***** 神社と災害 No.13 *****
927年制定の『延喜式』に記載された
東北三県の式内社が、869年に発生した
貞観地震の影響を受けて選定されたとすれば、
貞観地震における津波被害で
倒壊したような神社に関しては、
必然的に候補から外されていたとも考えられます。
つまり、現在「式内社」と認定されている神社は、
「貞観地震の際に津波被害に遭わなかった」
確率が高いわけで、これから起こるであろう
巨大地震や巨大津波に備えるにあたり、
これら一帯を避難場所として
活用できる可能性も見えてくるのでしょう。
そこで気になるのが、東日本大震災時に
生き残った多数の式内社の中で、
なぜ3つの社のみが全壊・半壊して
しまったかということですね。
聞いたところによりますと、
3つの社のうちのひとつは、
「里宮」と呼ばれる山頂の神社の遥拝所で、
もうひとつは後年に海沿いへと移転した神社、
最後のひとつは本来「沖の小島」で
祀っていた神様を港に移したものなのだとか……
(いずれも詳細は不詳)。
つまり、すべての社が『延喜式』当時の
鎮座地から移動していたのです。