狼魔人日記

沖縄在住の沖縄県民の視点で綴る政治、経済、歴史、文化、随想、提言、創作等。 何でも思いついた事を記録する。

芥川竜之介はフンギリがつかない

2006-06-11 09:12:42 | 県知事選

この数日、気分を変えようと話題転換を図ったら話は下へ下へと転げ落ち始めた。

今朝は雨の日曜日。

暗い雨の日曜日、・・とは、別に何の関係も無いが、最後っ屁のつもりで今日も落ちる話を一発。

が、いささか下品な話になるので、もし食事前なら、しばし読むのを止めて食後に読むことをオススメしたい。

読後に不愉快な気分になってもこれは私の責任ではなく引用した日本の「名作」のせいなのでクレーム、苦情の類は一切受け付けないのでご承知おいて欲しい。

去年の9月30日、友人同士のサイトに駄文を投稿したが、その時あることを書こうとして、上品?な性格が災いして別の表現でお茶を濁した事をふと思い出す。

今朝は、気を取り直して上記の差し控えた表現を書き直して見ることにする。

上記駄文で「どんな美男美女も一皮剥けば皆同じ」と言う表現で次のように書いた。

> 骸骨を包んだ皮の上に同じ数の目鼻があるだけではないか。
> 一寸だけその配列が違っただけで女どもの騒ぎようがこうも違うのか。

その時、本当は「どんな美男・美女も一皮剥けば、ただのクソ袋ではないか」・・と、書きたかった。
が、このようなゲヒンな表現は口にするのも憚れるのに、気の置けない友人サイトの駄文とはいえこれを文章にするのは許される事ではないと思っていた。

ところが、かの大作家の芥川竜之介が自分の作品の中で何の遠慮も無く、かの表現よりもっと生々しく、そのもズバリで「美女のクソ」を表現していたのを知って文豪の「勇気」に感銘した。

そこで自信回復、勇気百倍、臥薪嘗胆、虎視眈々・・・一寸用語がシリメツレツでおかしいって?  

そう、尻滅裂、・・じゃない、支離滅裂でした。 スミマセン。

とにかく、しばし文豪に倣って、クソに関するウンチクを固て、・・じゃない、傾けて見たくなった。

いや、ウンチクは傾けるよりタレた方が、・・もとい、タレ散らかした方が話題としては面白い。

それで、問題の芥川先生の危険な作品とは?

題名もそのものズバリの「好色」で、平安朝時代を舞台に光源氏を思わせるプレイボーイが主人公の短編小説。

概略は、プレイボーイ平中は狙った女でモノにできなかった者はいないほどのモテモテの色男。

が、そんな平中に唯一なびかない女がいた。

本院侍従の君という美女。

平中のアプローチも邪険にはねつけ、今にもモノになりそうだと思わせておいて、するりと逃げ出す。

平中は生まれて初めて失恋の苦しみを味わう。

だが、平中の思いはつのるばかり。

この苦しさから逃れるためには、恋しい侍従に幻滅するような何かを求める。

そこで思い付いたのが「どんな美女も人糞製造機」というとんでもない発想だった。

そして失恋により思慮フン別を失った色男は愛しの侍従の「おまる」を強奪するというトンデモナイ行動に及ぶ。

小心者の狼魔人などは考えただけでも冷や汗が出る。

話がクライマックソ、・・もとい、クライマックスに至るところで芥川先生の名文で物語のケツマツを味わって欲しい。

≪「好色」   作 芥川竜之介

平中は眼の色を変えたなり、女(め)の童(わらわ)の行く手に立ち塞がった。そしてその筥(はこ)をひったくるや否や、廊下の向うに一つ見える、人のいない部屋へ飛んで行った。(中略)
「そうだ。この中を見れば間違いない。百年の恋も一瞬の間に、煙よりもはかなく消えてしまう。……」
平中はわなわな震える手に、ふわりと筥の上へかけた、香染の薄物を掲げて見た。筥は意外にも精巧を極めた、まだ真新しい蒔絵である。
「この中に侍従の糞(まり)がある。同時におれの命もある。……」

平中は殆ど気違いのように、とうとう筥の蓋を取った。(中略)これが侍従の糞であろうか?いや吉祥天女(きっしょうてんにょ)にしても、こんな糞はする筈がない。平中は眉をひそめながら、一番上に浮いていた、二寸程の物をつまみ上げた。そうして髭にも触れる位、何度も(におい)を嗅ぎ直して見た。は確かにまぎれもない、飛び切りの沈(じん)のである。

平中、つまんだり汁を啜ったり、ちょっと噛み締めたり…ん?芳しい匂いと苦味の混じった甘さ…。

侍従は何処から推量したか、平中のたくみを破る為に、香細工の糞をつくったのである。≫


これはひょっとして芥川先生の実体験かもしれない。

ところが芥川先生、やはり上品な性格が災いしたのか、徹底的に下品にはなれなかった。

どうせここまで書くのならヤケクソで、愛しい美女の本物のクソでも喰らい(これが本当の「クソデモクラエ」)、嘔吐して遂には悟りの境地にいたる、・・「色即是空」、「美女即ち是クソ袋なり」と。

残念ながら芥川先生はそこまでは徹底できず、いかにも美女らしい香(かぐわ)しいクソ、つまり「偽造ウンコ」でケツマツをゴマカシた。

文豪も土壇場になってになって、最後のフンバリ、・・・いや、フンギリがつかなかったのか。

蛇足ながら、この不愉快な文を読んで、ひょっとして大作家芥川竜之介先生の迷作、・・失礼、名作を全文通して読んでみたくなった奇特な人は下記で読むことが出来ます。

芥川竜之介「好色」http://www.aozora.gr.jp/cards/000879/files/90_14976.html


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