狼魔人日記

沖縄在住の沖縄県民の視点で綴る政治、経済、歴史、文化、随想、提言、創作等。 何でも思いついた事を記録する。

普天間移設、地元紙が煽る「民意」とは?

2010-03-22 07:26:57 | 普天間移設


 

『WILL』4月号の『本家・ゴー宣」に小林よしのり氏が普天間基地問題で沖縄取材をした時、産経新聞那覇支局を訪ね、支局長の宮本雅史氏に取材した様子が描かれている。

その中で、宮本氏は次のように発言している。

                    *

「僕は去年10月に赴任して、すぐ辺野古を歩いて地元の人に聞いたんですね。 これだけ騒いでいるけれども、琉球新報や沖縄タイムスの記者が、皆さんの話を聞きに来ましたか?」

「誰も来ないって言うんですよ。  朝毎読も来ないと。」

「テント村で反対している人たちのところえは行く。 一般のところへは誰も行っていない。 テント村には、土地の人はほとんどいないんですよ、」

「11月8日の県民大会も、辺野古から行ったのは一人か二人ですよ。それが実情なのです。」

「そういう取材を地元の記者はやらないんです。 何でも反対すればいいって頭だけで書いていますから。

「その結果が地元マスコミでは沖縄県民130万人全員が反対になっちゃう。 冗談じゃないですよ。」

                   *

一般の読者は地方紙と全国紙の関係をこのような幻想で見る。

「地元紙が足で書いたローカルの記事を、全国紙は現地取材もせずに頭だけで書く。 従って現地の実情は全国には伝わり難い」と。

強力な地元二紙が、イデオロギー優先で記事を書く沖縄では、全く逆の結果になっている。

琉球新報も沖縄タイムスも辺野古に取材に行っても反対派の根城であるテント村だけ。 そこで「プロ市民」に取材し、それを「沖縄の声」と誇大に報している。 このような沖縄紙の偏向報道は良識ある県民なら、周知のことである。

地元紙が現地取材もせず、頭だけで書いたイデオロギー塗れの記事を全国に流しても、

全国紙の支局は村八分になることを恐れて、地元紙と横並びの記事しか報じていない。

ただ一回の現地取材もせず、『鉄の暴風』というデタラメ本を書いた大田良博氏が沖縄タイムスの記者であることを考えれば、「取材よりイデオロギー」という沖縄紙の伝統も理解できる。

【揺らぐ沖縄】「普天間拒否」の稲嶺名護市政スタート 反米闘争勢力の拠点

2010.3.21 07:45
  鳩山政権発足から半年が経過した今も迷走を続ける米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾(ぎのわん)市)の移設問題。場当たり的な発想に移設先として名前が挙がった自治体は強い憤りを表明している。とりわけ日米合意に基づく現行案(同県名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブ沿岸部への移設)を受け入れながら事実上撤回され、新たにシュワブ陸上案が検討対象となった辺野古の住民たちの怒りは頂点に達している。政権に翻弄(ほんろう)され続ける住民たちの本音を探った。

 政府が陸上案を検討していることが表面化した直後の2月25日、名護市内の辺野古、久志、豊原の久辺3区の住民は、沖縄防衛局に「普天間飛行場の危険性や騒音をそのまま久辺地域に移すことになり、区民の安全や安心な暮らしを破壊する」として、阻止行動の決意を伝えた。

 辺野古区行政委員会普天間代替施設等対策特別委員会の古波蔵廣(こはぐら・ひろし)委員長は、陸上案を実力行使で阻止する考えを示し、切り出した。

 「われわれは改めて政府から沿岸部案の提示があると、受け入れる門戸は開いている。もちろん、条件整備の案もすでにできている

ある元県議はこう打ち明ける。「1月の市長選挙で稲嶺氏を支持したのは、島袋氏への個人的な反発があったためで、基地問題とは別。稲嶺市長派の中にも沿岸部容認派は結構多いから、沿岸部案が再提案されれば市議会は受け入れるだろう。そのために意識的に決議と意見書では『沿岸部』に触れなかった

 さらに移設問題を複雑にしているのは、沖縄県議会と基地反対派の動向だ。

 県議会は2月24日、普天間飛行場の県外・国外移設を求める意見書を全会一致で可決した。古波蔵廣氏は「自公会派は沿岸部案を支持してきたのに政権が代わったからと言って、百八十度態度を変えるのは、われわれへの裏切りだ」と不信感を隠さない。

 普天間飛行場を抱える宜野湾市民の一部も、「県外、国外移設」を繰り返す伊波洋一市長の対応に不満を募らせる。

 「普天間の危険性除去を優先すると言うなら、辺野古への移設を早急に実現させるべきだった。実現不可能な案をぶちあげるだけで、移設を本気で考えているとは思えない」(地元タクシー運転手)
いま、反基地闘争を展開している市民グループなどが沖縄県に集結し、「共闘」を持ちかけられた辺野古住民もいるともいう。

 16日に辺野古で起きた米海軍3等兵曹による飲酒ひき逃げ事件を受け県内世論は、事故と基地問題をリンクさせる向きもある。しかし、古波蔵氏は「絶対に許せない重大事故だが、あくまで悪質な兵士の個人的な犯罪。住民の間でも事故を理由に基地反対の声はない」と強調する。

 沖縄県の情報関係者は「普天間問題が迷走を続ける最大の理由は容認派の声が封殺される世論事情と、県民の声を公平に探ろうとしない現政権の怠慢にある。現政権の動きと県民の真意との乖離(かいり)は想像以上に大きい」と指摘し、次のように警告した。

 「このままでは普天間問題だけでなく、原点である嘉手納基地以南の基地縮小案も頓挫してしまう」(宮本雅史)

                    ◇

地元の出来事を常にイデオロギーという色眼鏡を通してしか報道しない地元紙に代わって、産経新聞の宮本那覇支局長が沖縄のマスコミの全体主義的「談合体質」に風穴を開けるような記事を書いている。

宮本氏は、前任者の前田氏が地元紙が報じない「不都合な真実」を記事にしたため就任の僅か半年そこそこで沖縄マスコミの「村八分」に遭い、やむなく転勤させられた直後急遽その後任として赴任した人物である。

前任者との引継ぎもない慌しい支局長交代劇だったという。

前任の前田氏に負けぬ硬骨漢振りは「新・ゴー宣」に描かれた漫画の似顔絵からも伺い知ることができる。(そっくりです!

普天間飛行場を抱える宜野湾市民の一部も、「県外、国外移設」を繰り返す伊波洋一市長の対応に不満を募らせる。

今年になって転居し、宜野湾市民になった筆者だが、一つだけ宜野湾市に不満があるとしたら、それは「普天間基地の騒音」でもなければ「ヘリ墜落の恐怖」でもなく、伊波洋一氏が宜野湾市長であるということだけである。

筆者の転居先は「普天間基地」の近くにあり、生活圏も銀行、スーパー等日常的に夫々の普天間支店を利用しているし、「世界一危険な小学校」の汚名を冠せられた普天間第二小学校の側もよく通る。

だが、移転後二ヶ月足らずではあるが、基地関連の被害を感じたことは唯の一度もない。

「普天間移設が全国的話題になって以来、伊波市長は地元は」勿論全国のマスコミに頻繁に露出し、その知名度は仲井真県知事に迫りつつある。

伊波市長が「県外・国外」を叫ぶのは絶対不可能であると読みきった上でのパフォーマンスである。 「県外・国外」を叫んでおれば、今年行われる県知事選では地元二紙が支持に回ることが明確だからである。

伊波市長が本気で普天間住民の危険を案じているなら、とにかく緊急避難的に県内移設に賛成すべきである。

良識ある県民は先刻、伊波市長の心中を見透かしているが、以下のタクシー運転手の意見が全てを表している。

> 「普天間の危険性除去を優先すると言うなら、辺野古への移設を早急に実現させるべきだった。実現不可能な案をぶちあげるだけで、移設を本気で考えているとは思えない」(地元タクシー運転手

『WILL』の「本家・ゴー宣」にも紹介されている宮本支局長が書いた「普天間第二小学校移転」に関する記事は、次のエントリーで触れているのでご参考までに。

人間の盾に小学生を!普天間移設の真相

最後になるが、宮本支局長、次のように地元紙や同業他社を名指しで批判して、前任者のように村八分にならないのだろうか。

「・・・・琉球新報や沖縄タイムスの記者が、皆さんの話を聞きに来ましたか?」

「誰も来ないって言うんですよ。  朝毎読も来ないと。」

                                      ◇

【おまけ】

「日替わりメニュー」(仲井真県知事談)のように、次々出てくる「移設先」に、もう何処が出てもきても驚かないが、移設先決定の総大将が今ごろになって「米国に「期待する」と来た。

【期待】 」をネット辞書で検索する とこうある。
[名](スル)あることが実現するだろうと望みをかけて待ち受けること。当てにして心待ちにすること。

何じゃこれ。 

何の根拠もなく「実現するだろうと望みをかけて待ち受ける」ってか。

これではまるで神社への「願かけ」ではないか。

オバマ大明神でも祀る神社を造って、お百度参りでもするつもりだろうか。

それより、立て続けに起きる最近の民主党の騒動劇は、自分の「ウガンブスク」(※)のせいではないのか。

アホクサ!

 

)「ウガンブスク」(沖縄語)⇒御願不足⇒神仏への信心が足りないこと

普天間基地移設問題 鳩山首相、アメリカ側が計画変更を容認することに期待感示す(3/21FNN)
 鳩山首相は21日、普天間基地移設問題で、アメリカ側がキャンプ・シュワブ沿岸部に移す現行の日米合意案がベストだとしていることについて、「幅広い考え方を持ち合わせていただけると思う」と述べ、アメリカ側が計画変更を容認することに期待感を示した。
 鳩山首相は「(アメリカ側は)頑固に現行案がベストだと、それは思っておられると思いますけれども、それだけにはとらわれない、幅広い考え方というものを、私はアメリカも持ち合わせていただけるものだと、そのように思ってますし」と述べた。
 さらに鳩山首相は、「われわれの考え方をこれからまとめ、アメリカに理解を求められるよう努力する」と述べた。


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3 コメント

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Unknown (涼太)
2010-03-22 22:04:35
狼魔人様

地元の事は地元の人間に聞くのが一番ですね。
それにしても、南は沖縄から北は北海道まで、もう日本中がグチャグチャです。
今後も、外国人参政権、外国人基本法、人権擁護法、夫婦別姓と日本列島をグチャグチャに掻き回す法案が目白押しです。
昨日は季節外れの暴風が関東を襲いましたが、最新の世論調査も大荒れです。

http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/100322/stt1003222027010-n1.htm


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Unknown (涼太)
2010-03-22 22:32:57
狼魔人様

「テント村で反対している人たちのところえは行く。 一般のところへは誰も行っていない。 テント村には、土地の人はほとんどいないんですよ、」

一つ疑問に思うのですが、テント村の人達はボランティアなんでしょうか。生活費もかかると思うのですが、活動資金はどうしているのでしょう。

世論調査で普天間の移設先に国外の比率が意外と高いのですが、ひねくれた見方をしますと、鳩山政権のあまりの体たらくに対する反発だと思いますよ。

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民主党竹島放棄 (kororin)
2010-03-23 00:22:14
 2月12日、鳩山民主党政権は、恐るべき政府方針を閣議で決めた。
 日本が領有を主張する日本海の孤島「竹島」は、日米安保の適用外とする政府答弁書の閣議決定を行ったのだ。つまり、日本があれだけの負担をしながら維持している在日米軍が日本防衛のために軍事力を行使する地域に、竹島は入らない、と日本政府が断言したのだ。

これは、国民新党の亀井亜紀子参院議員の質問主意書に対する回答だった。その理由は「我が国が施政を行い得ない状況にある」ためだという。日本政府は竹島について、「国土外通告」を行ったようなものだ。竹島には、「〒685-0000 島根県隠岐郡隠岐の島町竹島官有無番地」との日本の住所表記があるにもかかわらず、だ。

「いわば実質的な領土放棄です」と防衛省幹部は苦しい口調で話す。
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