「旅の坊主」の道中記:常葉大学社会環境学部・小村隆史の防災・危機管理ブログ

日本唯一の防災学部はなくなっても、DIGと防災・危機管理を伝える旅は今日も続いています。

災害ボランティアによる静岡図上訓練に参加して

2015-03-07 21:03:02 | 防災ボランティア
正式名称は「静岡県内外の災害ボランティアによる救援活動のための図上訓練」。
第10回を迎える国内の災害救援系ボランティアの恒例のビッグイベント。

今日7日と明日8日、静岡市民文化会館を会場に行われている。
今年のテーマは「みんなで作る!!災害時の助け合い『気付きのレシピ!』」

県内プレイヤー149名、県外プレイヤー72名、県内ビジター29名、県外ビジター17名、
その他企画側や地元行政・社会福祉協議会関係者など、350名ほどが参加。

第3回(2008年)から第5回(2010年)まで、
時事通信のNさんと組んで「旅の坊主」が訓練監修者として訓練を回していたが、
第6回以降は若い世代にバトンを渡し、後ろから見ている立場となった。

という訳で、記念すべき区切りの第10回である今回も、
静岡図上訓練の来し方を語る30分のビジター向けプログラムと、総括コメントを除いて、
基本的には、後ろに控えているのが「旅の坊主」の役割。

(注:本訓練でのビジターとは、訓練見学者の意味。
静岡図上訓練の目的と内容を理解し、願わくば所属に持って帰ってもらうべく、
要所要所で「旅の坊主」らが解説しつつ、見学をしてもらっている。)

ゼミ生2名が、静岡県学生ボランティア団体「うちっち」の一員として、
第4次被害想定について説明してくれた。

学生諸君の説明後に知人の防災ボランティアに初歩的なミスを指摘され、
監修役が監修をしっかり果たしていなかったことがバレバレ。
まぁ、学生の代わりに頭を下げるのも教員の仕事、か。

ビジター向けに静岡図上訓練の概略を説明する「初心者でもわかる図上訓練」では、
Nさんと2人で、2006年の第1回から今回に至る歩みを振り返りつつ、
シミュレーション型図上訓練とワークショップ型図上訓練との違いや、
机上訓練と図上訓練、さらに我々の取り組みである「頭上訓練」の違いについても
話をさせてもらった。

時間は短かかったが(聞く側も長い話は飽きるだろうし、これくらいでちょうど良いのだろうが)、
「旅の坊主」としても一通りの振り返りが出来た訳で、なかなか有意義な機会だった。

初日のプログラムで注目したいところは、
被災者の困り事は何か、というのを、具体的にイメージさせるワーク。
類似のプログラムは幾つも見てきており、また、いくつも仕掛けてきているが、
今日のやり方にはなかなか工夫の跡が見られた。
「旅の坊主」としても、次にやる時にはこのノウハウを使わせてもらおうと思っている。

この種のワークのノウハウも含めて、
3年後には、今日のような図上訓練の考え方やしくみが取り入れられた訓練(ワークショップ)が、
各地で行われているようになってほしい、というのが、関係者がゴールとするところ。

静岡図上訓練も、暗中模索の2年間の後、「旅の坊主」とNさんが基本的枠組みを作った3年間を経て、
若手(それも多くは県内関係者)が絡むようになって5年、
今や、明確なゴールもイメージ出来るようになってきた。

まだまだこれから、というところはあるが、まずは若手を讃えたい。

この図上訓練のもう一つの目玉は、人間関係づくり。
その部分はまだまだこれから。「旅の坊主」も再参戦しなくては、である。


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