒しなどに応じるよう求めたとみられる。防衛相も「年内に確定的な結論を下すのは容易でない」と伝え、新しい移設先の検討についても「首相は従来からあらゆる選択肢を検討すべきだと指示している」と理解を求めた。

 米側は「このままだと状況はさらに困難になる」と懸念を表明。在日米軍再編計画は在沖縄海兵隊のグアム移転なども一体だと強調し、「米議会の関心も極めて高く、普天間移設が進まなければ議会との関係でもグアム移転を含む計画全体に悪影響を及ぼしかねない」と警告した。

 作業部会終了後、外相と防衛相は首相に協議内容を報告。首相は同日夜、首相官邸で記者団に「米側は日米同盟を当然大事にしてくれると期待している」としながらも、「日程的なものをずらすことに対し、強い懸念が表明された」と説明した。

 作業部会に先立ち、ルース大使は4日、都内で講演し、在日米軍再編計画について「おそらく、いろいろな調整があるだろう」と述べた。現行案通りに決着する場合には、日本側が求める負担軽減策に応じる用意があることを示唆したと受け止められている。

(2009年12月5日03時58分  読売新聞)

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■角を矯めて牛を殺す鳩山首相

10数年の歳月をかけて日米で合意に達した普天間基地の辺野古移設案は、対案も無いままに年を越そうとしている。

この問題に関する米側の事実上の最高責任者と目されるゲーツ国防長官は、10月に来日した時、設先を沖縄県名護市のキャンプ・シュワブ沿岸部とした現行計画を「唯一実現可能なもの」と明言し、もしそれが不可能なら普天間基地の固定化に繋がると日本側を恫喝していた。

その後も米側は首尾一貫してゲーツ発言の通り日本側に接しており、態度がブレまくっているの日本側だけである。

これは前政権 の決めた案を安易に受け入れないという鳩山首相の優柔不断なパーフォーマンス発言の責任である。

今頃になって「新しい移設先を探せ」と関係大臣に指示したとのことだが、裕福な家庭に育った首相は、アパート探しくらいの安易な気持ちで新しい移設先を探せというのだろうか。 いや、アパート暮らしの経験の無い総理なら、こんないい加減な態度ではアパートさえ探せない現実を知らないのだろう。

県外移設となると相手先のあることであり、結局決まるまでの間は普天間住民に危険を強いたまま放置するということになる。 

つまり当初に辺野古案で決着しても移設完了までは5年を要するというのに、対案もないままこれを先送りするということは、少なくとも5年以上は普天間住民に基地を押し付け続けるということになる。

いや問題がこじれたら更に10年かかるかも知れない。

角を矯めて牛を殺すの例え通り、結局鳩山首相は「県外」にこだわる余り、普天間住民の痛みを先延ばしすることになった。

■小指の痛み

既に気が付いている人も多いと思うが、鳩山首相の発言には「~の思い」という情緒的言葉を多用するが癖がある。 

使用例としては「沖縄県民の【思い】は重く受け止めている」とか。

この場合の「思い」は民意と翻訳されるのだろうが、しばしばこの言葉の後に続く「重い」という言葉と発音が同じだということと、派生語の「思い込み」や「思い入れ」という言葉との連想で、無意識に意味深い印象を聞く人に与える。

だが、これは単なる癖であり、「思い」には特に重い意味があるわけではないことは、次々とブレまくる発言を聞けば良く分かる。

筆者がまだ20代の頃、こんな歌が流行った。

♪ あなたが噛んだ 小指が痛い
  きのうの夜の 小指が痛い ♪

伊東ゆかりが歌う「小指の思い出」の冒頭だが、小指に「思い」があるかどうかはともかく、この場合の小指の痛みは、ある意味甘美な痛みであることは無粋な筆者でも理解できる。

だが、たとえ小さな小指の痛みであっても心臓の痛みに匹敵する痛みがあることも同時に理解できる。

鳩山首相に負けず劣らず情緒的文言を多用して、読者をミスリードしてきた沖縄紙であるが、昨日の沖縄タイムスは「小指の痛み」という極めて印象的文言で読者を印象操作しようと試みている。

小指の痛みを普天間移設に関する「沖縄の痛み」に例えた下記のコラムは一応の成功を収めたといえるのだが・・・。

2009年12月03日 沖縄タイムスコラム 

[大弦小弦]

 「小指の痛みは全身の痛み」。参議院議員だった故喜屋武真栄さんが国会で政府を追及する時に使った有名なセリフである▼「小指」は沖縄を、「全身」とは沖縄以外の本土を指す。過重な米軍基地を沖縄に背負わせながら、基地から派生する事件事故など、沖縄の「痛み」に鈍感な本土に向けた告発的な響きもあった ▼「関西で、沖縄の負担軽減につながる政策が出せるなら、政治家としてやりたい」との橋下徹大阪府知事の発言を聞き、喜屋武さんのセリフを思い出した。「小指」の痛みを分かち合おうと本土側の知事が明言したのは初めてのことだ▼ただ、実現性が乏しいと見てなのか、大手メディアの「橋下発言」の扱いは冷ややかだ。とはいえ、ほかに受け入れ先がないからと、沖縄に基地を押し込めてきたこれまでの政府の言い訳は通用しなくなるだろう▼米軍普天間飛行場の移設問題で、鳩山政権は県外移設を模索するも、外務、防衛の両大臣は早々に白旗を揚げ、県内決着に傾斜している感が強い。一方の鳩山由紀夫首相も沖縄の負担軽減を強調するも腰が定まらない▼米国との同盟関係だけを優先し、「小指」だけにさらに痛みを強いれば、日米安保という「全身」にもいずれ、歪(ゆが)みが来るはずだ。鳩山首相は、痛みを共有しようという声に耳を傾ける時である。(稲嶺幸弘)

                                              ◇

同じ日の沖縄タイムスは、沖縄の痛みを「小指の痛み」に例えたことをコロッと忘れたのか、県外移設が普天間住民に更なる痛みを強いることを伏せて、移設先の対案も無い「県外案」が越年すると嬉しそうに報道している。

沖縄と一言で言っても基地公害の無い地域もあれば、普天間のように世界一危険な基地に隣接する地域もある。 

沖縄を全身に例えれば、さだめし普天間住民の痛みは小指の痛みに相当するのではないのか。

沖縄タイムス 2009年12月04日 政治 

普天間 結論は越年/首相、新案検討も指示 社民との連立を優先 政府は3日、米軍普天間飛行場移設問題の年内決着を断念する方針を固めた。鳩山由紀夫首相がキャンプ・シュワブ沿岸部へ移設する日米合意に反対する社民党との連立政権維持を優先。岡田克也外相と北沢俊美防衛相に対し「丁寧に時間をかけて米国と交渉するように」と指示した。同沿岸部以外の新たな移設先がないか、検討の加速も求めた。(略)

                      ◇

鳩山首相が公約してきた「少なくとも県外」や「辺野古以外の沖縄県内」を実行するとなれば、米国側との再協議が必要となり、決着に時間がかかることは明らかである。

だとしたら今回の越年の決断は結局、当てもないままの問題先送りに過ぎず、その間は「普天間基地」そのままにそえおくことになる。

このような先送りは問題解決をますます難しくする。

越年ということは、来年1月24日に実施される名護市長選の結果を見るつもりだろうが、県外移設主張の候補が勝利すれば、移設問題は13年前に逆戻りし白紙になる可能性が高い。

問題は、鳩山首相の指導力の欠如である。

首相は、沖縄県民の「思い」を連発し、「最後は私が決める」と強調するが、具体的な方向を示すのを避け続けてきた。

普天間移設問題の現在の混迷の責任は鳩山首相にある。

 

ここで再度「小指の痛み」に話題は戻る。

世界一危険とされる「普天間基地」とフェンス1枚隔てる普天間第二小学校は、米軍機の騒音に悩まされ、毎年春には、米軍機の校内墜落を想定した全校児童の避難訓練を強いられている。

住宅密集地にある同基地の移設は、こうした異常な事態を解消し、周辺住民の安全を確保するために日米合意に至ったはずだ。

ところが一旦移設先が辺野古と決まるや、左翼プロ市民による反対運動がおき、それをマスコミが後押しし県外移設の「民意」を作り上げた。

沖縄タイムスのコラムがいう「小指の痛み」を、「小指」は普天間住民に、「全身」は沖縄全体の指すと言い換えれば、世界一危険といわれる普天間基地を普天間住民にに背負わせながら、普天間住民の「痛み」に鈍感な「県外移設派」の辺野古反対運動に対する告発も忘れるべきではない。

普天間住民の「小指の痛み」は完全に忘れ去られ、その一方で「ジュゴンの痛み」のみがマスコミでで強調される。

 

鳩山首相のリーダーシップの放棄は、普天間飛行場の固定化、すなわち普天間住民の「小指の痛み」を増幅させることに他ならない。

結局沖縄タイムスは、県外移設を訴えているが、それが結果的に13年前の時点に逆戻りし、新たな移設先を今から模索することになる。

まさに暗中模索の様相だ。 

そのため被害を被る普天間住民のことは一顧だにしない。

県外移設が「小指の痛み」を普天間住民に強いる結果になることに沖縄タイムスが目を閉ざすことはダブルスタンダードではないのか。

その一方で誰も見たことのない辺野古沖の数匹のジュゴンの痛みは、多くの普天間住民の痛みに勝るというのだから呆れ果てる。

ジュゴンを喰ってしまえば問題は解決すると言った人がいたが、イルカを喰うくらいだからジュゴンだって喰う人がいても可笑しくはあるまいに。

                     ◇

『教育再生の動きを止めるな!!』

        教育講演会

講師 参議院議員 山谷えり子先生(元首相補佐官)

入場料 1000円


「日本の素晴らしい歴史と生命を守りたい。教育再生、拉致問題の解決、家族の絆、地域社会の再生にひたすら働いてまいります。」
この事を願い国会議員としてご活躍中の山谷えり子先生による教育講演会を開催します。

民主党政権下における教育行政の現状と課題についても、生の声を拝聴したいと思います。ふるってご参加下さい。


●とき:2009年 12月6日(日) 13:30開場  14:00開演

●ところ:カルチャーリゾート・フェストーネ(旧沖縄ハイツ)

●入場料:1000円


【講師のご紹介】 山谷えり子先生 
昭和25年     東京都生まれ、福井県育ち。
昭和48年     聖心女子大学文学部卒業
 サンケイリビング新聞編集長、テレビキャスター、エッセイスト
平成12年  6月  衆議院議員初当選
主な著書 『嫁姑合戦』(TVドラマ化)、「走りつづけて・父・山谷親平五千六百一回目の朝」、
       「はりきりママのかしこい子育て」など。
 
事務局 TEL098-889-1305、2023   FAX098-889-6496

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
頑張って欲しい! (ayataro04)
2009-12-05 16:32:46
狼魔人さま

新聞の記事を見つけましたが・・・
http://www.yaeyamanippo-news.com/news.cgi?no=3297&continue=on

頑張って欲しい!
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Unknown (涼太)
2009-12-05 22:47:24
狼魔人様

普天間問題は、既得権益者、左翼団体の利権、移転先のの利権といろんな利権が絡んでいます。
自民党がそれぞれの利権を調整し、10年以上の歳月をかけてやっと合意し、あとは実行するだけでした。素人同然の鳩山政権が複雑に入り込んだ利権を調整できる筈も無く、あり地獄に嵌るだけです。
何も普天間問題だけの話ではなく、代替案なしに多くの公共工事を止めてしまった。
小手先だけの2次補正を慌てて組んでも、民主党に政権担当能力が無いことは確かです。
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