「旅の坊主」の道中記:常葉大学社会環境学部・小村隆史の防災・危機管理ブログ

日本唯一の防災学部はなくなっても、DIGと防災・危機管理を伝える旅は今日も続いています。

教え子の人生を、予定されている巨大災害で狂わせないために、教育者に出来ること:教員免許更新講習

2015-08-12 23:52:51 | 防災教育
毎年夏の恒例行事となった感のある教員免許更新講習。

今年は思うところあって、地震・津波防災と土砂災害理解教育、4コマ×2日の担当を申し出た。
今日は地震・津波防災DIGのコマで、85名の参加者を得て、滞りなく行うことが出来た。

講義・ワークに託したメッセージはこんなところ。

「時代の宿命」(海溝型地震の周期性との関連で)

「現在形の防災と未来形の防災」

「日本全国、震度6強の揺れはあると思え」

「立地と構造」

「安全な場所を見抜く目・購える経済力」

「防災教育の4つの段階」
(小学生:自分の命を守る)(中学生:他の人の命も守る)
(高校生:自分の将来も守る)(大学生:ふるさとの未来も守る)

「予防に勝る防災なし」(防災は予防と応急と復旧・復興の三本柱からなるが)

基本的には、毎月2回、「ふじのくにDIGセミナー」と「富士市DIGセミナー」で発しているメッセージと同じ。
ただ一つ、決定的に大きな違いがある。それは、受講生が全員、教育者であるということ。

「(東日本大震災を直接見聞きした)あの時代の大人は、何をしていたのか?」と
2035年+α年の中学生から言われないようにするために。

(高台移転を含む)長期の計画を作るのは今の世代の責任
2035年+α年後のその時、社会の中心を担っている世代に
正しい知識とイメージを持たせるのも今の世代の責任

2012年の冬以降、このテーマを掲げるようになった。
今日、ご参加下さった先生方には、このスタンスで教え子たちに向かってもらいたい、と思っているが、
こちらの願いがどれほど通じたのか、それはわからない。
何人かの先生は、しっかり受け止めてもらえた様子。まずはそれでよしとしよう。

しっかりとした防災教育本を出さなくてはならない、と、本気で考え始めている。
ただ、自分の生活のどこを削れば、そのための時間を確保できるのか。そこが相変わらずわからない。
本を書いて情報発信することにまだまだ本気じゃない、ということの表れ、なのか?

細部は別の機会に述べることにするが(それこそ「本を書け!」だ)、
ブログやFBで文字を書き続けることで、頭の中もかなり整理されてきている。
体系化されつつある防災教育のイメージを、しっかりと、他の人に伝わるような形にすること。
ここ数ヶ月の大きな課題である。